チトワン国立公園周辺旅行記(ブログ) 一覧に戻る
8日目<br /><br /> 夜明け前、人の足音で目が覚めた。スタッフが活動を開始したらしい。ほどなく6時。スタッフが各戸を「Good morning」とノックしてまわる。6時半、Tea(クッキーもある)のサービスがあり、朝食までの間、エレファント・サファリ、バード・ウォッチングなどをたのしむことになっている。私はエレファント・サファリに出かける。<br /> <br /> ゲートの木造のブリッジは象に乗るために高く出来ていたのだ。先頭の象に乗る。この象が中心となってジャングルに分け入り、野生動物を探す。私はどうしても野鳥に目が行ってしまうが、スタッフは動物の足跡を見ながらサイの行方を追跡している。シカ、サル、イノシシ、そして最大のメインはサイ。カップルのサイを見た。側によると象を威嚇する。運がよければトラもヒョウも見られるそうだが、この時期は会えるチャンスはさらに少ない。<br /><br /> 動物園と違って、この広いジャングルの中で、野生動物はどこにいるかわからない。それでも会えると言うことは、生息数がかなりいるということだろうか。サファリはスリランカでも経験しているが、あそこでも野性象の群れに会った。<br /><br /> 食事をして9時から象のレクチャーがある。象使いの所に行って、スタッフからインド象とアフリカ象の違いを教わる。私はよく知っている。その後、志願者に象の耳を持って鼻から背中に上らせ一回りさせる。座らせた象に乗せもする。まぁお遊びなようなもんだ。積極的な日本人オバサンたちは、私以外みなチャレンジする。<br /> そして、その象と一緒に川まで出かけ、水浴びの見学。良い散歩だ。ただし河原は暑い。<br />とはいえ、帰りはちゃんとジープが迎えに来ている。<br /><br /> 13時からランチ。<br />16時からはカヌーで川下り。インド人の新婚カップルが団体で新婚旅行に来ているのだが、新夫があぶれて私の前に座るので新婦が大騒ぎ。私は来なくていい、と手を振るのだが席はここしかない。新婦の歳は16歳だそうだ。まだガキ、うるさいことこの上ない。泳いでおいで、というとラプティ川にはクロコダイルがいる、と叫ぶ。昨日のスライドではワニがいる説明をしていたが、こんな水深の浅いところにはいなかろう。<br /> <br /> 大きな鳥を見た。訊くとイーグルだという。ヘビ食い鷲だそうだ。カヌー下りは気持ちはいいし、スリルもあってたのしい。15分ぐらい下り、その後、ジープでジャングルに入ってサファリ。大した動物にはお目にかからなかった。<br />私があの木はなんだ、チークではないか。あれはブルブル(ヒヨドリ)だ。あれはパロットの仲間ではないかとやたらと訊くのでスタッフはいそがしい。<br /><br /> 今夜のアトラクションはタルー族のダンス。ここはタライ平原といって、かってはマラリヤの住処だった。タルー族は追われてこのマラリヤの生息地に平安を求めてやってきた人々。<br />独特の文化を持った人々だ。今はここにはマラリヤはいない。NGOもかなりこのタライ平原に入っているので、タルーの人々については情報を持っている。<br /><br /> ダンスが始まる前、椅子に座っていると、NさんとEさんが日本語を覚えたいという青年を連れてきた。ガネシュという。「象の神様だね」「私は人間の神様です」「そうね。象の姿をした人間の神様ね」<br />青年はかなり上手に日本語を話す。「質問して」と言うので、<br />「あなたはなぜ日本語を勉強するのですか」<br />「日本の文化に興味があるからです」<br />「日本のどんな文化に興味があるのですか」<br />「私は歴史を学びましたから、歴史に興味があります」<br />「どの時代の歴史に興味があるのですか」<br />「米軍基地のあるところです」<br />「沖縄ですね。沖縄は以前は琉球と言って貿易で栄えた豊かな国でした。1609年<br />島津藩に併合されてから沖縄は疲弊していくのです」<br />「はい、知っています」<br />「第二次世界大戦では、沖縄は日本で唯一、地上戦が行われた所です。そしていまも<br />日本の基地の75%が沖縄にあります。次に基地の多いのは私たちの住む神奈川県です」<br />日本人たちから声があがる。<br />「日本人だってそんなこと知らないよ」<br />「知らない日本人がアホなの。日本語を勉強したいのなら、単に日常会話だけでなく、小説を読んだり、政治や経済も興味を持って読んでご覧なさい。日常会話だけなら、今のままで十分ですよ」そして日本人に「日本語を教えることは日本を紹介することです。責任を持って、日本を正しく紹介してください」<br /> 27歳だというガネシュ君には、しばらく日本の文化論を講義することになる。オバサンたちに聞かせるのにもいいチャンスだ。<br /><br /> さて、頭痛や息切れからは解放されたが、薬の飲み過ぎで胃をやられてしまったらしく、<br />唇の回りにいくつも出来物が出来てしまい、痛痒い。これはとうとう日本に帰るまで治らなかった。<br /><br /> タルーのダンスが始まった。太鼓が響く。勇壮な棒踊りである。タルーの人々も現金収入のためにこういうダンスを披露しているのだろうか。<br /> 私はカクテルを飲みながら見物している。他の仲間はビール。<br />最後は観客を交えてのダンスだ。先ず飛び出したのがNさん。前に座っていたドイツ人達も引っぱり出した。スタッフのトレイシーも踊り出した。私もダンスに加わった。<br />一回りすると、きつい。へたばってしまう。それでも入れ替わり立ち替わり、みんな踊りの列に加わる。<br /><br /> ダンスの後は食事。スタッフも一緒になって、食べながら会話をつづける。今夜のメインは<br />イノシシの肉。これが美味しい。ここのオーナーはスタッフが客のだれもの話し相手になるように指導しているようだ。だから食事も客と同じ物を、同じ食卓で食べる。<br /> たまたま来ていたオーナーにも紹介された。<br />ネパール人のオーナーはカトマンドゥで手広く事業をしているのだそうだ。<br /> スタッフが何名だか聞いたのだが、忘れてしまった。オーストラリア人のトレイシー以外は全部男性。全員住み込み。彼らの月収は50ドル。独身者にはまあまあだが、単身赴任の所帯持ちには、きびしいという。本来ならダサインの祭りで家に帰りたいところだが、シーズンなので帰れない、と家族持ちはぼやいていた。<br /> 帰ってから和美さんに聞くと、月収50ドルはいい方だそうだ。<br /><br /> ダンスが縁でドイツ人観光客ともすっかり仲良くなってしまった。彼らはガイドを連れて、明日からはインド、ヴァラナシ(ベナレス)へ行くのだという。「カルチャーショックをうけるだろうね」とインドを放浪したことがあるHさんが言う。「Gute Nacht.」<br />蛍が何匹も光の尾をひきながら飛んでいる。時期には蛍でクリスマスツリーのように木が輝くそうだ。<br /><br /> 私とHさんは明朝のバードウォチングがあるからと引き上げる。NさんとEさんは残って<br />スタッフたちとビールを飲みながら盛り上がっていた。<br /><br />

