1988/09 - 1988/09
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みどりのくつしたさん
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ベルゲンからオスロへ、オスロからストックホルムへと列車を乗り継いだ。
ストックホルム中央鉄道駅への到着が、定刻の6時55分から15分遅れて、午前7時10分になった。
調子よく動いているので、今日はシリアラインに乗って、一気にヘルシンキへ移動するつもりだ。
シリアラインの船の出発は午後6時の予定。
ということは、船に乗る前の昼間をストックホルム観光に使えば、内容充実の旅になるってわけね。
しかし、まずはスウェーデンクローナを手にしないと動きが取れない。
鉄道駅の両替所が開くのが午前8時なので、それを駅で待っている。
もちろんこの話は1988年のことです。
いまはもちろん、ATMがあると思うので、こういう両替のために行動が遅れるなんてことはないでしょう。
ただ、読者の皆さんもおわかりの通り、両替を待って鉄道駅でぼんやり過ごすのも、また旅の面白さでもあるわけでね。
こういう小さな障害があったほうが、海外個人旅行は記憶に残るってものなんだよ。
すべてがすんなり行くならば、そんなもの海外個人旅行じゃないんだから。
両替所(Forex)で300ノルウェークローネが268.50スウェーデンクローナになり、コミッションが8クローナ(K)引かれる。
つまり、手許には260.50クローナがある。
ここからクローナといえば、スウェーデンクローナのことで、Kと書きます。
ノルウェークローネが20円と考えていたので、スウェーデンクローナはそれよりもほんのちょっと高い。
でもそんな難しいことを考えたくないので、ここでも20円として考えてみる。
鉄道駅の地下に、観光案内所を見つける。
ストックホルムの地図をもらって(無料)、地下鉄24時間乗り放題のパスを購入する(22K、つまり450円くらい)。
コインロッカーにバックパックを放り込む(10K)。
トイレで髭をそって歯を磨くと、使用料が2K。
この時期は吉田のラゲッジラベルの肩掛けタイプを使っていたが、バッグだけを肩にかけて、身軽に町へ飛び出す。
まずはセルゲル広場へ。
ここでイギリス在住の黒人男と出会って、しばらく行動を共にする。
スウェーデン館の観光案内所に行ってみる。
何をしたらいいかわからないときは、とにかく観光案内所へ行ってみることだ。
この観光案内所は異常に親切だった。
ただ、一人一人の応対にものすごく時間をかける。
あまりに親切なので、聞きたくないことでも聞かないと悪いという印象を与えているようだ。
僕の前の白人女性は「この観光案内所は本当に素敵ね♪」と、ほめながら世間話をしていた。
それをぐっと我慢して待つ。
小汚い日本人を待たせたのは人種差別かしらとも思ったが、そういうわけでもないようだ。
僕の番になると、それまで無視していた態度ががらっと変わるんだよ。
後ろで待っているときは、完全に存在を無視されるんだけどね。
日本ならば、客が待っていれば、前の客を少しさっさと対応して、「お待たせしました」とでも言うのだろうが、そんなことはまったくない。
また、カウンターの男性が長身で金髪で青い目で、映画俳優のように格好よかった。
英語もきれいだったしね。
こういうときに、正直、人種的劣等感をはっきりと感じる。
日本の女の子が、スウェーデン人と付き合うなら、認めてあげてもいい!と思ったりする。
昔の日本からヨーロッパへの航空券が馬鹿高かった時代。
そのころの学生、若者は、横浜からソビエトのバイカル号に乗ってナホトカへ行った。
その後、シベリア鉄道でモスクワへ行き、、レニングラード(現在のサンクトペテルブルグ)から北欧のストックホルムへ入るのがルートだった。
これが一番安くヨーロッパへ入るルートだったんだよ。
実際僕の京都時代の友人も、2人(男性1人、女性1人)このルートでヨーロッパへ入ったからね。
そのころは、海外で働きながら旅をするのが常識だった。
日本の経済力がまだまだ弱かったので、日本で働いて金を貯めるよりは、アメリカやヨーロッパに行って働いたほうが効率的だったんだよ。
また、旅行者が働いても、それが問題にはならない、当然だった時代だ。
だから、日本人の若者はストックホルムに多く滞在していた。
ストックホルムで働いたり、恋人を作ったりと、活躍したものだ。
今の人は知らないだろうが、スウェーデンは昔「フリーセックスの国」として有名だった。
昔の日本では「結婚する前にセックスをするのはふしだらだ」「女性は結婚相手とセックスするまで処女でいるべきだ」という考え方が存在した。
いまは日本のどこを探しても、そんな考えはどこにもないけどね(笑)。
だから、北欧の金髪美女がフリーセックスだと聞いたら、とにかくスウェーデンに行っちゃった人もいただろう。
そして、実際にそこでスウェーデン女性とセックスしたり、結婚した人も多いという。
ということは、北欧の人たちは背の低い、醜い日本人に対しての差別はないのかもしれないね。
それとも逆に、貧相な日本人をかわいそうに思って、人生の一時期、獣姦のお猿さん代わりに使っていたのかもしれない。
僕としては、どちらもアリだとおもうよ。
