![ここ数日の寒さが嘘の様に、陽射しが眩しく暖かな1日。<br /><br />近所を散歩しながら普段は目にも止めないものをじっくりと眺めてみる。<br />さいたま市にはまだまだ田舎な風景が沢山ある。<br />久しぶりに実家に帰ってみると小さい頃駆けまわった裏の林が無くなっていた。<br />生まれて初めて見た。ずっと記憶の中にあったその美しい木々の風景はなにも無い土だけの世界になっていた。<br /><br />じっと眺めた。淋しさを通り越した。<br /><br />記憶の中の友達と走った事、夜中に飼っていた犬を探しに行った事、木の皮を剥がしたらスズメバチが出てきて追いかけられた事、色々な思い出が頭の中を駆け巡った。<br /><br />ずっと残って欲しい、近所の自然。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/19/98/650x_10199835.jpg?updated_at=1195994684)
2007/11/25 - 2007/11/25
9303位(同エリア18013件中)
つーさん
ここ数日の寒さが嘘の様に、陽射しが眩しく暖かな1日。
近所を散歩しながら普段は目にも止めないものをじっくりと眺めてみる。
さいたま市にはまだまだ田舎な風景が沢山ある。
久しぶりに実家に帰ってみると小さい頃駆けまわった裏の林が無くなっていた。
生まれて初めて見た。ずっと記憶の中にあったその美しい木々の風景はなにも無い土だけの世界になっていた。
じっと眺めた。淋しさを通り越した。
記憶の中の友達と走った事、夜中に飼っていた犬を探しに行った事、木の皮を剥がしたらスズメバチが出てきて追いかけられた事、色々な思い出が頭の中を駆け巡った。
ずっと残って欲しい、近所の自然。
-
実家のリビングには母が飾った花が、窓から入る
太陽の光を浴びていて、とても気持ち良さそうだった。
母は先日見に行った紅葉の写真を自慢げに話して
くれた。その表情がとても生き生きとしていて楽し
そうだった。 -
リビングが以前にも増してやけに明るくなったなと
ふと窓の外の林の方を見ると、無くなっていた。
幼い頃走りまわった林は宅地開発で切り取られていた。
記憶の一部が切り取られた様な虚しさ。
そんなに家沢山建てないといけないの? -
庭には沢山の花が良く手入れされ太陽の光を
沢山浴びていた。
北側の林が無くなったせいか、北風がすっと
頬を撫でていく。 -
ここにも紅葉が来ていた。
庭は幼い頃と変わらず気持ちの良い芝生、
沢山の種類の木々が生い茂っている。 -
近所を散歩した。アスファルトに落ちた花びら。
今日は暖かいけれど、記憶の一部が欠けた悲しみを
表すかの様に淋しく落ちていた。 -
大きく実った柿が枝に必死につかまっていた。
-
今日は旅行ではない、ただの散歩。
耕された畑に小さな命が生まれていた。 -
白い花びらに太陽の光が反射してキラキラ輝く。
心の中を流れた北風の冷たさも少し緩んだ。 -
さらに空を見上げれば今日も良く晴れ渡る空に
近所にやってきた紅葉が冬の訪れをまもなく告げる為に
地面に降りてくる。 -
雲ひとつ無い。上空の気温が低いのだろうか。
雲ひとつ無い、透明度の高い海の様に澄んだ空。 -
こういう奥に入る楽しみを抱かせるような風景が
昔は沢山あった。土の上に落ちた枯葉を踏みながら
歩く道。 -
青い空が気持ち良い。
澄んだ空気は濁った心も悲しい空気も吹き飛ばして
くれる。 -
咲き誇る花は、何を欲しがっているのだろう。
太陽の光なのか、優しい風なのか、それとも人々の
賞賛なのか、それは花自身にしかわからない。 -
そんな花と会話が出来たら良いのに。
自然の風景が次々と人間の手で失われて行く事、
どう思われますか? -
美しく咲く、美しく咲くには悲しい気持ちや不安を
抱いていたらだめだよね。
きっと素晴らしく楽しい気持ちで太陽と会話している。 -
枝の上にきちんと整列したイチョウの葉。
皆な黄色い服を綺麗に着て、青空の下で歌っている。 -
記憶のかけらが失われた悲しみは、今日の青空に
向かって遥か上空に消えていった。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- まみさん 2008/01/25 12:30:35
- 詩人ですね!
- すてきな写真だけでなく、コメントとあわせてじーんときました@
一票!
- つーさん からの返信 2008/01/26 06:46:19
- RE: 詩人ですね!
- まみさんこんにちは。
実家の周りが記憶にあった緑豊かなものから、徐々に宅地へと
変わりつつあります。
それはすごく淋しいことなのですが、きっと新たな風景にも
緑が溢れるような街づくりがされてくれる事を信じています。
実家を訪れる度に、庭には父や母が育てている花達が
一年中色々な表情を見せてくれます。
大地から生まれてきた自然が失われても、人が育てていけば
またもとのような緑溢れる風景になるのですね。
思い出す度に淋しさと新しい緑への期待が入り乱れますが
緑を、自然を愛する人々がそこに居れば、その風景は蘇るのだろうな
と思いながら作った旅行記です。
コメント頂き、ありがとうございました☆
それではまた。
-
- いっちゃんさん 2007/11/26 19:52:25
- 傷心
- 開発がどれだけつーさんの心を傷つけているか・・・!
伝わってきました。
つーさんの母を思う気持ちも
訪ねるたびに伝わってきます。
秋の花や紅葉に癒されて
新しい自然を探しましょう。
埼玉にもまだまだ!
いっちゃん
- つーさん からの返信 2007/11/26 21:54:33
- RE: 傷心
- いっちゃんさんコメント本当にありがとうございます。
母や父もご近所さんも皆見慣れた風景が失われていくことに
色々な想いがあると思います。
問題はそうなってしまった次にどんなアクションを採るかだと
思いました。
いっちゃんさんがおっしゃられるように、埼玉にはまだまだ沢山の
自然があって、野原や林を駆けまわれる場所は沢山ありますね!
そういった自然をこれからずっと残るように何かできればと思いました。
私の家も実家では父も母も沢山花を育てています。
失われた分、少しでも自分達で育てていくこと大事ですよね。
なんだか前向きに元気になれました!
ありがとうございました!!
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