シェムリアップ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
2度目のアンコールはトラブル続き。読まれる方にも参考になればと思い、失敗談を掲載します。まず、日本でとったわたしにE-visa が否認され、新たにArrival Visaの申請をして入国したこと。暑さのため、つい冷たい喉越しのいいアルコール飲料に手を出し、心臓発作を起こしたこと。そのため、アポをとってあった名刹WAT Domnokのお参りに参加できなかったこと、レストラン選びに一晩車で走りまわったこと、そあげくぼられてしまったこと等々。最後に、シェムリアップ発のベトナム航空が2時間遅れとなり、ホーチミンのトランジットにかろうじて間に合ったこと。<br /><br />7月1日(第一日)<br />灼熱のシェムリアップへ、ホーチミンよりほぼ満席のベトナム航空VN849(A-300)は19:40分、闇の中、稲妻のはしる空港に到着。約一時間10分のフライト。雨上がりか水溜りをよけながら、旅行者たちは荷物を引っ張りぞろぞろと空港ビルに向かう。<br /><br />問題はここ、シェムリアップ空港のイミグレだ。わたしたち夫婦が、日本出発前に、インターネットで取得したカンボジア政府外務省発行のE-Visaが認められず、入国審査官は新たにArrival Visaを申請せよという。我々は、一人当たり25ドル支払い正式に取得したものであること等、PayPalの領収書まで見せて抗議したが、埒が明かない。昨年3月の入国時にはこのE-Visaでまったく問題がなかったのに、今回は駄目だという。審査官の手元にある入国者リストに我々の名前がないから駄目だという。他の団体旅行者たちは、E-Visaで入国しているのにである。このトラブルに、その場に居合わせたカンボジア外務省の係官と称する男が、3日以内に25ドルを返金するから、とりあえず、Arrival Visa(一人当たり20ドル)をとるようにと助言する。周りを見ると、すべての旅行者は手続きを終え、入管エーリアには我々夫婦のみとなってしまった。地頭には勝てない。止むをえづ、一人当たり20ドルと写真2枚を用意して申請書を書き、Arrival Visaを取得した。この無念の思いお分かりか。(*後日談だが、帰国後、カンボジア外務省のE-Visa担当に抗議のメールと、PayPalの領収書のコピーを送るが返金されないだけでなく、今日に至るも何のリスポンスもない。家内はカンボジア大使館宛抗議すると息巻いているが。)<br /><br />Heritage Suites Hotelの送迎車にドライバーと、レストランマネジャーのPech Sokhararat(ペッチ、ソカラット)が、私たちの空港ゲートより出てくるのがあまりにおそいので、心配顔で待っていた。遺跡ブームのせいか、建築中のホテルが多い。ヘリテージ ホテルのロビーでウエルカムドリンクと冷えたアンコールビールを飲むうち、家内の怒りもやや収まった感じだ。ホテルスタッフによれば、こんな入国トラブルはよくあることだという。これから、カンボジアに入国される方のため、あえて、我々の愉快でない経験談を書きました。くれぐれもE-Visaにはご用心を。<br /><br />Hotelは25室と数は少ないが、全室スイートで、坪の内のある部屋、2階に寝室のある部屋等凝りに凝った設計とインテリアだ。メインロービーと青い照明で光る大きな塩水プールを廻って、その奥にホテル棟がある。洋風とアンコール調がミックスされている。リビングとベッド周りの床はチーク材だ。段差のある大理石の床に四足のバスが、庭に面して置かれている。シャワーは、室内と庭と両方にある。なぜか、ミニバーとTVがない。若いフランス人の経営(支配人:Fabrice Pinault)で、前述の現地人のレストランマネジャー以外日本語はまったく通じない。場所は王室公園の裏で、Polankaという大きな寺の隣だ。後でわかったことだが、前回宿泊したRafflesの近くである。トクトクでオールドマーケットまで10分ほどだが、隠れ家的なホテルだ。