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 一昔前と比べると情報も簡単に入手でき、僻地への旅行も容易くなった昨今、モロッコもヨーロッパではメジャーな旅行地として認められ、日本でも認知度が高まり、日出る国、日本から日入るマグレブの国を観光する日本人も少なくない。その証拠にモロッコでは空港や街中での多くの両替所で日本円からモロッコディルハムへ換金が容易に可能だ。<br /><br /> そんなモロッコの中で私の最も印象深く、のどかな雰囲気がたまらなく心地よく感じたのはフェズ。モロッコの情緒が残り、訪れたものを引き入れる魔術に取り込まれたようにその魅力の虜になってしまう。とはいえきっと過ぎし日のフェズをご存知の方は現代の観光地化され、旅行者が溢れたたフェズの町にガッカリし、郷愁に浸る思いをするかもしれない。しかし私にはメディナの古い町並みの中に市民の生き生きとした生活が伝わり、荷物を載せたロバのカッポカッポと歩く蹄の音や、細い路地でこだましているかの如く飛び交う商人たちの掛け声、呼び声、そして客引きの声を聞くと、時としてタイムスリップして遠い昔にやってきたような錯覚にさえ陥ることがある。<br /><br /> メディナは複雑に細い路地が入り組み、初めて奥深く行ったときには、地図はまったく役に立たない。東西南北一体どこを目指して歩き、自分がどこの道を進んでいるのか、地図を見ながら歩くと目で追いすぎてしまい、余計にわからなくなってしまうのだ。こんな経験は初めてのことで私も最初は頭がこんがらがってしまった。メディナは高低差があるうえ、細い路がクネクネと続き、多くの人でごった返しているので、余計に地図から自分の位置を見失ってしまう。そして息が上がる・・・。それが余計に平常心で地図を見ながら歩けなくさせているのかもしれない。しかし落ち着いて自分の行きたい場所の方角をある程度頭に入れて地図を閉じ、その場所へ向かう途中にモスクがあれば、地図を開き、場所を確認する。結果的に自分が歩いている方角さえつかめば何とか目的地にたどり着くことができるものだ。尤もそれには心と時間に余裕がなければならないが。<br /><br /> 改めてメディナを歩き、この都市構造は「迷宮」という名にふさわしいと感じた。細く入り組んだ小路が張り巡らされ、隣同士建物がくっつきひしめき合う。建物自体が小路の壁となり、迷路を作っているのだ。迷路のような道はまるで体内の毛細血管のように張り巡らされが、交通網としては不便極まりない。しかしながら外敵が攻め込んできた場合、侵入を妨げる役目を担い、これほど心強い防備はない。道は途中で行き止まりのものや、迷い込んでしまうとなかなか出られない構造になっている。もし攻め込まれた場合、敵が袋小路に入れば一気に叩く事もできるし、小路では大群をもってしても長細く一列にならなければならないので、小路を作る民家から攻撃を浴びせかけることができ、一気に敵を殲滅することもできる。また自軍や住民が非難・退却時にも民家が重なり合い小路を造っているのは役に立つのだ−住民は屋上を伝って逃げることができる。こうしたメディナの構造はイエメンのサナアなどにもみ受けられられるが、フェズの最大の特徴は更にアップダウンが大きく作られていることではないだろうか。普通に観光していても足が疲れてくるというのに、戦ともなればどうなのだろうか?1000年もメディナが存在し続けるということもうなずける。<br /><br /> 1000年の時の流れの中でモロッコの中心として栄え、文化が育まれたフェズのメディナ。平和になった現在この迷宮は、現代では住むには不便極まりない。かつて侵入者を阻み、フェズの街を守備した城壁や迷路の様に入組んだ細い路地は、現代では交通網の発展を遮り、街の開発を遅らせ、メディナを時代から取り残させてしまった。その為メディナでは人の足が頼り、トラックや車が入ることができないので穀物などの重量のある物の運搬は馬やロバに頼る。現代となってみれば、こんな時代遅れな生活環境、恐らく日本や欧米であれば、合理主義の旗印の基に街は大きく様変わりさせられ、安全という名のもとに防災面や耐震面の論じられ、取り壊されるか、規模の縮小・強制退去を余儀なくされ生活感のない博物館として保存されていたかもしれない。そんな現代にそぐわなぬ都市構造の中で人々は今もなお生活をしているというのは、きっとこの町に1000年もの長い間祖先より譲り受け、継承してきたという「メディナの住人」という、マグレブの民の高き誇りと町への思いがあるからだろう。時代錯誤の町のつくりではあるが、人々は町を変えようとせず、今も昔と変わらぬ町のつくりの中で生きている。私はその心意気が好きになった。<br /><br /> 近年フェズに限らず、モロッコではこうしたメディナの古い邸宅を改装した、リヤドと呼ばれる宿泊施設が数多く作られている。日本風にいえば民宿のようなものだ。ホテルのように大規模な宿泊施設と異なり、客室も数部屋しかないものも多い反面、ホスピタリティに溢れ、部屋の造りや宿に対するオーナーのこだわりがリヤドに形となって現れ、とても個性豊かな一面を持っており、旅行客を楽しませてくれる。ホテルと比較すると、リヤドはメディナの伝統建築を踏襲しているので、メディナの家庭にお邪魔し、メディナに溶け込ませてくれるような感覚にさせてくれる。<br /><br /> リヤドには大抵中庭や建物の屋上にテラスが設けられている。メディナに繰り出し、小休止にリヤドに戻って静かな中庭で読書やガイドブックを読む。そして屋上のテラスにのぼり、メディナに響く声や音、そして一面に広がる景色をゆっくりと楽しみながら太陽の日差しを浴び、時間を気にせず過ごす。旅で訪れたことを忘れさせてくれるような時間の使い方ができ、安らぎすら感じることができるのがとても魅力である。もっともリヤドの数も多いので当たり外れはあるし、一流ホテルと比較すると設備は乏しいかもしれないし、家庭的な温かさがある反面、ホテルのようなプライベート感覚には欠けるかもしれない。しかしモロッコに訪れて最もモロッコらしい文化に気軽に触れることができるので、モロッコに訪れたときには是非リヤドに宿泊してみてほしい。リヤド選びは添付のようなウェブを利用したり、口コミを見、そしてそのリヤドのオーナーが開設したウェブを比較しながら探してみよう。リヤドの数に驚いてしまうかもしれないが、時間をかけて探せばきっと自分にあったリヤドを見つけることができるだろう。<br /><br />モロッコのリヤド探しのサイト<br />http://uk.espace-maroc.com/<br /><br />宿の口コミといえばこのトリップアドバイザーですよね!<br />http://www.tripadvisor.com/#<br />