だって、自分がきれいだと確信を持っているならば、どんな不細工な人間と付き合っても、自尊心が傷つくことがないからね。
まあ、北欧に来てはじめて、ここで心から、「日本人って、本当に醜い動物なんだよなー」って、感じてしまうんだよ。
こんなに醜くて、言葉もしゃべれないし、男性器も小さいとなれば、もう生きている価値なんかないよね(涙)。
日本人なんかがいくら金を持ったところで、白人からは馬鹿にされるのも仕方がないさ。
だって、日本人は格好悪いし、日本人男性のチンコは小さいんだから。
その後、日本人の短い足で、国会議事堂、旧市街を見て回る。
フェリーに乗ってユールゴーデン島へ。
さらに、ストランド通りをあるく。
シェップスホルム橋を渡っていたら、ハンブルグからコペンハーゲンの列車で話をした、ウィーンでドイツ語を学んでいる日本人と再会した。
船のユース(この中に泊まります)
彼はストックホルムの有名な「船のユース」に泊まっているそうだ。
いっしょにカステルホルメン島へ歩く。
ガイドブックにある日本レストラン「ひまわり」を探してみた。
この店は潰れていたが、その西側に「一太郎」というレストランを発見する。
ただ、昼の開店時間が午前11時から午後1時までとあるので、あきらめる。
ドロットニング通りを歩き、ハンバーガー屋を見つけるが、ハンバーガーが1個31K(650円くらい!)もする。
さすがに北欧、物価が高い(税金が高い)と感動。
ハンバーガー屋の横に「SYSTEM BOLAGET」という酒屋を発見。
この酒屋は、雰囲気的に公的な機関のようだったね。
白ワイン(39K)と赤ワイン(32K)を一本ずつ購入。
北欧は酒も高いと思っていたが、酒屋で買うとそれほどでもない。
ただ、この酒屋の客は、アル中系統の人が多いようだった。
僕がこの店での酒の買い方がわからずに迷っていたら、客として来ていた35歳くらいのきれいなお姉さんが教えてくれた。
とても親切だったが、彼女は酒でやつれているのがわかった。
ここで世界旅行者は、福祉大国スウェーデンの暗部を覗いたわけだ。
この日(1988年9月20日)の日中気温は17℃で、スカッと快晴で気持ちがいい。
船のユースホステル「チャップマン」は、ある意味旅行者の間では観光名所なので、時間つぶしに行ってみた。
話を聞くと、シーツ込み会員証無し、4人部屋のドミトリー(相部屋)で100Kちょっと。
泊まってもいいが、やはり一気にヘルシンキへ行ったほうがいい。
だって、ユーレイルパスを持っているので、一日移動しなければ大損こいてしまうのだから。
シリアラインの乗り場へは、15:35、16:35に鉄道中央駅からバスが出ているらしい。
しかし、時間もあるので、地下鉄で行ってちょっと歩いてみた。
午後3時半にフェリーターミナル着。
チェックインは午後4時15分。
スリープインというクッションのある寝棚を確保した。
ユーレイルパスがあるので、無料だ。
ユーレイルパスがあっても、確か、もっとちゃんとした船室を取ると、かなりの料金がかかるようだね。
無料なので、僕は「ひょっとして上甲板にごろ寝ではないか」なんて恐れていないこともなかった。
シリアラインの船はとにかく巨大なビルディングなので、船を見たら、そんなセコイことはしないだろうと思ったけどね。
北欧では飲酒に厳しいと聞いていた。
だから、人に悟られずにワインを飲むために、サイダーを購入する。
このサイダー瓶にこっそりワインを入れて、清涼飲料水のような感じで持って歩いて、あちこちで飲もうというわけだ。
サンドイッチとハムをつまみにして、サイダーを飲むと、健全な旅行者に見えるだろう。
こうして貧乏人の集まるスリープインに行くと、いろんな旅行者がいて話が弾む。
デンマーク人の若者2人は、ヘルシンキからソ連に入り、中国へ行くとのこと。
ただ、ヘルシンキでソ連のビザを取るのに一週間かかるということだった。
また、ちょっと怪しげで、おしゃべりな中国人ビジネスマンもいた。
思ったよりも客が少なくてかったので、僕は自分の指定されたベッドから、周囲が静かなところへと移動した。
午後6時10分、シリアラインはストックホルムを出発。
上甲板に行って、出港を見る。
船が夕方の港を出ると、白い帆を上げた小さなヨットがたくさん追いかけてくる。
港を出たところには小さな島、岩礁のようなものがあり、その上にきれいな別荘が立っているのが見える。
夕闇が迫ってくるまで、僕はずっとこのすばらしい景色を眺めていた。
こういう素敵な生活がこの世の中にあるんだなー、と思う。
そこで、「よーし、僕もがんばってこんな生活ができるようになってやる!」と思えば、僕も出世していたかもしれない。
ただ僕は、「やはり、こんな素敵な生活は日本人には無理だな。日本人には無理だ」と、簡単に諦めてしまうんだよ。
ただ僕の世界旅行の記憶の中で、この港を出港した風景は強く記憶に残っているんだ。
その後、船の中のテレビで、ソウルオリンピックを見たっけな。
【写真】ストックホルム
【旅行哲学】諦めちゃダメだよね。でも、最初から努力しないで諦めるほうが楽だ。
参考:
シリアライン http://www.silja.com/
バイキングライン http://www.vikingline.fi/
http://www.midokutsu.com/europe/stockholm.htm
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