グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2008　その2｢ホーソンからハミルトン｣

2008/07/11 - 2008/07/13

今年のメインテーマは｢HAWTHORN TO HAMILTON｣ということで、イギリス人初のワールドチャンピオンになったマイク・ホーソンから、先日母国凱旋優勝を果たしたルイス・ハミルトンまでの、モータースポーツの様々なジャンルで活躍したイギリス人ドライバーをフィーチャーし、イベントは例年よりも大いに盛り上がった。

エリア ポーツマス(イギリス)

最も偉大なイギリスのレーシングカーと聞いて、どんなクルマを思い浮かべるだろうか？ジャグワー？ロータス？
イギリス人の多くはこのヴァンウォールの名を挙げるのではないだろうか。

スターリング・モスとトニー・ブルックスのコンビによって58年のワールドコンストラクターズタイトルをもたらしたこのマシンを今回出展させたのは、アメリカのコーリアーミュ−ジアムというのも驚きだ。

戦前のルマンで台風の目とも呼べるベントレーが2003年に再びサーキットに戻ってきて優勝を飾った瞬間は、イギリスのレースファンにとって大きな話題となったことだろう・・・中身はトムス製だけど。このベントレー・スピード8は、リカルド・カペッロ、トム・クリステンセン、ガイ・スミスら現代のベントレーボーイズの手で優勝を飾ったマシンそのもの。

このシルクカット・ジャグワーXJR12もイギリスのモータースポーツ史には欠かせないマシンだろう。50年代のルマンで優勝したDタイプ以来、念願の優勝を再びジャグワーにもたらした記念すべきレーシングカー。イベント当日のヒルクライムでも圧倒的速さを披露した。

イベントの少し前に行なわれたイギリスGPで念願の優勝を果たした、ルイス・ハミルトンの駆るマクラーレン・メルセデスは大人気。

ブルース・マクラーレンはニュージーランド人だが、現在のマクラーレンはイギリスを本拠地に活躍するコンストラクターだ。特設テントには、マルボロカラーも鮮やかに歴代F1マシンがすらりと並び、大きな話題となった。

このイベントの常連、デレック・ベルは会場のあるチチェスター近郊に住んでいるのだとか。戦前のクルマから最新のF1までなんでも乗りこなす彼は、ヒストリックカーイベントには欠かせない存在。ファンからの撮影やサイン責めにも気軽に応じてくれるナイスガイだ。

グッドウッドハウスと呼ばれる建物のテラスでインタビューを受ける英雄ルイス・ハミルトンの姿に、イギリスの観客は大喜び。このような演出はこれまでのグッドウッドでも極めて稀であり、イギリス人のモータースポーツへの関心と、ハミルトンへの期待を肌で感じることができる瞬間だ。

このアストンマーティンDB3Sは、ロイ・サルバドリ、スターリング・モス、ポール・フレール、プリンス・ビラ、トニー・ブルックスらのドライブで数多くのレースに出場し、55年と58年のルマンで2位を獲得した極上のヒストリーをもつ個体だ。もともとはクーペだったが、55年にスパイダーに改造されている。