パリ・モロッコ・スペインそしてロンドン周遊の旅 13 −フェズを歩く

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2008/10/10 - 2008/10/21

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worldspan

worldspanさん

 一昔前と比べると情報も簡単に入手でき、僻地への旅行も容易くなった昨今、モロッコもヨーロッパではメジャーな旅行地として認められ、日本でも認知度が高まり、日出る国、日本から日入るマグレブの国を観光する日本人も少なくない。その証拠にモロッコでは空港や街中での多くの両替所で日本円からモロッコディルハムへ換金が容易に可能だ。

 そんなモロッコの中で私の最も印象深く、のどかな雰囲気がたまらなく心地よく感じたのはフェズ。モロッコの情緒が残り、訪れたものを引き入れる魔術に取り込まれたようにその魅力の虜になってしまう。とはいえきっと過ぎし日のフェズをご存知の方は現代の観光地化され、旅行者が溢れたたフェズの町にガッカリし、郷愁に浸る思いをするかもしれない。しかし私にはメディナの古い町並みの中に市民の生き生きとした生活が伝わり、荷物を載せたロバのカッポカッポと歩く蹄の音や、細い路地でこだましているかの如く飛び交う商人たちの掛け声、呼び声、そして客引きの声を聞くと、時としてタイムスリップして遠い昔にやってきたような錯覚にさえ陥ることがある。

 メディナは複雑に細い路地が入り組み、初めて奥深く行ったときには、地図はまったく役に立たない。東西南北一体どこを目指して歩き、自分がどこの道を進んでいるのか、地図を見ながら歩くと目で追いすぎてしまい、余計にわからなくなってしまうのだ。こんな経験は初めてのことで私も最初は頭がこんがらがってしまった。メディナは高低差があるうえ、細い路がクネクネと続き、多くの人でごった返しているので、余計に地図から自分の位置を見失ってしまう。そして息が上がる・・・。それが余計に平常心で地図を見ながら歩けなくさせているのかもしれない。しかし落ち着いて自分の行きたい場所の方角をある程度頭に入れて地図を閉じ、その場所へ向かう途中にモスクがあれば、地図を開き、場所を確認する。結果的に自分が歩いている方角さえつかめば何とか目的地にたどり着くことができるものだ。尤もそれには心と時間に余裕がなければならないが。