夏季のロー シーヅンはプロモーションレートで、値段も手頃だ。従業員のマナーも最高。このホテルは去年雇った遺跡ガイドのサルーン君も知らなかった。<br /><br />7月2日(第2日)。<br />早朝より、トンレサップ湖へ向かう。市の中心部より30分ぐらいの距離。道路は韓国の建設業者の投資で造られ、通行料1ドルを払って湖に向かう。船着場より、水路をたどり、湖まで40分ぐらい小船で走るのだが、すでに、水面を埋め尽くすようにたくさんの観光船が行き交う。家々はすべて、高床式で、雨季には現在より水位が8m上昇するという。途中の休憩所でNHKの取材班の方たちと談笑したのだが、彼らは、水上に浮かべた小学校(フローティング スクール)を取材していると話してくれた。水が少なくなれば、これらの学校は水上生活者の生徒が通学し易いように湖に向かって牽引、移動するという。そういえば、遡行の途次、日本の1クラスほどの大きさの筏に生徒が勉強している様子が垣間見えた。10月に放映されるという。湖は対岸がかすむほどの大きさだが、日本の琵琶湖を想像してはいけない。水は赤土色の濁水で、風光明媚というより、水路の水上生活者の様子を見せるのが売りなのだ。バンコックの水上マーケットの賑わいの縮刷版を想像すればよい。トンレサップから首都プノンペンまでスピードボートで4時間で行けるそうだ。だがワニやなまずの生け簀、排泄物がプカプカ、ニシキヘビ等感心できません。<br /><br />トンレサップの帰途、濁り水を飲んだような胃重の気分で、オールドマーケットの骨董品屋さん、シルクの土産物屋さんを漁る。裸電球の薄暗い路地を渡り歩く。骨董品屋はここには本物はない。裏の倉庫にもないとこちらの気持ちを先読みする。去年とは様変わりだ。本物を買うなら、プノンペンかバンコックへ行け。いまやここはガラクタばかりだ。なるほど。空港での規制がうるさく、本物をシェムリアップの空港から持ち出すことは無理のようだ。シルクや漆器類も、パターンがルアンプラバンやパガンと同じで品質も劣り、値段も高いと家内が不平を漏らす。昼のオールドマーケットは魅力がない。<br /><br />昼飯のため、Meridian HotelのL’Angeloへゆくも、ロビーで日本の団体客がいただけで閑散としており、あの広いロビーがいっそう広く見える。Meridian(Starwood系)の玄関にはヌーク王家の肖像がかかっており、奇妙な感じがする。「地球の歩き方」後推奨のL’Angelo Ristaranteは営業していなかった。Client Deskの山本善之氏によると昼は営業していないとのこと。川縁のL’Oasiにゆく。イタリヤ人経営のRistorante。ピッザはうまいが他はマアマア。ワインは揃っているようだ。<br /><br />午後のうだる暑さに辟易だが、勇を超し、上智大学の石沢先生の発掘調査団の成果の一部が展示されている、Preah Norodom Sihanouk Angkor Museumへゆく。APSARAへ行く途中にある。市内から車で15分の距離。イオンの資金協力で建設されたものだが、すばらしい石仏の数々は、この博物館のシャヌークの名称から受ける不快感を払拭するような気品と荘厳に満ち、素晴らしい一級品の陳列だ。なぜか写真撮影禁止のため、披露できないのをお許しねがいたい。付されている説明文も必ずしも明確性を欠き、参考文書も販売していない。まだ完成途上なのだろうか。2階は冷房も効き、快適な空間で、Jayavarvarman VIIの信仰心と至福の時代がしのばれる。上智の大学院で学んだ学術研究員の説明(英語、時々日本語)が、12世紀のクメール王朝の文化に酔わせてくれる。WAT, TOM, Bayon, Banteay Slei、Tah Promのヒンドゥー影響下の神々とはまったく違う世界だ。我々以外、見学者は一人もいなかったため、研究員の説明が懇切丁寧で感謝。長時間、本当にありがとうございました。これは世界的な大発見であり、ぜひお勧めの博物館。しばし興奮が冷めなかった。<br /><br />7月末の国会議員選挙のため街の彼方此方に候補者の写真が張り出されている。