2008/07/05 - 2008/07/08
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ジョディさん
★2日目:上海~西塘(泊) 前編★
昨日のこともあり妻が起きてくれるか心配だった。
西塘行きが実現するかどうか、それはすべて “その時” にかかっていたのだ。
朝6時に目覚めた私は旅行前に調べたメモを一人チェックした。
なんせ昨日の失敗がある。
これ以上の失敗があれば帰国後の生活も危ういと思ったわけで。
「西塘に行かなければ…。」、その思いだけがあの寂しい朝の私を支えていた。
予定では上海南駅に9時到着だから、8時半にはホテルを出たい。
朝食に30分、準備に30分とすると遅くても7時半には起きてもらわねば。
あまり早く起こして機嫌を損ねるといけないので、タイミングには細心の注意を払った。
7時、まだ少しだけ早い。
7時12分、もうちょっと。
そして7時15分、 “その時” がきた。
「さ、そろそろ起きようか~?」
できる限り平然を装い声をかける。
すると予想外の事態が!妻は何事もなかったかのように「おはよう。」と。
そして普通に起きて顔を洗ったりしていた。
「何時に出るんだっけ?」
そう話しかける彼女を前に、私は “旅のカミサマ” がいるかもしれないと思った。
※当初の予定:人民公園(早朝)、上海から西塘へ移動(列車・バス)、西塘泊
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
-
6時。
部屋の窓を開けると、うっすらと霞んだ中に歩く人の
姿が見えた。
工事の音が聞こえ始める。
一日の始まりがめちゃんこ早い。 -
“妻起床の儀”を終え安心したせいか、朝食からは
少しゆっくりしてしまった。
時間が気になったが、「こっちの方がお金持って
なさそうで安全?」とバッグを選ぶ彼女に「どっち
でもいい。」などとは言えなかった。
荷物を最小限にまとめていざ出発。
とりあえずタクシーで人民広場まで、そこから地下鉄
一号線に乗り換え上海南駅へ。
何の混乱も、何の迷いもなく駅到着。
時間は押しているんだけど、なんとなくリズムが
いい。 -
切符売り場まではなぜか妻の案内でたどり着いた。
私よりもはるかに勘がいい。
窓口奥には電光掲示板があって、これから出発する
列車の時刻や(たぶん)残数が表示されている。
嘉善行きは…残り7席!?
準備しておいたメモを売り場のお姉さんに見せる。
するとタッタッタッてな感じで簡単に切符入手。
漢字に感謝。
あとで考えてみれば、「残り7席」は指定席だった
かもしれない。
硬座に乗ったらけっこう楽に座れたので。
待合室はそこから2階上がったところにあった(そこ
が何階なのかは不明)。
列車にはそこからまた降りて行く仕組み。
乗る人と降りる人が別のところを通るってこと?
飛行場みたいな感じだろうか。 -
無事に乗れた。
硬座の座り心地は普通だった。悪くないです。
外の景色を見ていると飽きない。
駅から少し離れると新興住宅地っぽいものが続く。
そのあとに農業地域や地方の町並み、工場、また畑
といった感じで続いていく。
停車駅が近づくとしだいに建物が増え、駅から離れる
としだいに何もなくなってくる。
シャッターチャンスはたくさんあったハズなのだが、
景色に見入ってしまい撮れなかった。 -
嘉善駅。
列車とホームの間にはけっこうな段差があるため、
車掌さんが階段をつけてくれる。
振り返れば乗る人と降りる人が交錯。
そして引き締まったイケメン。 -
嘉善駅を外から見た様子。
そこそこの建物。
このあとバスで西塘に行こうとバスターミナルを探し
に出た。
と、すぐに声をかけてくるオジサン。
どうやら西塘まで車で送迎しているらしい。
地図を片手に説明するオジサン。
が、言葉がわからない。
どうも西塘古鎮の入り口付近を指しているようで、
「バスはここまでしか行かないけど、オレっちのは
ここまで行くぜ!」とかなんとか言っているようだ。
「もしかして中まで入ってくれるってこと?」と淡い
幻想を抱きつつ、バスより少し高めの料金を払って
