![テレルジツアー後半の心細い日々の様子。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/21/70/650x_10217064.jpg?updated_at=1202737791)
2008/01/24 - 2008/01/29
397位(同エリア478件中)
ターニャさん
テレルジツアー後半の心細い日々の様子。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- 大韓航空
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-
歩きながら見回す町はテレビで見たことのある共産圏の貧しい街のような雰囲気で、この町に今日泊まるのかと思うと少し暗い気持ちになった。
それでも仕方なくついていくと、レンガ造りのがらんとした建物に着いた。
もしかしてここが今日の宿?と悲しい気持ちでついて入ると、小さな部屋に案内された。
50年配の男性が机に向かって座っており、絵師なのか 書きかけの水彩画やえんぴつの下書きや絵の具の載ったパレットが前にあった。
どういうわけでここに連れてこられたのか見当もつかずにいると、「私の夫だ。」と説明があり、今日家に連れて帰る客について夫に説明するために連れてこられたのだとやっと合点した。
再びおばさんに案内されて着いたのがこの家族の住まいだったが、今まで街中でみてきたどの家よりも“ドン引き”するようなみすぼらしい外観だった。
※写真は、おばさんの後ろをついて歩きながら見た町の風景です。 -
錆だらけの不ぞろいなトタン板で囲まれた敷地の中に入ると、街中には珍しいゲルが2棟あった。
ゲルのうち1棟は家族の住まいで、もう一棟がゲスト用らしかった。
案内されたゲスト用ゲルは、外の風景とはうらはらにごく普通のしつらえで壁沿いにベッドが4つ置いてあり、電気も通っているようだった。
7時半に夕食だからと言い置いておばさんが出て行こうとするのを呼び止めて、「何か飲み物をくれませんか、それと洗濯したいので少し水もください。」と言うと、「今から少し散歩に出るので、水は6時に持ってきてあげよう。」と約束してくれて、すぐに紅茶のセットとりんごジュースを持ってきてくれた。
時間はまだ4時だったが、何もすることがないのでベッドに寝転んで日記を書いたりうとうととしているうちに6時を回ったが、水を持ってきてくれる気配はなかった。
6時半を過ぎたころやっと来てくれたが、腕に抱えてきたのは水ではなく、石炭の入ったバケツだった。
ゲルのストーブの火をかき回して石炭をくべて出て行こうとするのを追いかけて「すみません・・・水をもらえませんか?」と言うと、おばさんは少しめんどくさそうに「ついておいで。」と言った。
※写真は家族用ゲルの中の様子です。ストーブの前にある大きな塊は馬の脚です。
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ついていった先は家族用ゲルだった。
中には20代半ばくらいの目鼻立ちのはっきりした娘さんがいて、晩御飯用にじゃがいもとにんじんを刻んでいた。
おばさんがストーブにかけた鍋からお湯をたらいに入れてくれたので、下着と初日からずっと履いたままだった厚手のタイツを洗った。
実はウランバートルを出るとき荷物の中に下着を入れ忘れていたため、洗って乾くまでの間はじかにスパッツを履いて過ごした。
ストーブのそばには皮をはいだ凍った大きな腿肉が置いてあり、「馬の肉です、大丈夫ですか?」と娘さんに聞かれたので「大丈夫!馬は乗るのも食べるのも大好きです。」と答えた。
今日の夕食用の肉は馬ではなく羊のようで、娘さんは刻んだ羊肉とじゃがいも、にんじんをストーブの上に据えた大きな鍋で炒めはじめた。
ストーブの火力は案外強くすぐに野菜に火が通り、冷蔵庫から出した麺を上から乗せて蒸し焼きにして塩とベイリーフで調味した焼きそばが出来上がった。
どんぶり鉢にたっぷり盛られた焼きそばが夕食となり、少し塩を振りかけながら全部平らげた。
※写真はおばさんのご主人が馬の脚を解体している様子です。 -
食後、生乾きの洗濯物を持ってゲスト用ゲルに戻り、ゆっくりすることにした。
裸電球一個が唯一の照明だったが、なぜかとても頼もしい明るさに感じた。
夜更けになっておばさんがストーブに石炭をくべに来て「寝るときは電気を消しなさいね。」と言ったが、普段家でも電気を点けたまま寝る習慣の私なので忘れたふりをして点けたまま寝ようと思った。
寝袋にもぐりこみ横になってしばらくはストーブの熱で暑いくらいだったが、夜中に寒くて目を覚ますとストーブの石炭はおき火に近いくらいに燃え尽きかけていたので、ありったけの石炭と薪をくべてまた眠った。
明け方におばさんが火の様子を見に来てくれたが、ストーブに石炭をくべたあと、とうとう電気を消されてしまった。
朝も近いしとあきらめてもうしばらく眠った。
-
夜が明けた。
今朝は出勤するおばさんといっしょに町のバスセンターまで行くことになっていた。
朝食のために家族用ゲルに行くと、バターをトッピングしたミルク粥とパンの朝食が用意されていた。
ミルクとお粥という組み合わせはかなり苦手なこともあり半分ほど残してしまい、足りない分はパンで補うことにした。
モンゴルのパンは茶色くて固く、あまりおいしいものではない。
従って、おなかが空いていてもパンを大量に食べるというのは難しかった。
私がミルク粥を残しているのを見て娘さんが「たくさん食べてください。」と言ったので「もうおなかいっぱいなんです。」と言ってそのまま残そうとしたが、「本当か?」と言っていぶかしげに見ていた。
娘さんはお父さん用に用意した肉の入ったチャーハンを少し私に分けてくれたが、これは塩味がきいていてとてもおいしく、あっという間に食べてしまった。
親子はきっと私の好き嫌いを見抜いていたと思った。
※写真は朝食です。手前の白いのがミルク粥です。
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