いまだポルポト派のシンパが多数おり、派閥抗争と汚職まみれの現政権も国連監視団の目も憚らず、暗く深い泥沼から這い出せないでいる。大量殺戮に関する国際司法裁判も10年以上続いているがまだ判決が出ていない。日本の納税者によるODAもNGOの方々の努力も本当に役立っているのは間違いないが、部外者の我々観光で訪れる者すら、この国の現在の歪みを直視させられる。<br /><br />午後4時半ホテルに帰り、風呂に飛び込む。一杯ひっかける。そしてひたすら午睡。タフな家内も暑さに音をあげている。<br /><br />午後7時半、観光客でごったがえす歩行者天国のオールドマーケットへ食事に出かけるが、お目当てのBistro Parisはガランとしていた。「地球の歩き方」お勧めのレストランだ。メニュウも見るが食欲をそそらない。車で空港近くの日本食「神戸」へ行く。セットメニュー(15ドル以上)のみで、我々老夫婦には重い上、値段も高額。結局、昼に空振りとなったL’Angelo(Meridian Hotel)へゆく。小さなレストランだが、WaitressかMa&amp;iacute;tresか判らないが、若い女が眉間にしわを寄せて威嚇的に注文をとりに来る。ビックリした。ガイドとドライバーが一緒であったせいだろうか。とにかく猛烈に高い、ガイドが遠慮して注文しようとしない。結局生ハムのカルパッチョ(15ドル)と、茸入りペンネのクリームチーズかけ(18ドル)、ラグーソースのスパ(18ドル)。それにグラスワイン1杯(Chardonney8ドル)、ハイネッケン(4ドル)。ドライバーは高いからといって最後まで注文しなかった。合計81ドルの支払いだった。お味は最悪。Rafflesのフレンチより3倍高い。Rafflesもお高く留まっているが、ここL’Angeloほどひどくない。客は我々のほかに一組いた。ここはお勧めできない。Heritage Suitesへ帰って、プールサイドで飲みなおし、今宵はツイていない。寝るに限る。<br /><br />7月3日(第3日)。<br />8時半観光に出発。APSARAのゲートで一人当たり、20ドルで遺跡観光パスをゲット。一日有効パスです。去年は写真が必要だったが、今回はカウンターで自動的に写真を取り、パスを作成してくれる。ロリュウオス(Roluos)の遺跡群を観光する。首都プノンペンへ通る国道を走る。日本のODAで建設された道路だ。30分ほどかかる。ここは観光中心部からやや離れているせいか、観光客もまばらだ。韓国の女性グループの一団と行き交う。原型は大きな城砦のようだたのだろうが、現在は崩れてしまって、小さな祠程度のものが道路に沿って4箇所残っているだけだ。遺跡の内部は崩壊の危険性があるのか、立ちいれないように木の柵で塞いである。豊満なVishnu-Shiva神が祀ってある。Lolei遺跡群(893年ヨシャバルマン(Yoshaparman)1世建造)、Preah Ko遺跡(879年、インドラバルマン1世)、メインはBakong遺跡で1213年にソレヤバルマン2世により修復されているという。<br /><br />ホテルに帰り、バーでAnkorビールの後、ドライマテニーをたてつづけに3杯飲む。天空に舞う心地よさ。酔っ払って、持病の心臓が苦しくなった。ついにダウン。日本から持参した写経(般若心経7枚)を奉納すべく、シェムリアップの名刹、Wat Domnak(ドムナーク寺)へご祈祷を申し込んであったのだが、行けなくなってしまった。家内一人で3時のアポに間に合うよう出かけさせる。わたしの信心は斯くのごとし。<br /><br />戻った家内の言うところによれば、Domnak寺(Wat)は大きな境内に蓮の池や五重の塔と、多数のパゴダに囲まれた本堂は色彩鮮やかな伽藍で、お釈迦様も金色のピカピカで、後背がきらきらと五色のネオンで点滅しているという。日本のお寺とまったく趣が違うが、南伝のタイやビルマのお寺に似ているのだろう。僧房も大きい。館長のNol Joum師と2人の僧侶、寺男(執事)が同席され、サンスクリット語かパーリ語の原典を荘厳に唱和されるのに願いをこめたという。