チベット・ネパール9

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2000/10/01 - 1999/10/12

62位(同エリア63件中)

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buchijoyce

buchijoyceさん

8日目

 夜明け前、人の足音で目が覚めた。スタッフが活動を開始したらしい。ほどなく6時。スタッフが各戸を「Good morning」とノックしてまわる。6時半、Tea(クッキーもある)のサービスがあり、朝食までの間、エレファント・サファリ、バード・ウォッチングなどをたのしむことになっている。私はエレファント・サファリに出かける。
 
 ゲートの木造のブリッジは象に乗るために高く出来ていたのだ。先頭の象に乗る。この象が中心となってジャングルに分け入り、野生動物を探す。私はどうしても野鳥に目が行ってしまうが、スタッフは動物の足跡を見ながらサイの行方を追跡している。シカ、サル、イノシシ、そして最大のメインはサイ。カップルのサイを見た。側によると象を威嚇する。運がよければトラもヒョウも見られるそうだが、この時期は会えるチャンスはさらに少ない。

 動物園と違って、この広いジャングルの中で、野生動物はどこにいるかわからない。それでも会えると言うことは、生息数がかなりいるということだろうか。サファリはスリランカでも経験しているが、あそこでも野性象の群れに会った。

 食事をして9時から象のレクチャーがある。象使いの所に行って、スタッフからインド象とアフリカ象の違いを教わる。私はよく知っている。その後、志願者に象の耳を持って鼻から背中に上らせ一回りさせる。座らせた象に乗せもする。まぁお遊びなようなもんだ。積極的な日本人オバサンたちは、私以外みなチャレンジする。
 そして、その象と一緒に川まで出かけ、水浴びの見学。良い散歩だ。ただし河原は暑い。
とはいえ、帰りはちゃんとジープが迎えに来ている。

 13時からランチ。
16時からはカヌーで川下り。インド人の新婚カップルが団体で新婚旅行に来ているのだが、新夫があぶれて私の前に座るので新婦が大騒ぎ。私は来なくていい、と手を振るのだが席はここしかない。新婦の歳は16歳だそうだ。まだガキ、うるさいことこの上ない。泳いでおいで、というとラプティ川にはクロコダイルがいる、と叫ぶ。昨日のスライドではワニがいる説明をしていたが、こんな水深の浅いところにはいなかろう。
 
