中国・シルクロードの旅【２】　三蔵法師も通った灼熱の地　トルファン

2001/07/19 - 2001/07/24

トルファンはシルクロードの天山南路、北路を連絡する要衝として栄え、現在も鉄道の分岐点で人口約３０万人を擁する街だ。夏期は酷暑が続き「火州」と呼ばれる。
５−７世紀には漢族の移民により高昌国が建設され繁栄を極めた。その時代に築かれた高昌故城には６２８年にインドに向かう玄奘三蔵も立ち寄って講義をしている。交河故城は紀元前２世紀、前漢時代の車師前国の首都として栄えた時代に建造されたと言われ、玄奘三蔵一行もここで一泊したそうだ。
仏教は新疆のウイグル族の間で１世紀から１５世紀まで信仰され、多くの壁画や仏像が造られた石窟寺・ベゼクリク千仏洞も仏教が繁栄した時代に築かれている。１５世紀以降ウイグル族がイスラム教徒に改宗後は壁画、仏像がかなり破壊されたがそれでも比較的状態が良い洞窟が５５０もある。
「西遊記」の中で孫悟空が芭蕉扇で火を鎮めたという「火焔山」はウイグル語で「赤い山」と呼ばれる。赤い砂岩の山肌は炎のようで気温も４０度を超えまさに火の中にいるようだった。
天山山脈の雪解け水がゴビにしみこんだ地下水を引いたカレーズは２０００年以上の歴史を持ち１１５８本、総延長３０００キロ以上と言われる。トルファンのオアシスではカレーズの水で葡萄を栽培している。葡萄は玄奘三蔵が種を持って来たという言い伝えがあり、１０００年以上の栽培の歴史がある。
唐の都・長安（西安）を６２９年に出発した玄奘三蔵（６０２−６６４年）はシルクロードを通りインド・ナーランダ寺で仏教を学び６４５年に帰国。２０年間に訳出した経典は１２３５巻。法相宗を開き日本の仏教にも伝来、法隆寺、薬師寺、興福寺などが建立され日本の仏教の発展に大きな影響を与えた。また大唐西域記は西遊記の素材ともなり、旅行記の元祖とも言える。三蔵法師が命がけで通った灼熱の地トルファンを歩くことは感慨深かったがやはり「火州」の名の通り酷暑の街だった。
（写真は「火焔山」）

エリア 吐魯番(中国)

「火焔山」の前のラクダでの散歩。

「西遊記」の中で孫悟空が芭蕉扇で火を鎮めたという「火焔山」の前の三蔵法師一行像。

「火焔山」の前の石碑。

石窟寺・ベゼクリク千仏洞。

石窟寺・ベゼクリク千仏洞。

石窟寺・ベゼクリク千仏洞。

高昌故城前。６２８年にインドに向かう玄奘三蔵も立ち寄って講義をしている。

高昌故城前。

高昌故城前。

高昌故城前の案内板。

交河故城。紀元前２世紀、前漢時代の車師前国の首都として栄えた時代に建造されたと言われ、玄奘三蔵一行もここで一泊したそうだ。

交河故城前の案内図。

天山山脈の雪解け水がゴビにしみこんだ地下水を引いたカレーズ。２０００年以上の歴史を持ち１１５８本、総延長３０００キロ以上と言われる。トルファンのオアシスではカレーズの水で葡萄を栽培している。

トルファンのオアシスの葡萄。カレーズの水で葡萄を大量に栽培している。

トルファンのオアシスのあずまやの天井の装飾。

トルファン駅。

トルファン駅。敦煌に向かう夜行列車。

トルファン駅近郊の夕暮れ。

トルファンの夜のライトアップ。

この旅行記へのコメント （2）

• kaz-ykさん 2005/08/02 12:30:24

  ウルムチ・トルファンを、拝見有難う御座いました。

  さすらいおじさんさん　今日は
  
  本日は、ウルムチを拝見し、天池の幻想的写真に癒されました。
  ウイグル自治区は、日本の4倍の広さ、タクラマカン砂漠は、日本位の大きさ
  と初めて知りました。
  
  トルファンでは、千仏洞、火炎山、カレーズと珍しいものを見せて、
  貰いました。
  
  ４０℃の中での旅行、チャレンジ精神に、敬意を表し、１票献じます。
  
  ２２５冊の旅行記とは凄い、費用・体力も然り乍ら、多数の画像と旅行記の
  整理・保存には、時間・手間・体力・根気が、必要ですね。
  
  小生も”９８”１５ＧのＰＣでは、スームースに、動かず、１６０Ｇの”
  ＸＰ”を購入して、共有ファイルに収納する様にしましたが、
  backupも必要で、苦戦しています。
  
  貴方様のｈｍｌは、膨大でとても短時間では、見れないので、
  他日訪問さして頂きます。有難う御座いました。
  
  

  さすらいおじさんさん からの返信 2005/08/02 13:15:41

  RE: ウルムチ・トルファンを、拝見有難う御座いました。

  kaz-ykさん　　シルクロードをご覧いただきありがとうございます。
  
  中国のシルクロードを訪問することは長年の夢でしたので、４年前を振り返って整理していますと、また旅をしているような気持ちになり、嬉しくなってきます。
  私の人生記録と思って旅行記を作っておりますので数が増えてしまい恐縮ですが、ご覧いただき情報が多少でもお役にたてば嬉しいです。