家内にそんな原典が判るはずがない。Joum師はまだ30歳と若いが、著名な高僧であり、50人の僧侶のトップにある。通常1時間半の読経を、妻は30分に短縮してもらうよう寺男に頼みこんだという。これも不信心じゃないのかなァ。20ドルのお布施をつけて、わたしの写経を奉納。ちなみにシェムリアップ市4区のうちの一区がこの寺社の名前をつけている。場所はシェムリアップ川を挟んでオールドマーケットの直ぐ反対側に位置する。<br /><br />妻の留守中にフロント係がわたしのベッドへ来て、心臓の状態を尋ねる。妻にそうするように頼まれたという。酔っ払いの亭主にまことに釣れ合いの取れた女房だ。ニトロベンのおかげで心臓は直ぐ正常化した。しかし、家内はわたしのダウンに腹を立てている。ホテルの部屋に入るや、メスライオンが咆哮する。ごめんなさい。今宵は一滴も飲ませてもらえないだろう。昨夜の哀れな経験から、夕食は何処にも出ず、ホテルで摂る。家内はクラブハウス サンドイッチ、わたしはフィッシュケーキ。ドライマテニーは無論ノー。<br /><br />今宵のホテルは客がいないのか、とりわけ静かだ。昨日までプールサイドで寝そべっていた白い巨大トドも、水の中で絡みあっていたオスメスの河馬もいない。青くライトアップされたロマンチックなプールサイドのレストランにはスタッフがポッネンと一人ただずむのみ。日本語の出来るホテルのマネジャーを誘い、彼を肴にカウンターで冷えたビールをすする。彼はアルコール類が一切駄目だ。このホテルの創設とともに、Sofitel Royal Angkorから移籍したという。観光業における欧米系、タイ、ベトナム系の後退と韓、中の際立った進出が話題となった。日系は小さなホテル一軒とレストランだけだそうだ。ODAは圧倒的に日本だが、稼いでいるのはよその国。だが、ここにきて、日系の旅行代理店は可なり積極的。日本語を話すガイドも可なり増加(これも日本のNGOが無料で日本語を教えている。)、8月は若い日本人観光客で賑わうことだろう。クッキーだけでなく、日本企業の大型進出が望まれる。GHMやAMAN系のホテルのように、このHeritageも日本のハネムーナーを呼び込んでは如何。いづれにせよ、したたかな国で正攻法のビジネスでは成功できそうにない。超裏技が必要と、世界文化遺産商売の裏話をマネージャーから一時間以上講義された。<br /><br />7月4日(第4日)。<br />昨日ダウンしたため、行けなかったWat Domnak(お寺)をたずねる。トクトクに乗って往復5ドル。わずかな距離だった。家内の言うとおり立派なお寺だ。境内を散歩するも、本堂へは入れなかった。午前は托鉢と勤行。残念無念。仏にも見放されたか。いったんホテルに帰り、送迎車で空港まで送ってもらう。入国の際、トラぶった審査官が笑顔で我々のパスポートに出国のスタンプを押す。悪い先触れの予感。3度目のアンコールはあるのだろうか。<br /><br />空港のRitazza Caf&amp;eacute;でフランスパンのオープンサンド(3.5ドル)を摂る。ツナマヨ、生ハム、ビーフの3種類あってどれもうまい。ジョニクロは一杯5ドル。カンボジアコーヒー? ここが唯一喫煙できる場所(別室)でもある。とにかくサンドは旨い。おすすめ。<br /><br />ホーチミン行きベトナム航空VN826は2時間遅れで出発。遅延の説明もなし。こんな事は何時もの事だとさきほどのCaf&amp;eacute; の主人から教えられた。欠航にならないだけいいよ。わたしたちは、ホーチミンでベトナムへ入国し、国内線ターミナルへ移り、ダナンまで行かねばならない。気が気ではない。もう如何にでもなれという気分だ。不思議におもうのだが、ベトナム航空のスッチーは絶対に笑はない。むっつりとした能面のような顔だ。社会主義国営企業は無愛想だ。ダナン行きフライトに、この遅れで何とかキャッチアップできるかとたずねるのだが、返事は ”Don’t Worry!”でおわり。アーァ。ベトナム航空のスッチーを笑わせることに成功した人に10ドル賭ける。<br />