 改めてメディナを歩き、この都市構造は「迷宮」という名にふさわしいと感じた。細く入り組んだ小路が張り巡らされ、隣同士建物がくっつきひしめき合う。建物自体が小路の壁となり、迷路を作っているのだ。迷路のような道はまるで体内の毛細血管のように張り巡らされが、交通網としては不便極まりない。しかしながら外敵が攻め込んできた場合、侵入を妨げる役目を担い、これほど心強い防備はない。道は途中で行き止まりのものや、迷い込んでしまうとなかなか出られない構造になっている。もし攻め込まれた場合、敵が袋小路に入れば一気に叩く事もできるし、小路では大群をもってしても長細く一列にならなければならないので、小路を作る民家から攻撃を浴びせかけることができ、一気に敵を殲滅することもできる。また自軍や住民が非難・退却時にも民家が重なり合い小路を造っているのは役に立つのだ−住民は屋上を伝って逃げることができる。こうしたメディナの構造はイエメンのサナアなどにもみ受けられられるが、フェズの最大の特徴は更にアップダウンが大きく作られていることではないだろうか。普通に観光していても足が疲れてくるというのに、戦ともなればどうなのだろうか?1000年もメディナが存在し続けるということもうなずける。

 1000年の時の流れの中でモロッコの中心として栄え、文化が育まれたフェズのメディナ。平和になった現在この迷宮は、現代では住むには不便極まりない。かつて侵入者を阻み、フェズの街を守備した城壁や迷路の様に入組んだ細い路地は、現代では交通網の発展を遮り、街の開発を遅らせ、メディナを時代から取り残させてしまった。その為メディナでは人の足が頼り、トラックや車が入ることができないので穀物などの重量のある物の運搬は馬やロバに頼る。現代となってみれば、こんな時代遅れな生活環境、恐らく日本や欧米であれば、合理主義の旗印の基に街は大きく様変わりさせられ、安全という名のもとに防災面や耐震面の論じられ、取り壊されるか、規模の縮小・強制退去を余儀なくされ生活感のない博物館として保存されていたかもしれない。そんな現代にそぐわなぬ都市構造の中で人々は今もなお生活をしているというのは、きっとこの町に1000年もの長い間祖先より譲り受け、継承してきたという「メディナの住人」という、マグレブの民の高き誇りと町への思いがあるからだろう。時代錯誤の町のつくりではあるが、人々は町を変えようとせず、今も昔と変わらぬ町のつくりの中で生きている。私はその心意気が好きになった。

 近年フェズに限らず、モロッコではこうしたメディナの古い邸宅を改装した、リヤドと呼ばれる宿泊施設が数多く作られている。日本風にいえば民宿のようなものだ。ホテルのように大規模な宿泊施設と異なり、客室も数部屋しかないものも多い反面、ホスピタリティに溢れ、部屋の造りや宿に対するオーナーのこだわりがリヤドに形となって現れ、とても個性豊かな一面を持っており、旅行客を楽しませてくれる。ホテルと比較すると、リヤドはメディナの伝統建築を踏襲しているので、メディナの家庭にお邪魔し、メディナに溶け込ませてくれるような感覚にさせてくれる。

 リヤドには大抵中庭や建物の屋上にテラスが設けられている。メディナに繰り出し、小休止にリヤドに戻って静かな中庭で読書やガイドブックを読む。そして屋上のテラスにのぼり、メディナに響く声や音、そして一面に広がる景色をゆっくりと楽しみながら太陽の日差しを浴び、時間を気にせず過ごす。旅で訪れたことを忘れさせてくれるような時間の使い方ができ、安らぎすら感じることができるのがとても魅力である。もっともリヤドの数も多いので当たり外れはあるし、一流ホテルと比較すると設備は乏しいかもしれないし、家庭的な温かさがある反面、ホテルのようなプライベート感覚には欠けるかもしれない。しかしモロッコに訪れて最もモロッコらしい文化に気軽に触れることができるので、モロッコに訪れたときには是非リヤドに宿泊してみてほしい。リヤド選びは添付のようなウェブを利用したり、口コミを見、そしてそのリヤドのオーナーが開設したウェブを比較しながら探してみよう。リヤドの数に驚いてしまうかもしれないが、時間をかけて探せばきっと自分にあったリヤドを見つけることができるだろう。

