2005/03/28 - 2005/04/01
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okusanさん
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バスでルクソールからアスワンに入った。旅行も後半に差し掛かり、お昼ごろ着いたが中だるみでしんどい。その日はそのまま休息をとることにした。
夕方になって、ガイドブックにあったABEERといいうコフタ屋に行ってみることにした。食べていると、少し離れた席に座っていたエジプト人の子供が2人、よちよちと遊びに来た。茶色いクルクル巻き毛にクリクリおめめで、天使のようにかわいい。2歳になったばかりくらいかしら。たか坊に興味があるようで、片言で何か言いながら、はしゃぎまわっている。
たか坊は心臓がドキドキして固まってしまったので、じゃあ、写真を見せてあげたら?と提案してみた。たか坊は小さな2人に、デジタルカメラの画面を見せ、写真を見せてあげた。天使達は、川を指差して「バッハ」、自動車を指差して「アッカ」という。ふーん、そうなのか、と思ったら、船を指差しても「アッカ」という。ほうほう、乗り物、と言う意味なのか。おくさんのアラビア語は2歳児レベルで丁度フェーズが合っている。このかわいい天使は優秀なアラビア語教師だ。
「ねえ、この子達写真見て喜んでるよ。」
自分の好意が受け止められて、たか坊もちょっとうれしそうだ。一生懸命日本語でこういう事があった、これは何だ、あれはどうだと説明してやっている。もちろん相手がたとえ日本人であっても、2歳児と会話が成立することはあるまい。彼らは心の会話を、それぞれ別言語でしているのだ。
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先生!よそ見しないで下さい。
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白熱の講義。せっかく教わったアラビア語はきれいさっぱりおくさんの脳みそから消えてしまいました。
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おくさんお得意のかざぐるまを作ってあげようとした。たか坊はおチビちゃんたちになにかしてあげたいと思っていたのか、なんとか作るのを手伝おうとした。精一杯の好意なのだろう。
おチビちゃんの両親がそろそろ帰ろうと、子供達を迎えに来た。子供達の両親は、涼やかで聡明な顔立ちで、おくさん一行のテーブルの前に立ち、アラビア訛の英語で、お別れのあいさつをした。おくさんはお待たせするのは申し訳ないと思ったけど、どうしてもかざぐるまをあげたかったから、待ってくれるようお願いした。
「さあ、どうぞ。」
急ごしらえで少しいびつになったかざあぐるまをおチビちゃんに渡した。すると、おチビちゃんのパパが、かばんから何か取り出して、お礼だと言っておくさんにくれようとする。フルーカの錨をかたどったキーホルダーだった。
「そんなものもらえません。お待たせしたし、つまらないプレゼントだから。」
「いいえ、今日はあなたたちのおかげですてきな時間が過ごせました。あなたがしてくださったことは、これを受け取るだけの価値があるのです。」
このキーホルダーはおくさんのバッグにいつも下がっている。このキーホルダーを見るたびに、アスワンの美しい親子とこの言葉を思い出し、胸が熱くなるのだ。
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