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アングルジー島の先にホーリー島という小さな島がある。もっとも全部つながっているから、電車に乗っていればそのまま行けてしまう。そこにホーリーヘッドがあり、そこからダブリン行きの船が出ている。軽い気持ちで「ダブリンまで行ってみようか」ということで、バンゴールから電車でホーリーヘッドまで行った。<br />ダブリンの地図はまったく頭に入っていない。要するにそこから船が出ているから乗ってしまった、ということである。といっても、ダブリン行きではなく、ダン・レアリ行きに乗ったのである。<br /><br />実を言うと、ダブリン行きの船が出てしまった後だったので、<br />DUN LAOGHAIREという地名も読めずに、チケットを買ったのである。予備知識も、ガイドブックもない。頼みはトーマス・クックだけ。<br /><br />大きな船だった。どのくらい時間がかかるのかも知らない。<br />ベルギーのオステンドからイギリスのラムズゲイトまで船に乗ったことがあるから、そんなに時間がかかるとは思わなかったが、ワインを一本買ってきて飲み始めると、先方に陸地が見え始めた。「マン島かね」なんていっているとそこがもうアイルランドだったのだ。<br /><br />地図で見ると、ダン・レアリとダブリンはさほど離れていない。電車も走っているようだ。船を下りて、入国審査もなかったように思うが、とにかく駅を探して歩き出す。<br /><br />ところが駅をやり過ごして、街中に入ってしまった。<br />「ダブリンはどう行くの?」と聞くと、人々は不思議そうに「センターか?」と聞き返す。もしかしてダン・レアリはダブリンの一部かもと思い、「センターはどういくの?」と聞くと、バスに乗れと言う。バスに乗って、大分かかったが、センターに着いた。なるほど大きなビルが乱立している。<br /><br />さて、どっちへ行ったものか?とにかく、ホテルを見つけなくては。通る人に「ホテルは?」と聞くと、港の方を教えてくれた。<br />そこでほとんど人通りのない川沿いの道をダブリン港の方へ歩いていく。<br /><br />そこで先ず出会ったのが、FAMINE(飢饉)の群像だった。強烈な印象を受けた。近くにホテルがあった。荷物をおくや、カメラを持ってFAMINEの像を撮りに戻った。<br /><br />ホテルでガイドマップを貰い、市の中心街に歩いていく。<br />反対側に歩けば、ホテルはいっぱいあったのだった。<br />ジェームス・ジョイスの記念館を探した。聞くと人々が親切に教えてくれるのだが、みんなまちまちなことを言って、結局わからなかった。<br /><br />そこを出て、大通りを歩き始めると、門と柵のある公園のようなところに目がいった。中に入ると、十字架をかたちどった池があり、正面に国旗と大きなレリーフ、永遠の炎、そして左に英語とフランス語で書かれた「WE SAW A VISION.」の詩のプレートがはめ込んであった。この「WE SAW A VISION.」の詩に感動して、何回も声をあげて読み、写真に撮った。<br /><br />WE SAW A VISION. <br /><br />In the darkness of despair we saw a vision.<br />We lit the light of hope and it was not extinguished.<br />In the desert of discouragement we saw a vision.<br />We planted the tree of valour and it blossomed. <br /><br />In the winter of bondage we saw a vision. <br />We melted the snow of lethargy and <br />the river of resurrection flowed from it. <br /><br />We sent our vision aswim like a swan on the river. <br />The vision became a reality. Winter became summer. <br />Bondage became freedom and this we left to you <br />as our inheritance. <br /><br />O generations of freedom remember us.<br />The generations of the vision.<br /><br />(プレートは全部大文字で書かれているが読みにくいので小文字に代えた。)<br /><br />このメモリアルパークはガイドマップには載っていない。ガイドブックにも紹介されていない。まさに出会いだ。出会いとは不思議なもので、全然知らない土地で、FAMINEの群像といい、このパークといい、何か見えない力が私を呼んだとしか思えない。<br /><br />トーマスクックで見ると、ロスケアからウェールズのフィッシュフィールドまで船が出ている。そこからカーディフに寄ってロンドンに行こうということになった。<br />ところが駅に行くとロスケア行きの電車は出てしまった後だった。次は午後までない。<br /><br />ダブリン港からホーリーヘッドに帰ろうと港に行くと、船はそこにいたが、フルだからとのせてくれない。じゃぁ、ダンレアリに行けば船があるかもよ、とダンレアリに行ったが、ここもダメ。おんやまぁ、ダブリンにもう1泊しようか。いや、飛行機って手もあるよ。で、飛行場へタクシーを飛ばした。ヒースロー行きはフルだけど、スタンテッドならある。そこでスタンテッドまでを買った。緑の胴体にシャムロックを描いたアイルランド航空である。<br /><br />詩といえば、そのとき乗った電車の中にも詩が掲示されていた。車両ごと違った詩が貼ってあった。きれいな詩もあった。これはいい、と思ったものだった。<br /><br />後日、またアイルランドを訪問する機会に恵まれた。アイルランドがすっかり気に入ってしまったのはいうまでもない。<br /><br />

