2006/05 - 2006/05
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漣さん
北と南の世界を繋いだ一大定期市が開催されていた場所がパリの郊外にある。プロヴァン、南仏のリゾート地とは全く関係ございません。
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一般に中世と呼ばれるのは11世紀から14世紀頃までであり、正にその時代に繁栄を謳歌した都市がこのプロヴァンであったとのこと。
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毛皮や毛織物、香辛料や貴金属、ワインなど北方、南方からの様々な交易品が一度に見える定期市会場。
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その性質から各国の通貨の両替のために発展した商売が銀行業の始まりとされているそうです。ということは経済史上とても重要な都市でもあるようです。
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さて、実はこのプロヴァンは電車を乗り継いで訪れる観光客をあまり歓迎してくれません。というのも・・・、駅周辺の案内が不十分すぎる、というか何もありゃしない。
それどころか観光案内所が街を挟んで駅から完全に反対側にあり、観光が終わったと同時に観光案内所という不可思議な体験をすることになります。
しかも街中に点在するインフォへの案内板は庁舎のことを指しており、益々訳が分からない。
しかし一応、下町の庁舎には地図が置いてあります(何故か日本語バージョンあり)。
ですが、そんな気遣いも空しく観光客がこの建物に入ることはまずないでしょう。というわけで、この街の概要が良く分からなかった自分は二度この町を訪れることになったのでした。 -
二度目の訪問で庁舎にて地図を手に入れると同時に、入り口に掲げられていた世界遺産の碑を発見。プロヴァンは2001年に登録されたはずなんですが、何故か2002年の表示がある珍しい碑。
プロヴァンは以下の基準で世界遺産に登録されています。
()2度目の黄金時代の到来によりプロヴァンはヨーロッパ北部と地中海世界とを繋ぐ一大定期市の会場となったシャンパーニュ伯領の町の1つであった。
()プロヴァンは中世の一大市場都市であったことを特徴付ける建築と都市構造を高い度合いで残している。
※ユネスコのHPに記載されているものの私訳です。 -
さて、地図を開いてみるとプロヴァンは領主や商人達が住まう上の町と下の町に区分されていることが分かり、まずは上の町へと向かいます。
道はいつの間にか坂へと変わり、春の陽気が心地良く後押ししてくれます。
まず出迎えてくれたのはサン・キリアス聖堂。プロヴァンが凋落を迎える少し前に築かれ始めた歴史的背景もあっていつの間にか見捨てられ未完のまま数百年を過ごしたどこか少し影のある建築です。 -
シャンパーニュ伯の重荷でしかなかった聖堂。内部もいたって簡素に纏められていて目を引くものがあるわけではありません。
しかし、長い孤独を乗り越えた姿は実に堂々としていました。今ではプロヴァンの象徴の1つとして時代の表舞台に再び返り咲いています。 -
セザールの塔。下町を見下ろす高台に築かれた見張り塔です。欧州では旅行中に小学生集団の遠足道中に巻き込まれること多数。まさかここでも出くわすことになるとは。狭い階段を譲り合いながらの観光。
しかし塔に吹き付ける風も心地良く、いたって順調に見学をすることが出来ました。 -
プロヴァンの町の郊外はパリから1時間半の列車の道程にも関わらず田園風景が広がっています。フランスは国土の大半を農地として転用していますが、この手法は中世から残る数々の町の景観保護の為にも役立っていると言えるんでしょうか?
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さてセザールの塔から見えたシャテル広場へと到着。エディット十字架が中心に構えるこの広場に来ると新市街とは異なる木組みの建築が見え始めます。
観光客もまばらな平日の昼とあって中世の雰囲気にどっぷりとつかることが出来ました。それ程観光地化もされていないのでゆったりと見学ができます。 -
上の町は中世に特に発展した区域だけあって、地取りも交易に特化した街路構造を保っています。これだけ広い街路で保存されている街並みはそれほど無いはずです。
多くの家屋が密集した中世都市を見てきた後だとこのだだっ広い空間に戸惑ってしまいます。自分の中にあった中世とはイメージが異なっていた為か、面食らうことの多い街でした。 -
シャテル広場から真っ直ぐ中世の町並みを抜けると出会うのがジュイ門。現在残る門は2つあり、もう1つのサン・ジャン門と共に幾多の訪問者を迎えてきています。
形状と言い、黒ずんだその色合いと言い、良い味を醸し出しています。 -
こちら側はサン・ジャン門の近く。門は残念ながら全面修復中でした。
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さて一通り中世都市を見終わったら下の町へと足を戻します。ガイドブックによると上の町に付随して発展した下の町も登録範囲であるようです。
上の町を見た後でこの町を見ると、行きには感じなかった新鮮な感覚を味わえます。普通の町とあまり変わらないと思っていた町が突然、味のあるものに見えました。 -
地図を頼りにくまなく歩き回りましたが、下の町はメインコースから外れた裏道に中々いい雰囲気の街並みが潜んでいます。
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プロヴァンは電車で到着したか車で着いたかで印象が違ってくる町です。いきなり中世の町に飛び込むか、段階を追ってと中世へと戻っていくか。車で訪れた人はどんな意見が出るんでしょうか?
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