モロッコのリヤド探しのサイト
http://uk.espace-maroc.com/

宿の口コミといえばこのトリップアドバイザーですよね!
http://www.tripadvisor.com/#

同行者
カップル・夫婦
交通手段
鉄道 高速・路線バス タクシー
航空会社
ロイヤルエアーモロッコ
  • フェズのメディナの入口、ブー・ジュルード門。1913年に建設された比較的新しい城門。青色のタイルや幾何学模様はイスラム建築独特の美しさを持つ。

    フェズのメディナの入口、ブー・ジュルード門。1913年に建設された比較的新しい城門。青色のタイルや幾何学模様はイスラム建築独特の美しさを持つ。

  • この付近にはこうして立派な城壁が造られ、フェズの堅固さを現在に伝える。

    この付近にはこうして立派な城壁が造られ、フェズの堅固さを現在に伝える。

  • 攻め手もこんな立派な城壁に阻まれると怯んでしまいますよね。<br /><br />

    攻め手もこんな立派な城壁に阻まれると怯んでしまいますよね。

  • 持参した地球の歩き方のこの付近に関する地図がなんかおかしくて、この門の名前が結局わからず仕舞い。でも城門らしいこの造りに惚れボレです。ガイドブックにはマルーク門となっているのですが、ホンマ??

    持参した地球の歩き方のこの付近に関する地図がなんかおかしくて、この門の名前が結局わからず仕舞い。でも城門らしいこの造りに惚れボレです。ガイドブックにはマルーク門となっているのですが、ホンマ??

  • 恐らく地球の歩き方が記したのはマルーク門ではなくて、そのすぐ横のカスバへの城門こそがマルーク門のような気がするのですがいかがでしょう?昔のモロッコの100フラン札にフェズ・エル・バリのマルーク門が描かれていますが、まさにこの城門です。歩き方のこの付近の地図の地名と道がどうも実際の道と一致せず、行きたいレストランになかなかたどり着くことができませんでした。。。まぁそんなこともありますよね!<br />

    恐らく地球の歩き方が記したのはマルーク門ではなくて、そのすぐ横のカスバへの城門こそがマルーク門のような気がするのですがいかがでしょう?昔のモロッコの100フラン札にフェズ・エル・バリのマルーク門が描かれていますが、まさにこの城門です。歩き方のこの付近の地図の地名と道がどうも実際の道と一致せず、行きたいレストランになかなかたどり着くことができませんでした。。。まぁそんなこともありますよね!

  • 門をくぐるとスークが軒を連ねる。<br />

    門をくぐるとスークが軒を連ねる。

  • また「マルーク門」の周辺にはこうして青空市場が立っていてみるだけでも面白い。

    また「マルーク門」の周辺にはこうして青空市場が立っていてみるだけでも面白い。

  • この市場がまた適当で、靴の市場なんてこんなに山盛りに。っていうかこん中から一足揃えて探すの結構大変じゃん!これ。。。

    この市場がまた適当で、靴の市場なんてこんなに山盛りに。っていうかこん中から一足揃えて探すの結構大変じゃん!これ。。。

  • 一方ブー・ジュルード門付近には観光客用のこうしたカフェが多く並ぶ。

    一方ブー・ジュルード門付近には観光客用のこうしたカフェが多く並ぶ。

  • ブー・ジュルード門に戻ってきた。夕方になるとますます雰囲気が良い。

    ブー・ジュルード門に戻ってきた。夕方になるとますます雰囲気が良い。

  • ル・カスバというレストランのテラスから。<br />高くそびえる美しい緑色のミナレットはブー・イナニアマドラサ。マドラサといえば、イスラム教の神学校を指しますが、14世紀にブー・イナニア王により建立された歴史ある建築物の一つ。<br />

    ル・カスバというレストランのテラスから。
    高くそびえる美しい緑色のミナレットはブー・イナニアマドラサ。マドラサといえば、イスラム教の神学校を指しますが、14世紀にブー・イナニア王により建立された歴史ある建築物の一つ。

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