2度目のアンコール (スッタモンダご難つづきの旅)

8いいね!

2008/07/01 - 2008/07/04

4532位(同エリア8890件中)

0

10

pumpkin915

pumpkin915さん

2度目のアンコールはトラブル続き。読まれる方にも参考になればと思い、失敗談を掲載します。まず、日本でとったわたしにE-visa が否認され、新たにArrival Visaの申請をして入国したこと。暑さのため、つい冷たい喉越しのいいアルコール飲料に手を出し、心臓発作を起こしたこと。そのため、アポをとってあった名刹WAT Domnokのお参りに参加できなかったこと、レストラン選びに一晩車で走りまわったこと、そあげくぼられてしまったこと等々。最後に、シェムリアップ発のベトナム航空が2時間遅れとなり、ホーチミンのトランジットにかろうじて間に合ったこと。

7月1日(第一日)
灼熱のシェムリアップへ、ホーチミンよりほぼ満席のベトナム航空VN849(A-300)は19:40分、闇の中、稲妻のはしる空港に到着。約一時間10分のフライト。雨上がりか水溜りをよけながら、旅行者たちは荷物を引っ張りぞろぞろと空港ビルに向かう。

問題はここ、シェムリアップ空港のイミグレだ。わたしたち夫婦が、日本出発前に、インターネットで取得したカンボジア政府外務省発行のE-Visaが認められず、入国審査官は新たにArrival Visaを申請せよという。我々は、一人当たり25ドル支払い正式に取得したものであること等、PayPalの領収書まで見せて抗議したが、埒が明かない。昨年3月の入国時にはこのE-Visaでまったく問題がなかったのに、今回は駄目だという。審査官の手元にある入国者リストに我々の名前がないから駄目だという。他の団体旅行者たちは、E-Visaで入国しているのにである。このトラブルに、その場に居合わせたカンボジア外務省の係官と称する男が、3日以内に25ドルを返金するから、とりあえず、Arrival Visa(一人当たり20ドル)をとるようにと助言する。周りを見ると、すべての旅行者は手続きを終え、入管エーリアには我々夫婦のみとなってしまった。地頭には勝てない。止むをえづ、一人当たり20ドルと写真2枚を用意して申請書を書き、Arrival Visaを取得した。この無念の思いお分かりか。(*後日談だが、帰国後、カンボジア外務省のE-Visa担当に抗議のメールと、PayPalの領収書のコピーを送るが返金されないだけでなく、今日に至るも何のリスポンスもない。家内はカンボジア大使館宛抗議すると息巻いているが。)

Heritage Suites Hotelの送迎車にドライバーと、レストランマネジャーのPech Sokhararat(ペッチ、ソカラット)が、私たちの空港ゲートより出てくるのがあまりにおそいので、心配顔で待っていた。遺跡ブームのせいか、建築中のホテルが多い。ヘリテージ ホテルのロビーでウエルカムドリンクと冷えたアンコールビールを飲むうち、家内の怒りもやや収まった感じだ。ホテルスタッフによれば、こんな入国トラブルはよくあることだという。これから、カンボジアに入国される方のため、あえて、我々の愉快でない経験談を書きました。くれぐれもE-Visaにはご用心を。

Hotelは25室と数は少ないが、全室スイートで、坪の内のある部屋、2階に寝室のある部屋等凝りに凝った設計とインテリアだ。メインロービーと青い照明で光る大きな塩水プールを廻って、その奥にホテル棟がある。洋風とアンコール調がミックスされている。リビングとベッド周りの床はチーク材だ。段差のある大理石の床に四足のバスが、庭に面して置かれている。シャワーは、室内と庭と両方にある。なぜか、ミニバーとTVがない。若いフランス人の経営(支配人:Fabrice Pinault)で、前述の現地人のレストランマネジャー以外日本語はまったく通じない。場所は王室公園の裏で、Polankaという大きな寺の隣だ。後でわかったことだが、前回宿泊したRafflesの近くである。トクトクでオールドマーケットまで10分ほどだが、隠れ家的なホテルだ。夏季のロー シーヅンはプロモーションレートで、値段も手頃だ。従業員のマナーも最高。このホテルは去年雇った遺跡ガイドのサルーン君も知らなかった。

