2000/06/11 - 2000/06/11
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oiwasanさん
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<教会へ招かれた異邦人> Kemble 〈June 11)
「私どもは、どのような人にも心を開いております。 中へどうぞおはいり下さい。 只今ちょうど、family service の最中なので、皆さんとお話下さい。 きっと歓迎してくれるでしょう」と長身の牧師に言われて、教会の中へ入る。 ちょうど教区の人たちの懇親会が行われている所へ招かれた形になった.。
Biburyからタクシーでコッツウオルズ丘陵地帯を横断し、Kembleという駅まで来たが、列車が来るまでは2時間もある。 駅員もおらないし、待合室も開いていない。 駅前にたった1軒ある食堂もまだ開店していない。 列車に乗るためにだけ立ち寄ったところなので、知識は何もない.。 駅は村のはずれにあるようで、村の中心と思われる教会の尖塔がはるか向こうに見える。 時間つぶしを兼ねて、歩いてみようということになった。 教会の敷地内の庭園見物をしているところで、牧師につかまったという次第。
それからがタイヘン。我々ふたりは引き離されて。それぞれにいろいろな人物が近づいてきて話かけてくる。 相棒も一人でなんとか立ち向かっているようだ。 後で聞くと、この教会に置かれている、大理石に彫られた騎士像の話をしてくれたという。 1290年に作られたものだそうだが、普通の人間に比較すると異常に大きく見えるが、実在の騎士の原寸だと言う。 「騎士はこの様に体格がいいのが普通なのか」と聞くと、いろいろな人物が自分の考えを述べだして、対話が盛り上がったそうだ.。
こちらは、中学校の女の副校長につかまって、日本の社会や歴史についての質問を浴びせられ、大苦戦。 それぞれの事柄の、よって来る理由やら背景の説明を求められて、冷や汗タラタラ。 こちらの教養のなさもさることながら、会話能力の不足をイヤというほど味わった。 サービス担当のご婦人がコーヒーとクッキーを差し出してくれるのを良いことに、飲んだり食べたりしながら時間稼ぎをして、その度に一息ついて考えをまとめた。 その分だけ腹がいっぱいになってしまい散々な目にあった。
列車の時間が近づいてきたのをしおに、教会を出てホッとした。 30分ほど北上した所に、温泉場として有名な Cheltenham がある。 ここも、鉄道の駅は中心街から外れた所にある。 タクシーが見つからないので、地図と相談すると歩けない距離でもなさそう。
駅の近くは閑静な高級住宅街と見える。 市の中心部も広々とした道路に瀟洒な店が並んで、なるほど温泉保養地だ。
一回りしてみたが、一泊するまでもないと感じたので、昼食をとってからさらに北上することにした.。 駅へ着いて見ると、薄汚れた感じの日本人らしい若者が駅の前の広場に座りこんでいるのを発見した.。 ためしに、「今日は」と言うとホッとしたような顔をする。
電話しても留守のようで応答がないと困った様子。
この地の英語学校で勉強するために、日本からまっすぐ来て今ついたところで、 手配してある B&B へ電話しているのだがつながらなくて困っていると言う。 今日は日曜日なので、教会へ行くとか、遠出をするとかしているのではないか。 先方も知っているわけだから、のんびり構えるべしと慰める。 もしものことを考えて、当方の手持ち資料の中から、近くの B&B を探し出して、紹介しておく.。
話を聞くと、会話はほとんどダメ。 喋れるようになるために一年間滞在する予定。 大学は休学してきた。 ここにしたのは、日本人が仲間にいないことを条件としたためと言う。
駅の前で、うずくまっている様子などから判断して、無茶なことをすると、最初は考えたが、よくよく聞けば、それなりに考えているようだ.。 最後は、なかなか度胸の据わった好青年に思えてくる。 健闘を祈りながら、我々は列車に乗る。
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