 大きな鳥を見た。訊くとイーグルだという。ヘビ食い鷲だそうだ。カヌー下りは気持ちはいいし、スリルもあってたのしい。15分ぐらい下り、その後、ジープでジャングルに入ってサファリ。大した動物にはお目にかからなかった。
私があの木はなんだ、チークではないか。あれはブルブル(ヒヨドリ)だ。あれはパロットの仲間ではないかとやたらと訊くのでスタッフはいそがしい。

 今夜のアトラクションはタルー族のダンス。ここはタライ平原といって、かってはマラリヤの住処だった。タルー族は追われてこのマラリヤの生息地に平安を求めてやってきた人々。
独特の文化を持った人々だ。今はここにはマラリヤはいない。NGOもかなりこのタライ平原に入っているので、タルーの人々については情報を持っている。

 ダンスが始まる前、椅子に座っていると、NさんとEさんが日本語を覚えたいという青年を連れてきた。ガネシュという。「象の神様だね」「私は人間の神様です」「そうね。象の姿をした人間の神様ね」
青年はかなり上手に日本語を話す。「質問して」と言うので、
「あなたはなぜ日本語を勉強するのですか」
「日本の文化に興味があるからです」
「日本のどんな文化に興味があるのですか」
「私は歴史を学びましたから、歴史に興味があります」
「どの時代の歴史に興味があるのですか」
「米軍基地のあるところです」
「沖縄ですね。沖縄は以前は琉球と言って貿易で栄えた豊かな国でした。1609年
島津藩に併合されてから沖縄は疲弊していくのです」
「はい、知っています」
「第二次世界大戦では、沖縄は日本で唯一、地上戦が行われた所です。そしていまも
日本の基地の75%が沖縄にあります。次に基地の多いのは私たちの住む神奈川県です」
日本人たちから声があがる。
「日本人だってそんなこと知らないよ」
「知らない日本人がアホなの。日本語を勉強したいのなら、単に日常会話だけでなく、小説を読んだり、政治や経済も興味を持って読んでご覧なさい。日常会話だけなら、今のままで十分ですよ」そして日本人に「日本語を教えることは日本を紹介することです。責任を持って、日本を正しく紹介してください」
 27歳だというガネシュ君には、しばらく日本の文化論を講義することになる。オバサンたちに聞かせるのにもいいチャンスだ。

 さて、頭痛や息切れからは解放されたが、薬の飲み過ぎで胃をやられてしまったらしく、
唇の回りにいくつも出来物が出来てしまい、痛痒い。これはとうとう日本に帰るまで治らなかった。

 タルーのダンスが始まった。太鼓が響く。勇壮な棒踊りである。タルーの人々も現金収入のためにこういうダンスを披露しているのだろうか。
 私はカクテルを飲みながら見物している。他の仲間はビール。
最後は観客を交えてのダンスだ。先ず飛び出したのがNさん。前に座っていたドイツ人達も引っぱり出した。スタッフのトレイシーも踊り出した。私もダンスに加わった。
一回りすると、きつい。へたばってしまう。それでも入れ替わり立ち替わり、みんな踊りの列に加わる。

 ダンスの後は食事。スタッフも一緒になって、食べながら会話をつづける。今夜のメインは
イノシシの肉。これが美味しい。ここのオーナーはスタッフが客のだれもの話し相手になるように指導しているようだ。だから食事も客と同じ物を、同じ食卓で食べる。
 たまたま来ていたオーナーにも紹介された。
ネパール人のオーナーはカトマンドゥで手広く事業をしているのだそうだ。
 スタッフが何名だか聞いたのだが、忘れてしまった。オーストラリア人のトレイシー以外は全部男性。全員住み込み。彼らの月収は50ドル。独身者にはまあまあだが、単身赴任の所帯持ちには、きびしいという。本来ならダサインの祭りで家に帰りたいところだが、シーズンなので帰れない、と家族持ちはぼやいていた。
 帰ってから和美さんに聞くと、月収50ドルはいい方だそうだ。

 ダンスが縁でドイツ人観光客ともすっかり仲良くなってしまった。彼らはガイドを連れて、明日からはインド、ヴァラナシ(ベナレス)へ行くのだという。「カルチャーショックをうけるだろうね」とインドを放浪したことがあるHさんが言う。「Gute Nacht.」
蛍が何匹も光の尾をひきながら飛んでいる。時期には蛍でクリスマスツリーのように木が輝くそうだ。

 私とHさんは明朝のバードウォチングがあるからと引き上げる。NさんとEさんは残って
スタッフたちとビールを飲みながら盛り上がっていた。

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