7月2日(第2日)。
早朝より、トンレサップ湖へ向かう。市の中心部より30分ぐらいの距離。道路は韓国の建設業者の投資で造られ、通行料1ドルを払って湖に向かう。船着場より、水路をたどり、湖まで40分ぐらい小船で走るのだが、すでに、水面を埋め尽くすようにたくさんの観光船が行き交う。家々はすべて、高床式で、雨季には現在より水位が8m上昇するという。途中の休憩所でNHKの取材班の方たちと談笑したのだが、彼らは、水上に浮かべた小学校(フローティング スクール)を取材していると話してくれた。水が少なくなれば、これらの学校は水上生活者の生徒が通学し易いように湖に向かって牽引、移動するという。そういえば、遡行の途次、日本の1クラスほどの大きさの筏に生徒が勉強している様子が垣間見えた。10月に放映されるという。湖は対岸がかすむほどの大きさだが、日本の琵琶湖を想像してはいけない。水は赤土色の濁水で、風光明媚というより、水路の水上生活者の様子を見せるのが売りなのだ。バンコックの水上マーケットの賑わいの縮刷版を想像すればよい。トンレサップから首都プノンペンまでスピードボートで4時間で行けるそうだ。だがワニやなまずの生け簀、排泄物がプカプカ、ニシキヘビ等感心できません。

トンレサップの帰途、濁り水を飲んだような胃重の気分で、オールドマーケットの骨董品屋さん、シルクの土産物屋さんを漁る。裸電球の薄暗い路地を渡り歩く。骨董品屋はここには本物はない。裏の倉庫にもないとこちらの気持ちを先読みする。去年とは様変わりだ。本物を買うなら、プノンペンかバンコックへ行け。いまやここはガラクタばかりだ。なるほど。空港での規制がうるさく、本物をシェムリアップの空港から持ち出すことは無理のようだ。シルクや漆器類も、パターンがルアンプラバンやパガンと同じで品質も劣り、値段も高いと家内が不平を漏らす。昼のオールドマーケットは魅力がない。

昼飯のため、Meridian HotelのL’Angeloへゆくも、ロビーで日本の団体客がいただけで閑散としており、あの広いロビーがいっそう広く見える。Meridian(Starwood系)の玄関にはヌーク王家の肖像がかかっており、奇妙な感じがする。「地球の歩き方」後推奨のL’Angelo Ristaranteは営業していなかった。Client Deskの山本善之氏によると昼は営業していないとのこと。川縁のL’Oasiにゆく。イタリヤ人経営のRistorante。ピッザはうまいが他はマアマア。ワインは揃っているようだ。

午後のうだる暑さに辟易だが、勇を超し、上智大学の石沢先生の発掘調査団の成果の一部が展示されている、Preah Norodom Sihanouk Angkor Museumへゆく。APSARAへ行く途中にある。市内から車で15分の距離。イオンの資金協力で建設されたものだが、すばらしい石仏の数々は、この博物館のシャヌークの名称から受ける不快感を払拭するような気品と荘厳に満ち、素晴らしい一級品の陳列だ。なぜか写真撮影禁止のため、披露できないのをお許しねがいたい。付されている説明文も必ずしも明確性を欠き、参考文書も販売していない。まだ完成途上なのだろうか。2階は冷房も効き、快適な空間で、Jayavarvarman VIIの信仰心と至福の時代がしのばれる。上智の大学院で学んだ学術研究員の説明(英語、時々日本語)が、12世紀のクメール王朝の文化に酔わせてくれる。WAT, TOM, Bayon, Banteay Slei、Tah Promのヒンドゥー影響下の神々とはまったく違う世界だ。我々以外、見学者は一人もいなかったため、研究員の説明が懇切丁寧で感謝。長時間、本当にありがとうございました。これは世界的な大発見であり、ぜひお勧めの博物館。しばし興奮が冷めなかった。

7月末の国会議員選挙のため街の彼方此方に候補者の写真が張り出されている。いまだポルポト派のシンパが多数おり、派閥抗争と汚職まみれの現政権も国連監視団の目も憚らず、暗く深い泥沼から這い出せないでいる。大量殺戮に関する国際司法裁判も10年以上続いているがまだ判決が出ていない。日本の納税者によるODAもNGOの方々の努力も本当に役立っているのは間違いないが、部外者の我々観光で訪れる者すら、この国の現在の歪みを直視させられる。

