2004/12 - 2004/12
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jsbachさん
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トンブクトゥといえば、ヨーロッパ人にとってはもはや人界の果ての果てといったイメージのところなのだろう。ニジェールの大河が近くを流れる隊商都市のトンブクトゥも、私が訪れたときにはすでにサハラに半ば埋もれた、観光でかろうじて食っている街だった。
街の中心には、木の杭が壁から突き出た印象的なモスクがある。モスクの内部を見せてもらう。私のような異教徒でも入れてくれるらしい。次にマーケットを見学する。割と新しい建物という印象を持ったが、実は数年前に崩壊してしまい、新しくしたのだという。中は3〜4階建てで、香辛料や雑貨や衣類や、いろいろなものを売る商人がそれぞれ小さなスペースを占めていて、バザールが立体化したような印象である。最上階は食べ物屋のフロアで、トンブクトゥの街を一望できる。一望したところで、砂塵で煙ってさして遠くまで望めるものでもない。
トンブクトゥはサハラの南端にある街である。市内のホテルで「キャメルツアー」なるものに乗ることになった。2時間ほどサハラを楽しむことになるらしい。大通りに面した正面玄関から入り、裏口から出ると、そこにはサハラが広がっていた。ラクダが何頭かスタンバイしており、そのうちの一頭(オラフ君というらしい)に乗る。
らくだ曳きの少年はしきりに近くの村の彼の実家で「チャイ」にしないかと誘う。いくらかかるか知れたものではないので「ノン」と言っておく。ラクダはしばらくは人家と砂漠が交錯するあたりを往くが、やがて人家が途切れ、一面の砂丘となる。風紋がきれいに残っているところを見ると、まだ今日のツアー客はほとんどいないらしい。
大きな砂丘の下でラクダは止まった。ここから砂丘を登ると景色がいいらしい。えっちらおっちら足をとられつつ砂丘を登ると、そこにははるか彼方まで続くサハラの砂丘が広がっていた。遠くはとても見通せない。しばし、砂丘の上に佇む。耳に入るのは風の音だけである。あとは、全くなんの物音もしない。
少年に促され、後ろ髪ひかれる思いで砂丘を降りる。なんと、そこには土産物屋がいた。少年も加勢してブレスレットやら首飾りやら売りつけようとする。私が黙ってラクダにまたがり、ほれ行くよ、とオラフ君の脇腹を一蹴りすると、オラフ君はおもむろに立ち上がって歩き始めた。少年があわてて轡を取る。
土産物屋があわてて荷物をまとめたと思うと、私のそばにぴったりついてなおあれこれ勧めてくる。私がむっつり黙っていると「give me price!」と連呼する。ついに根負けしてなにやら首飾りらしきものを買う。彼が「この値段で買ったことは街では言うな」と言うところをみると、ずいぶん買い叩いてしまったのかも知れない。旅の疲れと暑さで少々虫の居所が悪かったとはいえ、悪いことをしたと少し反省した。
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