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「…終わったね。」「長かったね。」「疲れたね。」「そうだね。」<br /><br />しばらくベンチに腰掛けていたが、ようやく立ち上がり、道路に降りる階段へ行く。階段を降りようとして、膝が笑っていることに気づく。そうか登山道途中では階段はなかったもんなあ。こんなに足が疲れていたのか。<br /><br />車の近くで待っていると、ようやく車の持ち主が帰ってきた。暑くなっていたので登山靴やら靴下やら長袖の上着やらを脱ぎ、5合目山小屋のトイレに行って、ようやく人心地つく。その後携帯電話が通じる状態になっていたため、実家やあちこちに無事下山の報告をする。<br /><br />そして、5合目山小屋でお土産を見る。疲労のためか思考能力が低下しているので、とりあえず味とか考えずに職場のお土産を買う。富士山に行ってきたという証拠のようなものだ。それから車に帰り、リュックを開けて、荷物の仕分けをする。特に私は帰るときにリュックを宅配便で送るので、必要なものは取り分けておかなければならない。<br /><br />そうこうしているうちに、一人でお鉢巡りをしていた友人が帰ってきた。比較的元気で、彼女のパワーの違いを改めて思い知った。もっともいいロケーションで御来光を拝み、ちゃんと3776mのホントの最高峰にも行き、郵便局で葉書も出してきたらしい。ほぼ完璧に頂上を極めた彼女に感服した。<br /><br />さて、いよいよ富士山ともお別れである。車で富士山を下りてすぐの街にある温泉に行く案も検討されたが、やはりこのまま一気に宿泊予定地の修善寺温泉に行くことにする。<br /><br />車に乗り込んで、山道を走り出して程なく、私は車に酔った。昔はしょっちゅう車酔いしていたのだが、最近では強くなっていたので、かなり久しぶりの現象だった。やはり気圧差と疲労が原因だったのだろう。車酔いを乗り越えるには、車を運転すればいいので、無理を言って友人の車を、山道が終わるまで運転させてもらった。それで症状は改善した。<br /><br />その後の途中でわさびソフトクリームの有名なドライブインに寄ったりしながら、我々の車は修善寺へと向かった。空腹に耐えられず、適当な和風レストランで食事を摂ってからは、文字通り眠気との戦いになった。運転手の友人もかなり眠いのに、我々が寝るわけに行かない。必死に目を見開き、途切れる会話をようやく繋ぎつつ、車はどうにか無事ホテルにたどり着いた。後から考えれば、実はこの時間帯が我々の今回の富士登山中もっとも命の危険性が高かったような気がする(笑)。やっとこさ着いたホテルは、アジアンテイスト癒しの温泉宿らしかった。本当に長い旅路だった。<br /><br />くたくたよれよれの状態で、我々はホテルに転がり込んだ。とりあえずお風呂だ。体を洗って温泉に浸からなければ。疲れより何より、なんだか汗と埃で人間外生物になっている気がする。大浴場に行き、どろどろの体を洗って湯船に浸かる。中途半端な時間帯に温泉に入ったので、大浴場には誰もいなくて我々の貸し切り状態であった。うーん、極楽極楽。<br /><br />その後無理言って、宿の人に夕方の4時から布団を敷いてもらい、みんなでしばし仮眠する。眠くて眠くて限界だったのだ。<br /><br />2時間程ぐっすり寝たらみんな自然に目が覚めて、いよいよお食事。食堂に行き、創作和食のオシャレな料理をみんなで食べる。酒豪が多いのでビールを飲む。ワインなんかも飲んじゃう。話題もあって座も弾む。<br /><br />十分食事を楽しんだ後部屋に引き上げて、今度はマッサージの人を呼んで揉んでもらう。ほとんどおっさんのノリである。そして全員で爆睡して、朝。<br /><br />足が痛い。いや、足だけじゃなく腰も肩も痛い。階段を降りるときに体がきしむ気がする。みんなロボットのように歩く。痛い痛いといいながら朝風呂に入り、食堂に行って朝ご飯を食べる。みんなきっちり食べる。おかわりをする友達もいる。おいしくて豪勢な朝ご飯は旅行の楽しみの一つだ。<br /><br />その後お土産物屋をひやかしたりしているうちに、修善寺の観光マップを見つける。4人中3人の目が集中したのは、近くにあるらしいワイナリー。<br /><br />まだ飲むか。というか、もう飲むのか。飲むんである。早速車に乗り込んで、ワイナリーで試飲会。おいしいワインを買い込んで満足満足である。<br /><br />さて、遠くに住む私は、飛行機の時間が気になる。登山用具はホテルから宅配しちゃたから、身軽な状態で最寄りの駅に降ろしてもらう。ほんでもって何事もなく無事帰還となった。よかったよかった。<br /><br />いやー、面白い経験だった。なんだかもう遠い昔のような気がするけど。総まとめで感想を言わせてもらえば、<br /><br />「富士山に、一度も登らぬバカ、二度登るバカ」<br /><br />という言葉に集約されている気がする。確かにいい経験だったけど、一回でいいや。<br />これにて、富士登山記終了。