午後4時半ホテルに帰り、風呂に飛び込む。一杯ひっかける。そしてひたすら午睡。タフな家内も暑さに音をあげている。

午後7時半、観光客でごったがえす歩行者天国のオールドマーケットへ食事に出かけるが、お目当てのBistro Parisはガランとしていた。「地球の歩き方」お勧めのレストランだ。メニュウも見るが食欲をそそらない。車で空港近くの日本食「神戸」へ行く。セットメニュー(15ドル以上)のみで、我々老夫婦には重い上、値段も高額。結局、昼に空振りとなったL’Angelo(Meridian Hotel)へゆく。小さなレストランだが、WaitressかMa&iacute;tresか判らないが、若い女が眉間にしわを寄せて威嚇的に注文をとりに来る。ビックリした。ガイドとドライバーが一緒であったせいだろうか。とにかく猛烈に高い、ガイドが遠慮して注文しようとしない。結局生ハムのカルパッチョ(15ドル)と、茸入りペンネのクリームチーズかけ(18ドル)、ラグーソースのスパ(18ドル)。それにグラスワイン1杯(Chardonney8ドル)、ハイネッケン(4ドル)。ドライバーは高いからといって最後まで注文しなかった。合計81ドルの支払いだった。お味は最悪。Rafflesのフレンチより3倍高い。Rafflesもお高く留まっているが、ここL’Angeloほどひどくない。客は我々のほかに一組いた。ここはお勧めできない。Heritage Suitesへ帰って、プールサイドで飲みなおし、今宵はツイていない。寝るに限る。

7月3日(第3日)。
8時半観光に出発。APSARAのゲートで一人当たり、20ドルで遺跡観光パスをゲット。一日有効パスです。去年は写真が必要だったが、今回はカウンターで自動的に写真を取り、パスを作成してくれる。ロリュウオス(Roluos)の遺跡群を観光する。首都プノンペンへ通る国道を走る。日本のODAで建設された道路だ。30分ほどかかる。ここは観光中心部からやや離れているせいか、観光客もまばらだ。韓国の女性グループの一団と行き交う。原型は大きな城砦のようだたのだろうが、現在は崩れてしまって、小さな祠程度のものが道路に沿って4箇所残っているだけだ。遺跡の内部は崩壊の危険性があるのか、立ちいれないように木の柵で塞いである。豊満なVishnu-Shiva神が祀ってある。Lolei遺跡群(893年ヨシャバルマン(Yoshaparman)1世建造)、Preah Ko遺跡(879年、インドラバルマン1世)、メインはBakong遺跡で1213年にソレヤバルマン2世により修復されているという。

ホテルに帰り、バーでAnkorビールの後、ドライマテニーをたてつづけに3杯飲む。天空に舞う心地よさ。酔っ払って、持病の心臓が苦しくなった。ついにダウン。日本から持参した写経(般若心経7枚)を奉納すべく、シェムリアップの名刹、Wat Domnak(ドムナーク寺)へご祈祷を申し込んであったのだが、行けなくなってしまった。家内一人で3時のアポに間に合うよう出かけさせる。わたしの信心は斯くのごとし。

戻った家内の言うところによれば、Domnak寺(Wat)は大きな境内に蓮の池や五重の塔と、多数のパゴダに囲まれた本堂は色彩鮮やかな伽藍で、お釈迦様も金色のピカピカで、後背がきらきらと五色のネオンで点滅しているという。日本のお寺とまったく趣が違うが、南伝のタイやビルマのお寺に似ているのだろう。僧房も大きい。館長のNol Joum師と2人の僧侶、寺男(執事)が同席され、サンスクリット語かパーリ語の原典を荘厳に唱和されるのに願いをこめたという。家内にそんな原典が判るはずがない。Joum師はまだ30歳と若いが、著名な高僧であり、50人の僧侶のトップにある。通常1時間半の読経を、妻は30分に短縮してもらうよう寺男に頼みこんだという。これも不信心じゃないのかなァ。20ドルのお布施をつけて、わたしの写経を奉納。ちなみにシェムリアップ市4区のうちの一区がこの寺社の名前をつけている。場所はシェムリアップ川を挟んでオールドマーケットの直ぐ反対側に位置する。

