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東京国際女子マラソンと時を同じくして、グアテマラのアンティグアでもマラソン大会が開かれた。といっても10KMの市民マラソンで参加者も数百人程度と比較にならないほど規模は小さい。アンティグアを離れる最後の記念として僕は参加してみることにした。10KMもの長距離を走るのは初めてのことでまったく鍛えていないので心配だ。しんどくなったらカフェに行ったり、トゥクトクでズルしちゃおうかなぁ。なんて前日まで軽ーーい気持ちで考えていた。<br /><br />  当日、朝8時。そんな中途半端な僕の気持ちが吹き飛んだ。他の参加者はものすごく気合がはいっているのだ。入念なストレッチ。高級そうなスポーツシューズ。顔つきは真剣そのもの。パルケの周りはスポンサーのブースに溢れ、道路も車が通らないようきちんと閉鎖されている。思った以上に大会も本格的。こりゃズルなどできないぞ!<br /><br />  ピストルの音と共にとりあえず飛び出した。アンティグアの街中の石畳はかなり走りにくい。ものの10分で僕は胸が痛み出した。こりゃ最後まで持たないかなぁ。まぁゆっくり走ろうっと。<br /><br />  普段交通量が多い道路を独占できるのはとても気持ちがいい。さらに周りからは「アニモ!(頑張れ)」とか「バモス!バモス!(行け行け)」と熱い声援を送ってくれる。街中からホコテナンゴの田舎のほうに向かっていると、暇なのか多くの家族全員がわざわざ沿道まで出て、声を掛けてくれる。スポンサーブースでスポーツドリンクを受け取ると自分がプロランナーのように思えてきた。頭から水をかぶる。テレビでよく見たシーンを自分が体験する。なんだ、マラソンって気持ちいいやん!<br /><br />  と思えたのは開始30分まで。僕は気がつくと最後尾になっていた。すぐ後ろには救急車が併走してくれている。早歩きのほうが速いだろうと思えるスピード。あまりの遅さに運転手はキレタのか、途中から救急車は僕を追い越してしまった。おいおい、職務放棄だぞ!僕はどうなるんだ!!救急車がいなくなった途端、車やバスが僕のすぐ横をバンバン通り出す。あ、危ない!待ってくれよ〜追いかけようにも、足は言うことを聞かない。なんと道案内の人まで引き上げ始めたようで、途中進路がわからず道に迷う始末。仕方がないので道行く人にマラソンの順路を尋ねる。これはもうマラソンではない、オリエンテーリングだ。<br /><br />  時計をみると既に1時間近く経過。とっくに完走している人もいるだろう。僕の足は限界だ。ヒザはガクガク。靴ヅレでまともに走れない。もはやここまで、トゥクトクに乗ってしまおうか。そのときだ、こんなに遅いのに「サヨナラー」と日本語で応援してくれたちびっ子がいた。ちびっ子の前でズルはできない。もはや歩いたほうが早いと思われる速度だが、僕は足が壊れても完走してみせる。そう思い直し、ちびっ子の前だけとても早いスピードで走り去る。<br /><br />  1時間30分が経過。既にゴール地点では表彰式が行われていた。僕はボロボロになりながら倒れこむようにゴール。どうだ、ちびっ子。僕は約束を守ったよ(何の約束だ?)ゴールと同時に、係の人がゴールを片付け始めた。どうも本当に最後だったようだ。生まれてはじめての10KMマラソン。しんどいながらも、言葉に表現できない気持ちよさ。さて、次はホノルル、ベルリン、北京を目指しますか。うそ、しばらく走るのは休養しますね。<br />

グアテマラのマラソン大会に参加してみる@アンティグア

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2006/11/19 - 2006/11/19

99位(同エリア152件中)

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フーテンの若さん

フーテンの若さんさん

東京国際女子マラソンと時を同じくして、グアテマラのアンティグアでもマラソン大会が開かれた。といっても10KMの市民マラソンで参加者も数百人程度と比較にならないほど規模は小さい。アンティグアを離れる最後の記念として僕は参加してみることにした。10KMもの長距離を走るのは初めてのことでまったく鍛えていないので心配だ。しんどくなったらカフェに行ったり、トゥクトクでズルしちゃおうかなぁ。なんて前日まで軽ーーい気持ちで考えていた。

  当日、朝8時。そんな中途半端な僕の気持ちが吹き飛んだ。他の参加者はものすごく気合がはいっているのだ。入念なストレッチ。高級そうなスポーツシューズ。顔つきは真剣そのもの。パルケの周りはスポンサーのブースに溢れ、道路も車が通らないようきちんと閉鎖されている。思った以上に大会も本格的。こりゃズルなどできないぞ!

  ピストルの音と共にとりあえず飛び出した。アンティグアの街中の石畳はかなり走りにくい。ものの10分で僕は胸が痛み出した。こりゃ最後まで持たないかなぁ。まぁゆっくり走ろうっと。

  普段交通量が多い道路を独占できるのはとても気持ちがいい。さらに周りからは「アニモ!(頑張れ)」とか「バモス!バモス!(行け行け)」と熱い声援を送ってくれる。街中からホコテナンゴの田舎のほうに向かっていると、暇なのか多くの家族全員がわざわざ沿道まで出て、声を掛けてくれる。スポンサーブースでスポーツドリンクを受け取ると自分がプロランナーのように思えてきた。頭から水をかぶる。テレビでよく見たシーンを自分が体験する。なんだ、マラソンって気持ちいいやん!

  と思えたのは開始30分まで。僕は気がつくと最後尾になっていた。すぐ後ろには救急車が併走してくれている。早歩きのほうが速いだろうと思えるスピード。あまりの遅さに運転手はキレタのか、途中から救急車は僕を追い越してしまった。おいおい、職務放棄だぞ!僕はどうなるんだ!!救急車がいなくなった途端、車やバスが僕のすぐ横をバンバン通り出す。あ、危ない!待ってくれよ〜追いかけようにも、足は言うことを聞かない。なんと道案内の人まで引き上げ始めたようで、途中進路がわからず道に迷う始末。仕方がないので道行く人にマラソンの順路を尋ねる。これはもうマラソンではない、オリエンテーリングだ。

  時計をみると既に1時間近く経過。とっくに完走している人もいるだろう。僕の足は限界だ。ヒザはガクガク。靴ヅレでまともに走れない。もはやここまで、トゥクトクに乗ってしまおうか。そのときだ、こんなに遅いのに「サヨナラー」と日本語で応援してくれたちびっ子がいた。ちびっ子の前でズルはできない。もはや歩いたほうが早いと思われる速度だが、僕は足が壊れても完走してみせる。そう思い直し、ちびっ子の前だけとても早いスピードで走り去る。

  1時間30分が経過。既にゴール地点では表彰式が行われていた。僕はボロボロになりながら倒れこむようにゴール。どうだ、ちびっ子。僕は約束を守ったよ(何の約束だ?)ゴールと同時に、係の人がゴールを片付け始めた。どうも本当に最後だったようだ。生まれてはじめての10KMマラソン。しんどいながらも、言葉に表現できない気持ちよさ。さて、次はホノルル、ベルリン、北京を目指しますか。うそ、しばらく走るのは休養しますね。

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