2008/12/21 - 2008/12/25
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tetsu60さん
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12月23日(火)
早朝、アンコール・ワットの日の出を見に行く。 日の出は6時とのことで5時半頃にアンコール・ワット遺跡に到着、が、もうすでに相当数の観光客が陣取っている。 周壁の内側、寺院前の聖池の前面には観光客がうじゃうじゃ、西洋人も多いが韓国、中国の人たちも結構来ている。 テント屋根の露店ももう店を開いている。 聖池の前で日の出を待つ。 春分、秋分の日は寺院の上から日が昇るらしいがこの時期はかなりずれるらしい。 少しずつ明るくなるにつれ周囲の様子が見えてくる。 日が昇り始める、池にはたくさんのハスが植わっていて花が開き始める。 茎を伸ばしピンク色の蕾が開く。 寺院のシルエットが実にきれい。
ホテルに戻り朝食後、北のベン・メリア遺跡へ向かう。 ベン・メリアまではシェム・リアップの北東へ約60kmのバスの旅。 カンボジアの幹線道路6号線を行く。 町はなんとなく埃っぽい。 この国の季節は乾季と雨季のみ、つまり日本の秋冬は乾季、春夏は雨季とのことで、気温は年中ほとんど変わらないらしい。 連日30℃を越える。 今は乾季の季節、道路(幹線道路)は舗装してあるが凸凹は激しく、道路の横は赤土、道路上にも
赤土が積もっている。 その道路はバイク(50ccくらいの日本では「カブ」とよばれる)だらけ、その上バイクに3人、4人、5人と乗っている。 バイク以外にも自転車、観光客を乗せたバイクタクシーや三輪車で溢れている。 一方、われわれの乗ったバスはけたたましくクラクションを鳴らしながらバイクやバイクタクシーの横をすり抜けて行く、危なっかしい。 その上、よく飛ばす、飛ばしては急ブレーキ、バスのシートは硬く、とても「快適な旅」とはいえない。 かくの状態はこの旅が終わるまで連日続く。 途中いくつかの町や村、カンボジアの農地を通り過ぎる。 家は高床式、水が出たときのため、風の通りも良く結構快適らしい。
ベン・メリア寺院は森林の中にひっそりと埋もれている、文字通り草や樹木に覆われて埋もれている。 あまりにも崩落・荒廃が激しく、崩落を防ぐ支柱と見学通路の木道はあるが修復の手も入っていない。 この寺院については詳しいことは分かっていないようだ。 町から離れたところにぽつんとひとつだけの寺院、誰が何時建てたのか詳しくは分かっていない。 が、おおむね12世紀前半に建てられた仏教寺院で、3重の周壁に囲まれたアンコール地区中最大の寺院とのこと。 ナーガの置かれた参道を通って周壁の中に入ると森林の中、そして崩れた経蔵や回廊、それに絡まる木の根や覆い尽くすガジュマルの根。 塔門の破風にはなぜかヒンドゥー教のレリーフ、もちろん仏教の仏の姿が刻まれたものもある。 参道に戻ると裸足の子供たちがたむろしていた。
この後ホテルに戻り昼食と休憩。
午後はこの旅行の最大の目的、アンコール・ワットの観光。 アンコール・ワットについてはこれまでいろんなところで取り上げられ、寺院の映像なども目にすることは多い。 これらの情報を見てアンコール・ワットの行きたくなった人は多いことだろう。 クメール王朝の初期にはロリュオスに都が置かれたが、その後このアンコール地区に都が移された。 アンコールは「町、都」ワットは「寺」、アンコール・ワットは「寺の町」の意であることは良く知られている。 が、アンコール・ワットの場合町はなく、寺院のみで構成されている、これがアンコール・トムとの違い。 シェム・リアップの北8kmに位置する寺院はスールヤ・ヴァルマン2世の統治時代(1113〜1145)の前半に造らせたヒンドゥー教のヴィシュヌ神に捧げた寺院、ヒンドゥー教の宇宙観を具現し、天界と交信するための施設。 敷地東西1.5km、南北1.3km、幅200mの環濠に囲まれて、西を向いた寺院、周壁は4重になっている。 