2000/06/16 - 2000/06/16
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4nobuさん
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キールはキール湾(入江)の奥にあり、北海とバルト海を繋ぐノルト・オストゼー運河の要として海運・造船を中心とした経済的な繁栄を遂げている。この運河は通常キール運河といわれ、年間6万艘が航行する世界で最も交通量の多い運河である。
この地形的、位置的好条件によって第2次大戦ではドイツの戦力の要でもあった。すなわち海軍殊に潜水艦の基地としての価値が高かった。その結果大戦後期に爆撃によって徹底的に破壊された。
キールを訪れる目的はこのキール湾の入口近くに海軍記念館と完璧に保存された潜水艦があり、それと市内の航海博物館、郊外にシュレスヴィッヒ野外博物館を訪ねたかったから。
丁度100年の歴史のあるキール週間が今日(6/16)から始まり明日からヨットレースが始まる。入り江には沢山のヨットが走っていた。
書き忘れてたのを追加する:
海軍記念館の前庭に大きなスクリューが展示されている。有名な重巡洋艦プリンツ・オイゲンの物だ。この艦は強運にも大戦を生き延びたがビキニ環礁での原爆実験の標的になり今もその残骸が残っておりドイツ人にとっては屈折した思いのある艦だ。このスクリューはビキニへの曳航に際して外したのか、予備だったのか、ビキニで座礁してから持ち帰ったのか。
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キール駅を降りインフォに寄って宿を紹介してもらい、荷物を預けるとすぐにバスでキール入江の東岸を北上して湾口のラボー(ラボェ)に向かう。途中、造船会社やその関連会社を通って行き、ここがドイツ造船鉱業の拠点のひとつだと気づく。
バスの終点ラボーはーフェンで下車、ここからエーレンマールまで浜辺に沿って15分ほど歩く。この長い砂辺は海水浴場となっており日よけのビーチチェアーが並び、反対側には瀟洒な住宅街。このような海水浴場がこのキール入江には5箇所ほどある。 -
入り江を航行する帆船が目立ちキール週間の賑わいをうかがわせる。
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白い砂浜、澄んだ海水の浅瀬、行きかう帆船。
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浅瀬にありがちな汚れが無く、底の砂がきれいに見える。世界一航行量の多い運河の入口なのに。
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キール入り江を補助機関を使って航行する大型帆船。
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ラボーにある海軍記念館の58m高さの展望塔。
基部の1から3階までは艦の銘板、旗その他の展示室がある手前の広場の地下には記念ホールがあり、霊が祀ってある。更に今の位置の背後に来ると海軍の全船籍のプロフィールと代表的な模型が同一の縮尺で作られて並ぶ。
この建物の歴史を見ると、既に第一次大戦の後に海軍の戦没者を祀るべく提唱され1927年に着工し1936年には塔が追加される。当初は海軍のみであったが1954年には一般の海事関係者も祀られるように変わる。 -
塔の上からの海浜と入り江の眺め。丁度正面あたりが運河の入口。
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記念館の傍の海岸にあるUボート博物館。
このU995(1070t)はV?C/41型として663艘作られたうちのかなり後期の1943年7月にハンブルグで建造された。なお映画「U-Boot」に出て来るのも同じタイプ。終戦をトロントハイムで迎えノルウェーに接収され1952年にノルウェー海軍のKNM Kauraの名で就航する。
1965年にドイツに返還され、更に1971年にドイツ海事財団に払い下げられ1972年からラボーで展示公開される。 -
見学しやすいように艦側に開口部を設ける。
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後期の潜水艦らしく37mm砲の他に対航空機対策として20mm双連機関砲2基を備える。
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中央指令室。
右の梯子が艦橋への昇降用。その左の白いハンドルが水平舵。その上の大きいダイヤルが深度計。中央に上からぶら下がっているのが潜望鏡。左端が海図用テーブル -
下士官居住室兼予備魚雷室を前方の魚雷発射管側からみる。出港時は魚雷は天井からぶら下がった形で住居のスペースを圧迫している。
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下士官室兼前部魚雷発射管室を見る。下士官のスペースにこのように魚雷がぶら下がっている。この部屋の下にはバッテリー室がある。
前部魚雷発射管室には魚雷発射管が4基ある -
後部魚雷発射管室。発射管は1基だけ。どうしてか前部の魚雷とサイズがほんの少し違う。手前の円筒状のはコンプレッサー
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機関室。1400馬力6気筒ディーゼル機関2基
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厨房。熱源は勿論電熱。約50人のための設備としては小さいような気がするが。
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キール入江の最奥部の波止場にある航海博物館(Schiffahrtsmuseum)の展示。外輪船のボトルシップ
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航海博物館(Schiffahrtsmuseum)の展示。初期(第一次大戦当時)の潜水艦の試作品
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航海博物館(Schiffahrtsmuseum)の展示。第二次大戦時に試作した二人乗りの特殊潜水艇
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航海博物館(Schiffahrtsmuseum)の展示。木製帆船時代の造船所模型
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博物館の対岸は造船所。その前を通る帆船。
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この旅行記へのコメント (2)
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- とらいもんさん 2007/09/25 08:57:41
- Uボート!
- こんにちは
船内を見学できて良かったですね!!
一応、戦中育ちでしたので、興味深く拝見しました。
佐久間艇長も思い出しました。
お邪魔しました!
- 4nobuさん からの返信 2007/09/26 10:48:28
- RE: Uボート!
- 佐久間艇長が通じるのは相当の年寄り? このブログでは希少でしょうね。
実物潜水艦ではこのキールの数日後に独ブレーマーハフェンでも、また10年ほど前に英ワイト島で見学しました。
このような(戦争好きではありませんが)船に興味があって機会があれば寄り道します。近代軍艦だけでなく帆船時代の軍艦も各地にありますので。
変ったところでは英国にタンク博物館もあります。
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