｢ボナム・シルバーストーン・クラシック2007｣その４ 70年代のF1

2007/07/29 - 2007/07/27

70年代のF1のクラスも非常に人気だ。
近年DFVのパーツが再生産されるようになり、エイボンなどのレーシングタイヤも格安でイベントに供給される環境も整い、古いF1を所有して本気でレースをしたいマニアたちにとって、今はとても良い時代のようである。ヒストリックF1レース観戦の楽しみのひとつは、昔さほど速くなかったマシンでさえ新品のパーツや最新の工作技術によって現役時代以上の戦闘力を備え、ベストの力でレースをすることができること。

今回の決勝レースでも、かつてアルトゥーロ・メルザリオが乗ったOVOROカラーのマーチ721がポール・トゥ・ウィンを決め、それにデュレックスカラーのサーティースTS9B、フィッティパルディF5Aが続くという、あの時代のF1を知る人にとっては考えられないであろう結果となった。

これらF1を走らせるのは非常に幸運な世界有数のコレクター達だが、観戦する私の目にはジェームス・ハントやヴィットリオ・ブランビラ、クレイ・レガッツォーニたちがあの世から戻ってきて、もう一度レースをしているような錯覚すらしてしまう。きっと、ステアリングを握るオーナーも当時のF1レーサーになりきっているに違いない。

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シルバーストン・クラシックでは、レースはローリングスタートで開始されます。これはペースカーがピットに入り、いよいよ最終コーナーを加速してゆく瞬間。先頭のマーチは圧倒的な速さでポール・トゥ・ウィンを決め、それにデュレックスカラーのサーティース、フィッティパルディが続いた。当時弱かったマシンが上位を走る姿を見れるのも、ヒストリックイベントの醍醐味です。

このイベントの魅力は、古いF1さえもアクセル全開で本気のレースをする光景を見ることが出来ることです。ジェームス・ハント、ヴィットリオ・ブランビラ、クレイ・レガッツォーニ、ロニー・ピーターソン・・・まるで奴らがあの世から帰ってきたかのような錯覚すらします。

ピットレーンにて撮影。シルバーストン・クラシックではこのようなレース前の緊張感のある光景を見ることだってできます。セカンドロウに並ぶフィッティパルディとシャドウ。

ウルフと袂を別った後のウィリアムズ最初のマシン、FW06。設計はもちろんパトリック・ヘッド。これはかつてアラン・ジョーンズが乗ったもので、海外のヒストリックカーレースではよく見かける常連。

OVOROカラーのマーチは、かつてアルトゥーロ・メルザリオが乗ったマシン。今回のレースでは圧倒的速さでポール・トゥ・ウィンを飾った。このマシンも、世界のヒストリックF1レースでは常連。

｢モンツァ・ゴリラ｣ことヴィットリオ・ブランビラがかつて乗ったBeta工具カラーのマーチ。

これは珍しい、クレイ・レガッツォーニの乗った赤いシャドウDN9。このマシンを設計したトニー・サウスゲートは、後にアロウズでソックリ(いや、シャドウそのもの)のマシンFA1を作り裁判沙汰となったのは有名なハナシ。

こちらも珍しい、コパスカーことフィッティパルディ。ブラジルの砂糖会社をスポンサーに、エマーソンの兄ウィルソンが創始したオール・ブラジリアンチーム。今回のシルバーストンでは、驚異的な加速力で３位表彰台をゲット。当時では考えられない順位ですな・・・。

ヒストリックレース界では非常に有名なコレクター、マーティン・ストレットン氏が持ち込んだのはティレル008。昨年のモナコではP34で異常な速さを見せたが、今回はクルマの調子がいまひとつのようだった。

F1史上最もエロかわいい、ヘスケス308E。おなじみのペントハウスカラーは今見ても斬新。

どマイナーF1その３。トロージャン・トーラナック！ティム・シェンケンが乗ったことくらいしか知りませんが、ラジエターの位置がかっこいい。

ピット内では、誰でも自由に貴重なマシンの整備風景を見物することができます。床に工具や部品が転がっていたり、柱に貴重なカウルが立てかけてあったり、雰囲気は抜群。このカウル欲しい・・・。