そして典型的な階段ピラミッド型の寺院で3層(3階)に構成され、3階には5基の祠堂が建てられている。 参道には例によってナーガの像、参道左右には環濠、正面に西塔門、西塔門の左右に象の門、周壁がぐるりと取り囲んでいる。 早朝にも来たが再度の訪問。 西塔門から入ると柱や壁にテヴァダー神の像やアプサラ(水の上を歩く、もしくは滑る天上の美しい妖精、重要な神ではない)のレリーフが刻まれている。 塔門を抜けるとだだっ広い広場、その真ん中に寺院まで400mくらいの参道、中間地点の左右に経蔵、そして寺院前に聖池。 聖池を左右に見て塔門前のテラスに、テラスに数匹の猿がいた。 南国らしく椰子の実を食べていた。 テラスから第1回廊に入る。 第1回廊の壁にはクメール文化を代表する精緻を極めたレリーフが刻まれていた。 回廊4面の壁に1面2種ずつレリーフは8種、これらの間には脈絡はない、それぞれが独立した物語を構成している。 「ラーマヤナ物語」「マハーヴァーラタ物語」「スールヤ・ヴァルマン2世と行進する軍隊」「スールヤ・ヴァルマン2世と天国と地獄図」「乳海撹拌」「ヴィシュヌ神と悪魔の戦いの図」「クリシュナの図」「神対阿修羅の図」。 いずれのレリーフも今にも動き出しそうな、生き生きとした表情。 第1回廊を出て階段を上がると第2回廊。 第2回廊を抜けると10mを超える高さの壇(第3回廊)、その壇の上に建つ5基の祠堂群。 そしてその祠堂に登るには斜度60度(ガイド君は70度という)のステップ幅の狭い階段を登らねばならない。 下から見上げても絶壁のよう、上から見ると絶壁そのものに見えるだろう、どうやって降りるのだろう。 ただし、先月(11月)事故が発生し第3回廊に登ることは禁止されたとのこと。 テレビなどではこの階段を登って第3回廊からの地上の眺めを紹介していたが、残念! なぜこのような急な階段にしたか?ガイド君の話では「神様が登るのに階段の角度は関係ない」。 神様が登るには階段もいらないだろうに… 第2回廊に戻るが、回廊の壁にはテヴァダー神の姿、これが実に美しい。 第2回廊の中に入ると柱に書かれた森本右近太夫の落書き。 彼は肥後の加藤清正の重臣の子、1632年にここを訪れている。 ここを祇園精舎と思っていたらしい(ここはヒンドゥー教寺院だが…)。 この頃はアンコールは放棄されていた。 西塔門を抜けて帰路に向かう。
※ 「ラーマヤナ物語」は元はインドの叙事詩。 カンボジアではラーマ王子が狩をしている間に魔王ラーヴァナにシータ姫をさらわれ、猿軍団を率いて取り戻す話。
※ 「マハーヴァーラタ物語」も元はインドの叙事詩。 カンボジアではバーンダヴァ家の王子が王権を奪おうとしたカウラヴァ家を倒す物語。
※ 「乳海撹拌」はヒンドゥー教の天地創造の神話。 賢者に呪いをかけられた神々が霊薬を作るためヴィシュヌ神の化身の大亀の背に大マンダラ山を乗せ大蛇ヴァースキを絡ませアシュラ(悪の神々)と引き合い海をかき混ぜると海は乳海となり、1000年の間にさまざまな神や動物・植物が飛び出し、最後に霊薬ができた。 この霊薬を巡って神々とアシュラたちが争いヴィシュヌ神の力で神々のものとなったが、アシュラの一人がひそかに口にして不老不死になった。 このことを太陽神と月神がヴィシュヌ神に訴えたところヴィシュヌ神は怒って円盤でアシュラの体を胸のところで2つに切り裂いた。 アシュラが告げ口をした太陽神と月神を追いかけて飲み込むが、すぐに体の外に出てしまう。 これが日食と月食。
夕刻はカンボジアの民族舞踊、アプサラ・ダンス(宮廷舞踊だったそうだ)を見ながらの食事。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- ベトナム航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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