2007/06/01 - 2007/06/01
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フーテンの若さんさん
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僕の荷物は何処か別の場所へ連れていかれてしまったようだ。空港の荷物受取場所で、いつまで待っても自分の荷物が出てこないあの虚しさ。カラのベルトコンベアがぐるぐる回っているのをぼーと眺める寂しさ。生まれて初めて味わいました。まあ、ヨーロッパの何処かにはあるようなので、いつかまた戻ってくるでしょう。クヨクヨしていても始まらない。
気を取り直して、僕はロヴァニエミにあるオウナスヴァーラの丘に向かって歩いていた。
何故、フィンランドまでやって来たかというと、本当はオーロラを見る計画を立てていたのだった。憧れのオーロラを見たい!だから、周遊券を買うときに、フィンランドのロヴァニエミも周るよう事前に組み込んでいたのだ。
んが、時はもう6月!
オーロラは、空気の澄んだ冬の12月〜3月に見れるもので、春からは見ることはできないという。ズレズレの予定で旅していたため、いつの間にかシーズンが終わってしまっていた。しかし、この時期は代わって白夜が見れるらしい。日の沈まない夜とはいったいどんなものなのか。オーロラほど興味は惹かれないものの、チケットもせっかくあることだしと思い、はるばるここまで来てみたのだった。
地図で見る限り、町からオウナスヴァーラの丘までそんなに遠くはないように思えた。
しかし、歩けど歩けど、丘の頂上には辿り着かない。またしても僕は迷子になってしまったようだった。一応ハイキングコースらしい道はあるものの、僕以外は誰も歩いていない。時折、大きな野兎が小走りに横切るのを見掛けるのみ。もう夜の21時を過ぎているというのに、真昼間のように太陽の光が刺しているのが、唯一の明るい材料だった。
結局、延々3時間も歩きとおした。
丘の頂上にはホテルが建っていた。ホテルの展望台から眺める白夜の太陽。至って普通の太陽だった。何処にも変わりはない。健康そのもの。白夜ってなんってことはない。太陽が沈まないだけやん。太陽が白かったり、空が白くなったりするんじゃないんだ。これだったら、オーロラと違って、別に何処にいたって見れるじゃない。そう思うと、残念で少しだけ泣けた。でも感動のせいで泣けたことに(自分なりに)しておいた。taiyou
帰りはホテルからタクシーを呼ぶ。町の中心までたった15分足らずだった。一体、僕は何処をどうやって迷っていたのか。
自分の宿に帰っても、まだ荷物はまだ戻ってきていなかった。着替えもないし、本もないし、何もないので後は寝るしかない。時計を見るともう0時を超えている。なのに、カーテンを閉めても、溢れてくる眩いばかりの太陽光線。昼間に寝るようでなかなか寝付けないではないか。
白夜とは沈まぬ太陽。それ以上のものでもないし、それ以下のものでもなかった。
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ロヴァニエミには、サンタクロースが住む村があるという。
本当はとっととヘルシンキに行く予定だったが、荷物がロストバゲージしているので、もう少しここに滞在せねばならぬ。そこで、この有名観光地へとひとり向かったのだった。
何となく日本で今流行の「道の駅」を思わせる施設だった。土産物屋とレストランが併設しており、その横にポスト。中央にはサンタクロースオフィスと書かれたログハウス風の家がこじんまりと建っていた。
まずは、何より先にサンタさんに会いに行く。
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サンタさんは、よく絵に出てくるように大柄で、白い髭を蓄えていた上に、日本語が結構上手だった。「また来てね」と笑顔で手を振ってもらうと悪い気はしない。しかし、写真を撮ろうとすると別売りで20ユーロもするという。何だよ、サンタさん。ちゃっかり商売かよ。子供の夢、壊さないでおくれよ(僕は充分すぎるほど中年だが)。
次にポストオフィスへ向かった。ここではクリスマスの時期にサンタの村から手紙を届けてもらうことができるという。
本当は甥っ子に送りたかったのだが、住所を覚えていなかった。特別に送りたい彼女もいないし、他の友達も住所がわからない。仕方がないので自分宛に送ることにする。葉書を買って、ペンを握って、はて考えた。自分宛のクリスマスカード。いったいなんて書いたらよいのだろう?
「メリークリスマス!」って自分に?
「サンタの村からですよ!!」って自分で読んで嬉しいか??
うーん。仕方がないので、「今年のクリスマスは何をしていますか?」と未来の自分に宛てて書いてみた。失敗。葉書と切手代損した。今年のクリスマスに実家でこの葉書を見て、僕は何を思うのだろう。
サンタの村を1時間で後にし、宿に戻ると念願の僕の荷物が戻っていた。しかし、残念ながら食料入れ用の安物バックはチャックがぶっ壊されていた。
何だよ。これどうやって運べばいいんだよ。と考えあぐねていると、隣に酔っ払いの怪しいオッサンが近づいて来た。やたらと酒臭い。僕の横に座ると、「俺は子供が3人いるのにお金がないんだ。だから5ユーロ恵んでくれよ。」と物乞いしてきたではないか。
アホか!こちとら、その5ユーロが惜しくて今日も昼飯抜いとんねん!
「しっ。しっ。あっちへ行け。」
と手を振り払っても、泥酔しているのかオッサンは動こうとしない。しつこいのでオッサンに向かって叫んで、僕の方から立ち去ることにした。
「そんなにお金欲しいなら、サンタクロースに頼めばいいじゃない!!」
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