車に乗った。 -
車はこういうやつ。
とてもとても、趣がある。
車には私たちのほかに中国人観光客も乗っていた。
それを見てちょっと安心。
西塘までは30分もかからなかった。 -
車から降りたのは古鎮入口のちょっと手前。
古鎮には車が通れるような入口はないので、当然
ながら入口手前。
「あっちかな〜?」とつぶやきながら入口を探す。
するとそこにはまた別の男性が。
一生懸命何かを話している。
が、わからんのです。
しばらくして一枚の名詞っぽいものを渡された。
「河香客棧」…旅館をやっているのだそう。
以前フォートラベルで聞いた「袁記客棧」という宿に
泊まる予定だったが、話だけは聞いてみた。
場所は送子来鳳橋のそば、シャワーもトイレもある。
そんなに悪くはなさそうなので、値段次第ではここに
泊まることにした。
値段交渉中、なぜか周囲にはその辺のオジサンたちが
集まってきた。
かみあわない言語とある程度かみあう筆談を見守る
周囲。
最後の5元は周囲の声が後押ししたような感じだ。
交渉が成立し握手を交わすと、みんな満足気に何かを
言いながら散っていった。
オジサンに案内され入場料50元を払って古鎮内へ。
どうやら料金が上がったようだ。
オジサンがあまりにも早いため、部屋に着くまで写真
を撮る余裕はなかった。 -
部屋は思った以上にきれい。
入口には鍵もついているし、写真左奥には水辺に
面したテラスもある。
オジサンに感謝。 -
写真左は蚊帳つきのベッド。
写真右はトイレ兼シャワー兼洗面所。
左側に可動式シャワー、正面奥の上にあるのは電気
給湯器。
いったん水をためて温めるらしく、一気に使うと
だんだんぬるくなる。
冬場はちょっと難ありか?
シャワーは排水口のフタを開けてから。
開けないでやったら大変でした。 -
・左上:ポット(魔法瓶)
…保温力がスゴイ。翌朝衝撃を受ける。
・左下:エアコン…快適快調。
・右上:ベッド脇コンセント差込口。
・右下:テレビ脇コンセント差込口と虫除けマット。 -
宿が確保できて一安心。
部屋は風が入ってくるのでそう暑くならない。
とりあえずは水を飲んで一息、爽快。
任務終了の開放感で危うく寝てしまうところだった。
さて、あらためて出かけることに。
まずは来た道を戻ってみる。
すぐそばにある送子来鳳橋を渡ると、そこから先は
「煙雨長廊」という屋根つきの通路がつづく。
日本の(少し寂しい)商店街アーケードと似ている。
西塘の廊棚(長廊)は歴史も古いらしく、昔は周辺
農民との交易の場になっていたようだ。
この長廊があるおかげでずいぶん暑さをしのげた。
水辺には木が植えられていてさらに涼しげ。 -
対岸方向(水辺方向)を見ると遊覧船が。
ゆっくりと船を進める船頭さん。
景色はまったく違うものの、その光景は九州の柳川みたいな感じ。
対岸には漆喰壁・瓦屋根の家屋が水際に建ち並ぶ。
素晴らしい。
別世界に来たような感じ。
☆男性は上半身裸の人が多い。 -
長廊を東へ進むと左手に環秀橋が見えてくる。
朝南逮(本当はシンニョウじゃなくてツチヘン)市河
にかかるこの橋は傾斜がかなり急。
その分頂上(?)まで上ると眺めがいいので、この上
で写真を撮る人がとっても多い。
もちろん私も。
もともとは明の時代につくられ、20世紀半ばに
倒壊。一時木造を経て現在の形になったとか。 -
橋の頂上から西を見るとこんな感じ。
左が長廊のほう。 -
西はこんな感じ。
河に浮かんでいるのは水上レストラン。
その日の昼間は人の気配がなかった。 -
この乗り物は何と言う名前だろう?
三輪自転車タクシーとでもいいますか。
橋を渡り終えたところにたくさん止めてあった。
北側(長廊側)は道幅的にキビシそうだから、ここにいるところからして南側(と古鎮の外)専門なのかも
しれない。
南側でも路地(弄)に入るとキツキツだけど。 -
橋を渡るとすぐに西街という通りに出る。
そこを左(東)に曲がって進んでいった。
お店や旅館などがずらっと左右に並ぶ。
そこを通り過ぎていく三輪自転車タクシー。
軒にぶら下がっている旗は看板みたいなもの。
特に客棧が多い。 -
これこれ!