ダブリン

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1997/05 - 1997/06

607位(同エリア686件中)

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buchijoyce

buchijoyceさん

アングルジー島の先にホーリー島という小さな島がある。もっとも全部つながっているから、電車に乗っていればそのまま行けてしまう。そこにホーリーヘッドがあり、そこからダブリン行きの船が出ている。軽い気持ちで「ダブリンまで行ってみようか」ということで、バンゴールから電車でホーリーヘッドまで行った。
ダブリンの地図はまったく頭に入っていない。要するにそこから船が出ているから乗ってしまった、ということである。といっても、ダブリン行きではなく、ダン・レアリ行きに乗ったのである。

実を言うと、ダブリン行きの船が出てしまった後だったので、
DUN LAOGHAIREという地名も読めずに、チケットを買ったのである。予備知識も、ガイドブックもない。頼みはトーマス・クックだけ。

大きな船だった。どのくらい時間がかかるのかも知らない。
ベルギーのオステンドからイギリスのラムズゲイトまで船に乗ったことがあるから、そんなに時間がかかるとは思わなかったが、ワインを一本買ってきて飲み始めると、先方に陸地が見え始めた。「マン島かね」なんていっているとそこがもうアイルランドだったのだ。

地図で見ると、ダン・レアリとダブリンはさほど離れていない。電車も走っているようだ。船を下りて、入国審査もなかったように思うが、とにかく駅を探して歩き出す。

ところが駅をやり過ごして、街中に入ってしまった。
「ダブリンはどう行くの?」と聞くと、人々は不思議そうに「センターか?」と聞き返す。もしかしてダン・レアリはダブリンの一部かもと思い、「センターはどういくの?」と聞くと、バスに乗れと言う。バスに乗って、大分かかったが、センターに着いた。なるほど大きなビルが乱立している。

さて、どっちへ行ったものか?とにかく、ホテルを見つけなくては。通る人に「ホテルは?」と聞くと、港の方を教えてくれた。
そこでほとんど人通りのない川沿いの道をダブリン港の方へ歩いていく。

そこで先ず出会ったのが、FAMINE(飢饉)の群像だった。強烈な印象を受けた。近くにホテルがあった。荷物をおくや、カメラを持ってFAMINEの像を撮りに戻った。

ホテルでガイドマップを貰い、市の中心街に歩いていく。
反対側に歩けば、ホテルはいっぱいあったのだった。
ジェームス・ジョイスの記念館を探した。聞くと人々が親切に教えてくれるのだが、みんなまちまちなことを言って、結局わからなかった。

そこを出て、大通りを歩き始めると、門と柵のある公園のようなところに目がいった。中に入ると、十字架をかたちどった池があり、正面に国旗と大きなレリーフ、永遠の炎、そして左に英語とフランス語で書かれた「WE SAW A VISION.」の詩のプレートがはめ込んであった。この「WE SAW A VISION.」の詩に感動して、何回も声をあげて読み、写真に撮った。

WE SAW A VISION.

In the darkness of despair we saw a vision.
We lit the light of hope and it was not extinguished.
In the desert of discouragement we saw a vision.
We planted the tree of valour and it blossomed.

In the winter of bondage we saw a vision.
We melted the snow of lethargy and
the river of resurrection flowed from it.

We sent our vision aswim like a swan on the river.
The vision became a reality. Winter became summer.
Bondage became freedom and this we left to you
as our inheritance.

O generations of freedom remember us.
The generations of the vision.

(プレートは全部大文字で書かれているが読みにくいので小文字に代えた。)

このメモリアルパークはガイドマップには載っていない。ガイドブックにも紹介されていない。まさに出会いだ。出会いとは不思議なもので、全然知らない土地で、FAMINEの群像といい、このパークといい、何か見えない力が私を呼んだとしか思えない。

トーマスクックで見ると、ロスケアからウェールズのフィッシュフィールドまで船が出ている。そこからカーディフに寄ってロンドンに行こうということになった。
ところが駅に行くとロスケア行きの電車は出てしまった後だった。次は午後までない。

ダブリン港からホーリーヘッドに帰ろうと港に行くと、船はそこにいたが、フルだからとのせてくれない。じゃぁ、ダンレアリに行けば船があるかもよ、とダンレアリに行ったが、ここもダメ。おんやまぁ、ダブリンにもう1泊しようか。いや、飛行機って手もあるよ。で、飛行場へタクシーを飛ばした。ヒースロー行きはフルだけど、スタンテッドならある。そこでスタンテッドまでを買った。緑の胴体にシャムロックを描いたアイルランド航空である。

詩といえば、そのとき乗った電車の中にも詩が掲示されていた。車両ごと違った詩が貼ってあった。きれいな詩もあった。これはいい、と思ったものだった。

後日、またアイルランドを訪問する機会に恵まれた。アイルランドがすっかり気に入ってしまったのはいうまでもない。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
  • Famineの群像

    Famineの群像

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