妻の留守中にフロント係がわたしのベッドへ来て、心臓の状態を尋ねる。妻にそうするように頼まれたという。酔っ払いの亭主にまことに釣れ合いの取れた女房だ。ニトロベンのおかげで心臓は直ぐ正常化した。しかし、家内はわたしのダウンに腹を立てている。ホテルの部屋に入るや、メスライオンが咆哮する。ごめんなさい。今宵は一滴も飲ませてもらえないだろう。昨夜の哀れな経験から、夕食は何処にも出ず、ホテルで摂る。家内はクラブハウス サンドイッチ、わたしはフィッシュケーキ。ドライマテニーは無論ノー。

今宵のホテルは客がいないのか、とりわけ静かだ。昨日までプールサイドで寝そべっていた白い巨大トドも、水の中で絡みあっていたオスメスの河馬もいない。青くライトアップされたロマンチックなプールサイドのレストランにはスタッフがポッネンと一人ただずむのみ。日本語の出来るホテルのマネジャーを誘い、彼を肴にカウンターで冷えたビールをすする。彼はアルコール類が一切駄目だ。このホテルの創設とともに、Sofitel Royal Angkorから移籍したという。観光業における欧米系、タイ、ベトナム系の後退と韓、中の際立った進出が話題となった。日系は小さなホテル一軒とレストランだけだそうだ。ODAは圧倒的に日本だが、稼いでいるのはよその国。だが、ここにきて、日系の旅行代理店は可なり積極的。日本語を話すガイドも可なり増加(これも日本のNGOが無料で日本語を教えている。)、8月は若い日本人観光客で賑わうことだろう。クッキーだけでなく、日本企業の大型進出が望まれる。GHMやAMAN系のホテルのように、このHeritageも日本のハネムーナーを呼び込んでは如何。いづれにせよ、したたかな国で正攻法のビジネスでは成功できそうにない。超裏技が必要と、世界文化遺産商売の裏話をマネージャーから一時間以上講義された。

7月4日(第4日)。
昨日ダウンしたため、行けなかったWat Domnak(お寺)をたずねる。トクトクに乗って往復5ドル。わずかな距離だった。家内の言うとおり立派なお寺だ。境内を散歩するも、本堂へは入れなかった。午前は托鉢と勤行。残念無念。仏にも見放されたか。いったんホテルに帰り、送迎車で空港まで送ってもらう。入国の際、トラぶった審査官が笑顔で我々のパスポートに出国のスタンプを押す。悪い先触れの予感。3度目のアンコールはあるのだろうか。

空港のRitazza Caf&eacute;でフランスパンのオープンサンド(3.5ドル)を摂る。ツナマヨ、生ハム、ビーフの3種類あってどれもうまい。ジョニクロは一杯5ドル。カンボジアコーヒー? ここが唯一喫煙できる場所(別室)でもある。とにかくサンドは旨い。おすすめ。

ホーチミン行きベトナム航空VN826は2時間遅れで出発。遅延の説明もなし。こんな事は何時もの事だとさきほどのCaf&eacute; の主人から教えられた。欠航にならないだけいいよ。わたしたちは、ホーチミンでベトナムへ入国し、国内線ターミナルへ移り、ダナンまで行かねばならない。気が気ではない。もう如何にでもなれという気分だ。不思議におもうのだが、ベトナム航空のスッチーは絶対に笑はない。むっつりとした能面のような顔だ。社会主義国営企業は無愛想だ。ダナン行きフライトに、この遅れで何とかキャッチアップできるかとたずねるのだが、返事は ”Don’t Worry!”でおわり。アーァ。ベトナム航空のスッチーを笑わせることに成功した人に10ドル賭ける。

同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
25万円 - 30万円
航空会社
ベトナム航空
  • 少しベッド周りが乱れていますが、Heritage Hotelのベッドルームです。

    少しベッド周りが乱れていますが、Heritage Hotelのベッドルームです。

  • ヘリテージホテルのロビー部分。

    ヘリテージホテルのロビー部分。

  • 小船に乗ってトンレサップ湖までの水路を走る。

    小船に乗ってトンレサップ湖までの水路を走る。

  • 川に浮かぶ小学校。

    川に浮かぶ小学校。

  • 学校の休み時間

    学校の休み時間

  • 赤土色に濁った湖

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  • 何の花ですか?プールの壁に咲いています。

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  • ロレイ遺跡

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  • バコン遺跡

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  • Wat Domnak寺、中央が管長のJOUM師

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