小路(弄)がいたるところにある。
ただ、これがどこの弄かはもはやわからない。
ここから入ってきたんだっけなあ?
西塘には122もの弄があるという。
行く前には「全部制覇!」などと考えていたが、いざ
行ってみるとすっかり忘れていた。
見かけたところはそこそこ入ってみたけどせいぜい
50くらい。
西街を歩いていると、水辺側にのびる弄と古鎮の外に
つながる弄がある。
古鎮の外につながるこの写真のような弄であれば行き
やすい。
でも水辺側の弄は躊躇してしまう。
それは弄の入口で看板らしきものをよく見かけた
からだ。
旅館やお店の入口につながりそうなのだよ。
あれが122のうちに入っているとすると制覇は無理
だな。
申し訳なくて。 -
先ほどの弄の壁。
黒い煉瓦の上に漆喰を塗ってあるのだけれど、それが
はげ落ちてこういう風合いになっていた。
壁の途中には継ぎ目のような箇所がある。
この写真でもそうだ。右と左で漆喰の残り具合が。
もしかしてこの継ぎ目で所有者が分かれているのか? -
西街をさらに進む。
さっきより少し道幅が狭くなったような感じ。
それにしても赤提灯がやたらとぶら下がっている。 -
ここの弄は奥が曲がってよそ様の敷地に入りそう
だったのでパスした。
正面の朝顔を見て懐かしい気持ちになった。 -
さらに進む。
途中でクランクになっている箇所を通った。
クランクの奥にはまだまだ道がつづく。 -
ここは江南瓦当陳列館の入口。
ちょっと寂しげなたたずまいが気を引く。
私たちは古鎮だけの入場券だったので中はパス。 -
ここは古鎮の出口。
「出口」って看板が立っているので間違いない。
陳列館手前の「計家弄」。
けっこうメジャーな弄だったはず。
出入口には係のおじさんたちが座っている。
でもあれは本当に係の人?
じつは出かける前に宿のオジサンに銀行の場所を
教えてもらった。
上海でも両替したのだけれど、あんまり多くはやらな
かったのだ。
朝から両替して列車に乗ろうと思っていたらいつの間
にやら西塘到着。
持ち合わせでたぶん足りる。でも気持ちに余裕が…。
「最近的銀行在哪里?」と聞いてみる。
オジサンは地図で場所を示したあと紙に色々と書いて
くれた。それを総合すると、
「銀行はここにあるよ。窓口は4時半までやってる
し、ATMは24時間。ただ、まだ行くには早い。午後
3時に戻るとまた入場券がいる。それがさ、午後5時
を過ぎると自由に出入りできるんだ。」
ということのようだ。たぶん。
それでこの出口付近を視察。 -
西塘の消火栓もなかなかのもの。
-
お土産屋さんにて。
この小銭入れ、最終日に妻がとても後悔していた。
買いそびれたのだ。
3つで10元って安くないですか!?
上海にいくらでもあるだろうと思っていたのだが、
これを超えるものを我々は見つけられなかった。
いま考えれば、2元ショップとかにあったかな? -
西街をそのまま進む。
しばらくすると正面には安境橋が見える。
それを渡らずに左に行くとここにたどりついた。
M:i:?(ミッション・インポッシブル 3)
トム・クルーズが来たのか〜。
この看板は永寧橋の手前左側に立っていた。
その横でたたずむ地元風の女性。
永寧橋付近でも撮影が行われたらしい。
撮影の際には古鎮ごと貸切にしたとか。
かなりの額が支払われたとか。
エキストラを募集したら案外集まらなかったとか
(店が忙しいとかの理由で)。 -
安境橋から北を向いて撮影。
手前の建物は、永寧橋を渡ってすぐ右側にあるレストラン「銭塘人家」。
奥に見えるのは万安橋かな? -
奥の橋は何といったか…。
「あとで地図を見れば。」と思っていたらわからなくなってしまった。
左側のスペースが戌寅橋の近くだと思ったが、地図を見てもそれっぽい橋がない。
マイナー橋は要現地確認。 -
戌寅橋から獅子橋(手前)と万安橋(左奥)を見る。
水郷ならではの橋密度。
この時はたまたま誰もいなかったので、人の数より橋の数が多い。 -
戌寅橋を渡ったあたりだろうか?
