2000/08/10 - 2000/08/11
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4nobuさん
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朝、インスブルックを発ってサンクトガレンへ列車で移動。来る時は大混雑だったがこの逆コースは席に座れ、景色も見えて快適。同席の上品な婦人から名所とレストランを推薦してもらう。
駅前のインフォでそこそこのホテルを紹介してもらう。教会近くの小さなデザインホテルで、若向きの機能的で馴染み難い。しかしスタッフは若さ故のきびきびした対応で好感度大。
サンクト・ガレンは7世紀にアイルランド修道僧コロンバンとその仲間が伝道の旅の時にコロンバンはコンスタンツに、仲間のガルスがここに僧院を興したことに由来する。町名も聖ガルスSt.Gallusから来ている。それ以来ベネディクト派の僧院として発展した。
サンクト・ガレンの街はその門前町してできたがその後繊維産業の発展で得た自治力によって修道院とは別のスイス盟約者団の従属邦となり修道院とは対立する複雑な関係であった。さらに宗教改革がこの都市にもたらされて対立はより厳しいものとなる。
しかし修道院長は諸侯並の権勢を持ち続け、現存の大聖堂とそれに付属する図書館などはその力で築いた。
なお大聖堂の向かいの聖ラウレンティス教会は対照的な存在で、宗教上だけでなく歴史的にもタウンホールとして市民の中心的存在をずっと務めた教会。
この街のメイン通りであるマルクト通りとその裏通りは中世の雰囲気いっぱいの町並みで、それは中世以来の経済力に負うところが大きい。
街中の散歩中に繊維博物館にはいる。この地の特産繊維製品特にレースの展示が主だが専門家以外の人に興味を持たす工夫が必要な気が。
修道院は宗教改革ごろから数奇な運命をたどることになる。1805年に修道院は民間に移譲される。
(このように機能を停止した修道院や教会がスイスにはかなりあるそうだ。私の訪れたところではバーゼル郊外のヴェテリンゲン修道院がカントンの音楽学校になっている)
http://4travel.jp/traveler/4nobu/album/10045248/
サンクト・ガレンの修道院付属だった図書館だけがそのまま存続される幸運が今の貴重な遺産となった。
そして大聖堂とそれに続く建物は司教館、図書館、州政府、学校が混在する形になってしまった。それでもバロック建築の集合建物としての価値は生きている。
スイスの同じベネディクト派の修道院とその付属聖堂として双璧をなすものとして日本にあまり知られてないアインジーデルン大修道院がある。
http://4travel.jp/traveler/4nobu/album/10044741/
ここはいろんなことで対照的だ。
・ 今も修道院として活動している。
・ 街は今でも門前町として従属?
・ 街全体で宗教的雰囲気が強く少し堅苦しい。
翌朝、再び大聖堂の散歩と高台から街を見下ろした後にチューリッヒへ。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス レンタカー
- 航空会社
- KLMオランダ航空
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有名な大聖堂の東側ファサード。
二つの優美な塔で挟まれた三角の切妻(ペディメント)には名高い教会建築家フォイヒトマイヤーの聖母の戴冠のレリーフがある。 -
北面を見る。内部見学はこの北の袖廊から入る。
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その華麗さは評判で、予想していても誰もが驚く。宗教改革末期のバロック様式の傑作。宗教改革に対する権威の誇示のせいかも
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身廊の柱も豪華。ここから内陣へは入れない
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聖堂の中央にあるドームのクーポール。ヴァンネンマヘル作の青地の三位(父なる神、子なるキリスト、精霊)。この聖堂の装飾全体の中心のように感じたので写真を撮る。
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旧市街から修道院の区画に入ろうとする入口に、大聖堂に対抗するように立つ聖ラウレンティウス(ロレンツォ)教会。中世にはここでゲマインデ(市民総会)が開かれ、宗教活動だけでなく政治活動の中心でもあった。
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スイスの世界遺産といえばこれ!と言うほど有名な修道院付属(だった)図書館。大聖堂の大改築と同時期(1758)に建設。蔵書は14万冊におよび、特にカロリング王朝以降の手写本(サンクトガレン写本)16世紀以前の印刷本(インクナプラ)が稀本の最たるもの。
いまでもこれらの稀本を除いて研究用に貸し出しも行われているそうだ。
内部ホールでは品位のある本棚などの図書館機能とロココ調の内装が調和して、大聖堂以上の素晴らしさに感激する。
素晴らしい寄木細工の床の保護のために見学は靴カバーをつけてする。 -
大聖堂廻りの町並みはこのように中世の雰囲気。列車で同席の夫人が薦めたレストランもこの界隈だった。訪ねてみると夏休みで長期休店
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教会地域のそばで見られた中世風の町並み
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もと修道院建物の裏側で
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大聖堂(ドム)の西側付近の町並み。前方に聖ラウレンティウス教会が見える。この左手にあるレストランAm Gallusplatzをようやく探し当てたがあいにくの夏休み
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ファサードに日が当る朝、再び大聖堂を訪れる。修道院中庭から
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二つの塔に挟まれた聖母戴冠のペディメントレリーフをアップするために大聖堂に近づいて
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修道院中庭で談笑する若者。ここには有名な大学があるのでその学生?
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大聖堂の南側に修道院の主な建物が集るがそこには小さな中庭がある。背後に聖堂の鐘楼が見える
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小さな中庭から旧修道院の建物越しに聖ラウレンティウス教会の塔が見える
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小中庭の花
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大聖堂の南西にあるケーブルカー(ミューレックトンネルバーン)は機能的にはエレべーターを横にしたような感じで、無料(間違い訂正:コイン投入の自販機型でした)で乗客が自分でボタン操作。
これで背後の丘に上がりガレンの町を展望する。ボーデン湖が見えるのではと期待したが残念。 -
この散歩道からは大聖堂も見えた。
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この旅行記へのコメント (4)
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- とらいもんさん 2007/03/08 08:09:46
- ザンクトガレン
- おはようございます
拝見いたしました。
ザンクトガレンは、昨年途中下車いたしました。
約一時間半歩きました。もっとも食事で30分使いました!
時間が許せれば、ハイキングを兼ねた「街観賞」ができますね!
- 4nobuさん からの返信 2007/03/08 11:47:25
- RE: ザンクトガレン
- 途中下車はサンモリッツの帰りだったのでしょうか。確かにこの街は散歩してみたいところが一杯ありそうな雰囲気ですね。
ほんとに行きたいところが多すぎますね。
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- shinesuniさん 2007/03/07 05:41:40
- 流石スイスのスペシャリスト♪
- 凄い旅行記を目にして
再びザンクトガレンへリベンジしたくなってきました。
今度はこの街からロルシャッハ(ロルシャウ)〜リンダウラインで
2〜3日費やしたいと思っております。
- 4nobuさん からの返信 2007/03/08 11:07:42
- RE: 流石スイスのスペシャリスト♪
- 古い写真なのにお褒めいただいて恐縮です。今回の旅日記は今日で終了です。溜まった写真がまだまだあるのでどれをはじめるかまよってます。なにせ遅筆と当時の記憶が薄れているので少々しんどい。
ボーデン湖のクルーズはいいですね。湖の周辺はまだ行ってないところが一杯。
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