富士登山記 その12

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2004/08 - 2004/08

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Domi

Domiさん

「…終わったね。」「長かったね。」「疲れたね。」「そうだね。」

しばらくベンチに腰掛けていたが、ようやく立ち上がり、道路に降りる階段へ行く。階段を降りようとして、膝が笑っていることに気づく。そうか登山道途中では階段はなかったもんなあ。こんなに足が疲れていたのか。

車の近くで待っていると、ようやく車の持ち主が帰ってきた。暑くなっていたので登山靴やら靴下やら長袖の上着やらを脱ぎ、5合目山小屋のトイレに行って、ようやく人心地つく。その後携帯電話が通じる状態になっていたため、実家やあちこちに無事下山の報告をする。

そして、5合目山小屋でお土産を見る。疲労のためか思考能力が低下しているので、とりあえず味とか考えずに職場のお土産を買う。富士山に行ってきたという証拠のようなものだ。それから車に帰り、リュックを開けて、荷物の仕分けをする。特に私は帰るときにリュックを宅配便で送るので、必要なものは取り分けておかなければならない。

そうこうしているうちに、一人でお鉢巡りをしていた友人が帰ってきた。比較的元気で、彼女のパワーの違いを改めて思い知った。もっともいいロケーションで御来光を拝み、ちゃんと3776mのホントの最高峰にも行き、郵便局で葉書も出してきたらしい。ほぼ完璧に頂上を極めた彼女に感服した。

さて、いよいよ富士山ともお別れである。車で富士山を下りてすぐの街にある温泉に行く案も検討されたが、やはりこのまま一気に宿泊予定地の修善寺温泉に行くことにする。

車に乗り込んで、山道を走り出して程なく、私は車に酔った。昔はしょっちゅう車酔いしていたのだが、最近では強くなっていたので、かなり久しぶりの現象だった。やはり気圧差と疲労が原因だったのだろう。車酔いを乗り越えるには、車を運転すればいいので、無理を言って友人の車を、山道が終わるまで運転させてもらった。それで症状は改善した。

その後の途中でわさびソフトクリームの有名なドライブインに寄ったりしながら、我々の車は修善寺へと向かった。空腹に耐えられず、適当な和風レストランで食事を摂ってからは、文字通り眠気との戦いになった。運転手の友人もかなり眠いのに、我々が寝るわけに行かない。必死に目を見開き、途切れる会話をようやく繋ぎつつ、車はどうにか無事ホテルにたどり着いた。後から考えれば、実はこの時間帯が我々の今回の富士登山中もっとも命の危険性が高かったような気がする(笑)。やっとこさ着いたホテルは、アジアンテイスト癒しの温泉宿らしかった。本当に長い旅路だった。

くたくたよれよれの状態で、我々はホテルに転がり込んだ。とりあえずお風呂だ。体を洗って温泉に浸からなければ。疲れより何より、なんだか汗と埃で人間外生物になっている気がする。大浴場に行き、どろどろの体を洗って湯船に浸かる。中途半端な時間帯に温泉に入ったので、大浴場には誰もいなくて我々の貸し切り状態であった。うーん、極楽極楽。

その後無理言って、宿の人に夕方の4時から布団を敷いてもらい、みんなでしばし仮眠する。眠くて眠くて限界だったのだ。

2時間程ぐっすり寝たらみんな自然に目が覚めて、いよいよお食事。食堂に行き、創作和食のオシャレな料理をみんなで食べる。酒豪が多いのでビールを飲む。ワインなんかも飲んじゃう。話題もあって座も弾む。

十分食事を楽しんだ後部屋に引き上げて、今度はマッサージの人を呼んで揉んでもらう。ほとんどおっさんのノリである。そして全員で爆睡して、朝。

足が痛い。いや、足だけじゃなく腰も肩も痛い。階段を降りるときに体がきしむ気がする。みんなロボットのように歩く。痛い痛いといいながら朝風呂に入り、食堂に行って朝ご飯を食べる。みんなきっちり食べる。おかわりをする友達もいる。おいしくて豪勢な朝ご飯は旅行の楽しみの一つだ。

その後お土産物屋をひやかしたりしているうちに、修善寺の観光マップを見つける。4人中3人の目が集中したのは、近くにあるらしいワイナリー。

まだ飲むか。というか、もう飲むのか。飲むんである。早速車に乗り込んで、ワイナリーで試飲会。おいしいワインを買い込んで満足満足である。

さて、遠くに住む私は、飛行機の時間が気になる。登山用具はホテルから宅配しちゃたから、身軽な状態で最寄りの駅に降ろしてもらう。ほんでもって何事もなく無事帰還となった。よかったよかった。

いやー、面白い経験だった。なんだかもう遠い昔のような気がするけど。総まとめで感想を言わせてもらえば、

「富士山に、一度も登らぬバカ、二度登るバカ」

という言葉に集約されている気がする。確かにいい経験だったけど、一回でいいや。
これにて、富士登山記終了。

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