お店が建ちならぶあたりとはちょっと様子が違う。
さらにのんびりした感じの穏やかな風景。 -
トウモロコシが干してあった。
この辺りの人たちにとっては当たり前のことなのだけど、私たちにとってはとても懐かしい感覚だ。
こんなヒトコマがまた素晴らしい。 -
戌寅橋たもとにて。
首を絞められる戌。
布団干しのヒモで縛られているようだ。
写真撮影を意識してか、ここに赤と水色を使うところがさすが。 -
お昼寝中。
こういう日陰ではちょくちょく見かけた。
風も通って気持ちいい。 -
西塘では数匹の犬に会った。
人と同じく動物たちもゆったりした感じ。
ま、昼間は暑いということもあるが。
この犬には町の中に血縁らしき仲間がいる。
色も大きさも、目の輝きもそっくり。 -
どこだったか…。
万安橋からはそんなに離れていないと思う。
建物と疎水の間が広くとられている場所。
木が植えられ、テーブルや椅子もあっていい感じ。 -
パンダ。
パンダ保護目的の募金入れかもしれない。
なかなか目立たぬ場所にたたずんでいた。 -
ある風景。
西塘の昼間はこうして過ぎてゆく。 -
これは古鎮でも北の端にある臥竜橋。
明の時代に木でつくられ、約300年前に石橋となった。
穴の左側には「造千萬人来往之橋」という文字。
よく見ると橋の下で船に乗ったおじさんが休んでいた。 -
猫もちょくちょく出会った。
犬よりも人見知りが多く、この子猫も体半分しか撮らせてくれなかった。
この子もそうだが、飲食店でよく見かけた気がする。 -
とっても大きな植物。
タケの仲間っぽいけど、調べてみるとどうやら“バンブー類”に属するもののようだ。
「地下茎が横に伸びず株立ちになる」というのがタケやササとの違いらしい。
写真の植物も根元が一箇所に集中しているのでたぶんバンブー。
熱帯地方に多いとか。
のび放題。 -
永寧橋から煙雨長廊を通って送子来鳳橋方向に戻る。
途中、こんな風景に出くわした。
ここはとある飲食店。
男衆が集まってテレビを見ているのだ。
テーブルにはあのポット、各々コップにお茶っ葉を入れて飲んでいる。
ここはお店だが、それ以外の場所でもお茶を飲んでいる人がたくさんいた。
その辺をマイポット・マイカップひっさげて歩いている。
西塘の昼間は底抜けにのんびり。 -
送子来鳳橋に戻った。
この橋には中央を仕切るように壁があり、そこにはこんな穴があいていた。
北から南方向をのぞくと対岸の風景が切り取られる。 -
橋から北を見る。
右手前の建物(2階建て)がこの日の宿「河香客棧」。
そして鵜飼いの船。
何度見ても漁をしている様子ではなかった。
柄の長いアミを持って何かをすくっている。
捨てられたゴミをかき集めているようだ。
もしかしたら鵜は雰囲気のみで、疎水の掃除がお仕事かもしれない。
西塘の風景は素晴らしい。
しかし、ゴミを疎水に捨てる人がいる。
それが観光客なのか地元の人たちなのかはわからなかった。
ちなみに西塘古鎮内には所々に公共のゴミ箱がある。 -
南側、橋の欄干で絵を描く青年。
どこかの学生が集団で来ていて、思い思いの場所で絵を描いていた。
どこを選んでも絵になる。 -
中国楽器の演奏が始まった。
真ん中の女性は歌い手さん。
すごく上手というわけではなさそうだったけど、そのローカルな雰囲気がたまらなかった。
このあとは部屋に戻ってひと休み。 -
西塘の地図(本からのコピーを引用)。
最初に通った入口・河香客桟(宿)・M:i:?の看板を★でスポット。
歩いた感覚では環秀橋と送子来鳳橋で150メートルくらいだと思う。
スケール表示がないため正確な距離は不明。
●引用元●
<写真で歩く中国江南の町並み―水郷の都市と古鎮(写真・文:高士宗明、発行:彩流社 、2007年)>
この本は西塘以外にも上海や鳥鎮など江南地方について色々と書かれていた。
きれいな写真満載で意欲をかき立てる。
筆者の思いまで綴られていてGOOD!
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