2006/12/25 - 2006/12/25
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STAMP MANIAさん
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地方都市を走る私鉄電車を訪ねる旅。
福井鉄道は福井県の武生~鯖江~福井を結ぶ私鉄。
福井市内では路面電車として走っている。
かつては普通鉄道サイズの列車が路面区間を走る鉄道として知られていた。
しかし最近、廃止された名鉄岐阜市内線の路面電車車両を購入し、ほとんどの運用を置き換えたたようだ。
現在では、逆に路面電車型車両が郊外路線を走る路線となった。
今回は武生新→福井駅前間を乗車した。
-
福井鉄道の南側起点「武生新」駅。
なぜか「新」が地名の後に付く。
JR北陸本線の武生駅とは数百m離れている。
バス停待合室と兼用の小さな駅舎。 -
乗車したのは、武生新発福井駅前経由田原町行急行電車。
急行というので、鉄道線用の大型車両を期待したが、路面電車タイプだった。
福井市内までの運賃は390円。
JRは320円なので、私鉄の方が高いということに。
運転間隔はJRが約1時間間隔なのに対して、福井鉄道は日中20分間隔と、かなり頑張っている。
駅数はもちろん福井鉄道のほうが多く、武生〜福井間で途中18駅、平均駅間距離が約1kmと、私鉄らしくこまめに客を拾う。
一方のJRは、途中4駅で、平均駅間距離は4km近くになる。
駅が多い分、当然所要時間はかかり、JRの約20分に対して40分前後と、こちらは勝負にならない。
もっとも、JRと完全に競合しているのは武生駅くらいで、鯖江市内ではJRとやや離れたところを走っている。
鯖江市〜福井市間では、それなりに住み分けているのではないだろうか。 -
こちらは武生新駅に留置されていた普通鉄道サイズの大型車両。
現在は朝夕ラッシュ用らしい。
途中1回だけ大型車両とすれ違ったが、それ以外は全て路面電車タイプだった。 -
以下、前面展望。
武生新駅出発時点で、乗客は数人だけ。
ラッシュのピークは過ぎているとはいえ、急行なのに小型の車両で大丈夫かと思ったが、結局福井まで座席は埋まらなかった。
やはり都市間輸送では安くて速いJRに分があるようだ。
電車は武生の市街地をクネクネと走り、住宅地と農地が混在する典型的な郊外の風景の中を走る。 -
家久駅。
武生新駅から花堂駅までは単線運転。
交換駅のポイントは大きなシェルターで覆われていた。
雪国ならではの光景。
この駅は何故か右側通行になっていた。 -
鯖江の市街地を過ぎると、小さな丘を越える。
短い区間だが、森の中の勾配線路を走る。
ローカル私鉄にしては車窓風景に変化があり、面白い路線だ。 -
鳥羽中駅を過ぎると長い直線区間に入る。
急行なので快調に飛ばすが、車両が悪いのか線路が悪いのか、ひどく揺れる。
乗り心地はお世辞にも良いとは言えない。 -
花堂から先は複線となる。
このあたりから福井の市街地に入るようで、民家の軒先を走る。 -
福井新駅を過ぎるといよいよ路面区間。
かなり広い道路の真ん中を複線線路が走る。
路面電車の走行環境としては、かなり恵まれている方だろう。
しかし、駅は旧態依然とした路面電車駅。
急行なので停車はしなかったが、途中の木田四ツ辻駅・公園口駅は、コンクリートの塊にしか見えない狭〜い安全地帯があるだけ。
これは改善の必要があると思う。 -
路面電車区間は福井新駅と田原町駅を一直線に結ぶ本線部分と、途中の市役所前駅から分岐して福井駅前に至る約500mの支線部分からなる。
路線図的には、カタカナの「ト」の形になっている。
多くの電車は、市役所前駅から支線を一往復して、田原町駅〜武生新駅を結んでいる。
支線に入るポイントは田原町方向にしか向いていないので、福井駅前を経由する電車は市役所前駅でスイッチバックする必要がある。
私の乗った電車は、
(1)市役所前駅田原町方面行ホームに到着
(2)渡り線を通って武生新方面行線路に転線
(3)武生新方面行ホームには停車せず
(4)交差点を左折して福井駅前に向かう
私は福井駅前で下車したが、この後、電車は再び支線を戻って市役所前駅田原町方面行ホームに入り、そのまま田原町駅へ向かう。 -
田原町駅から武生新駅へ向かう電車は逆の動きをする。
(1)田原町から市役所前駅に到着した電車はそのまま交差点を左折
(2)福井駅前から戻って来た電車は一旦田原町方面行ホームに入る
(3)渡り線を通って武生新方面行ホームへ
(4)武生新方面行ホームで乗客を乗せて出発
市役所前〜福井駅前を往復するのに、スイッチバックの手間と福井駅前での停車時間で約10分を要する。
日中20分間隔での運転なので、かなりギリギリ。
そのため、ラッシュ時は福井駅前に入らない電車が多いようだ。
福井鉄道の電車はワンマン運転が基本だが、市役所前〜福井駅前間では、補助的に車掌が乗務していた。
車掌は、
a)市役所前駅田原町方面行ホームで武生からの電車を待つ
b)武生から到着した電車の集札補助
c)電車に乗り込んで福井駅前以遠で降りる乗客の運賃精算
d)福井駅前で集札補助
e)市役所前駅田原町方面行ホームで電車を降りる
d)武生新方面行ホームに移動し田原町からの電車を待つ
e)田原町からの電車の集札補助
e)電車に乗り込んで車内補充券を発売
f)福井駅前で集札補助
g)市役所前駅田原町方面行ホームで電車を降りる
→a)に戻る。
この繰り返しをやっているようだ。
どうせ支線区間には一列車しか入れないので、非常に合理的だと思う。 -
市役所前〜福井駅前は、交差点の手前のごく一部を除いて単線。
単線線路の両側には1車線ずつの車道がある。
道路の両側は百貨店などが並ぶショッピングエリアのようだ。
自動車の通行を制限してトランジットモールにも出来そうで、実際そうした社会実験も行なわれたらしい。
しかし、単線だとこれ以上運転間隔を詰めるのは難しい。
20分間隔は、郊外電車としては優等生だが、路面電車としては頼りない。 -
JR福井駅へは、商店街を200m程歩く。
昔ながらの商店街だが、それなりに人通りは多い。
何故か安い食堂が多かった。
ソースカツ丼が名物のようだ。
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