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ザ・ウィンザー・ホテル洞爺に、二泊した。<br />このホテルの楽しみの一つは、ミッシェル・ブラスの料理と出会うことだった。<br /><br />21世紀のフランス料理をリードする一人とされる彼は、このホテルに自らの店「ミッシェル・ブラス・トーヤ・ジャポン」を構えている。<br /><br />ブラスは、パリから遠く離れた雪深き、オーヴェルニュ地方ラギオールという自然の豊かな片田舎に、店を持っている。<br /><br />親父から引き継いだオーヴェルジュ(旅籠)の食堂が、彼の本拠地だ。<br />その辺鄙な食堂を、ミシュランの三ツ星レストランに育てた彼は、世界的天才と言って良いだろう。<br /><br />1990年代に入りめきめき名を上げた彼の料理は、野菜を脇役から主役的扱いに変え、胃袋に負担の掛からないフランス料理として人気がある。<br /><br />私は迷うことなく、最初の皿に温野菜のサラダ(ガルグーィュ?)を注文する。<br />出て来た皿にアッと驚く。<br /><br />色とりどり、紫、黄、ピンクなどの花の咲き乱れる、まるで春の野の風情なのだ。<br />その美しさに圧倒され、しばらく乱すのが惜しくて、手を付けるのを逡巡する。<br /><br />野菜はといえば、10種以上はあろうか(ボーイさんは、30種類の食材を使っていますと言う)それぞれに食感を盛り上げようと切り方を工夫し、茹でたり生に近かったり調理のレベルを変えている。<br /><br />一口、二口と食べて、また驚く。<br />一口ごとに、素晴らしく美味しいだけでなく、香りや食感が変化するのだ。<br /><br />こんな料理に巡りあったことは、今まで記憶にない。<br />これまた幾つもの香草が、あちこちにちりばめられている。<br /><br />「自然から料理を創出する異色のシェフ」という言葉が、理解できた。<br />彼は北海道の食材に魅せられ、毎年ここにやって来て料理創りを楽しんでいる。<br />留守中は、彼の信任厚いシェフが、店を守っている。<br /><br />ブラスの本拠地ラギオールは、刃物類の名産地でもある。<br />フランス料理のシェフたちは、競って当地産の料理包丁を使うと言う。<br /><br />このレストランの料理に付いてくるナイフもラギオール製にこだわり、幾つもの皿に対してフォークやスプーンは替えても、ナイフだけは替えない。<br /><br />そのナイフたるや、皿の上に普通に置こうとするとひっくり返り、皿の中に入ってしまって、ハンドル部がソース浸しになる。<br />そうならないために、刃の基の部分に一工夫があり、ナイフは刃を寝かさずに立てたままで、皿の縁に引っ掛けておく。<br />

洞爺【6】料理の魔法使いミッシェル・ブラス

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2005/07 - 2005/07

51378位(同エリア59817件中)

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ソフィ

ソフィさん

ザ・ウィンザー・ホテル洞爺に、二泊した。
このホテルの楽しみの一つは、ミッシェル・ブラスの料理と出会うことだった。

21世紀のフランス料理をリードする一人とされる彼は、このホテルに自らの店「ミッシェル・ブラス・トーヤ・ジャポン」を構えている。

ブラスは、パリから遠く離れた雪深き、オーヴェルニュ地方ラギオールという自然の豊かな片田舎に、店を持っている。

親父から引き継いだオーヴェルジュ(旅籠)の食堂が、彼の本拠地だ。
その辺鄙な食堂を、ミシュランの三ツ星レストランに育てた彼は、世界的天才と言って良いだろう。

1990年代に入りめきめき名を上げた彼の料理は、野菜を脇役から主役的扱いに変え、胃袋に負担の掛からないフランス料理として人気がある。

私は迷うことなく、最初の皿に温野菜のサラダ(ガルグーィュ?)を注文する。
出て来た皿にアッと驚く。

色とりどり、紫、黄、ピンクなどの花の咲き乱れる、まるで春の野の風情なのだ。
その美しさに圧倒され、しばらく乱すのが惜しくて、手を付けるのを逡巡する。

野菜はといえば、10種以上はあろうか(ボーイさんは、30種類の食材を使っていますと言う)それぞれに食感を盛り上げようと切り方を工夫し、茹でたり生に近かったり調理のレベルを変えている。

一口、二口と食べて、また驚く。
一口ごとに、素晴らしく美味しいだけでなく、香りや食感が変化するのだ。

こんな料理に巡りあったことは、今まで記憶にない。
これまた幾つもの香草が、あちこちにちりばめられている。

「自然から料理を創出する異色のシェフ」という言葉が、理解できた。
彼は北海道の食材に魅せられ、毎年ここにやって来て料理創りを楽しんでいる。
留守中は、彼の信任厚いシェフが、店を守っている。

ブラスの本拠地ラギオールは、刃物類の名産地でもある。
フランス料理のシェフたちは、競って当地産の料理包丁を使うと言う。

このレストランの料理に付いてくるナイフもラギオール製にこだわり、幾つもの皿に対してフォークやスプーンは替えても、ナイフだけは替えない。

そのナイフたるや、皿の上に普通に置こうとするとひっくり返り、皿の中に入ってしまって、ハンドル部がソース浸しになる。
そうならないために、刃の基の部分に一工夫があり、ナイフは刃を寝かさずに立てたままで、皿の縁に引っ掛けておく。

  • レストランの入口

    レストランの入口

  • レストランの入口から食堂まで

    レストランの入口から食堂まで

  • 水の流れに並ぶ新鮮な緑は<br />皿への期待を膨らませる

    水の流れに並ぶ新鮮な緑は
    皿への期待を膨らませる

  • 食卓からの眺望<br />

    食卓からの眺望

  • 食前酒(アペリチーフ)はキール

    食前酒(アペリチーフ)はキール

  • 最初の一皿<br />さてどんな味か<br />僅かにカレーの香りがする<br />薄くカリカリに焼き上げたせんべいが<br />真ん中の壺に立てかけられている

    最初の一皿
    さてどんな味か
    僅かにカレーの香りがする
    薄くカリカリに焼き上げたせんべいが
    真ん中の壺に立てかけられている

  • 皿に盛り付けられた小さなパン三切れ<br />このパンの彩りだけでも<br />これからの料理への期待感が深まる

    皿に盛り付けられた小さなパン三切れ
    このパンの彩りだけでも
    これからの料理への期待感が深まる

  • 二番目の皿<br />あまりにも美味しく<br />写真を撮るのも忘れて<br />食べてしまった

    二番目の皿
    あまりにも美味しく
    写真を撮るのも忘れて
    食べてしまった

  • 三番目の皿<br />美味しくて<br />食材の吟味をする暇もない<br />ただ感嘆

    三番目の皿
    美味しくて
    食材の吟味をする暇もない
    ただ感嘆

  • ついに出た 温野菜盛り付け

    ついに出た 温野菜盛り付け

  • 彩り 盛り付けの ダイナミックな素晴らしさ

    彩り 盛り付けの ダイナミックな素晴らしさ

  • 仕上げは 地元産の ジューシーな肉

    仕上げは 地元産の ジューシーな肉

  • 皿には 塩コショウが かすかに かけられている

    皿には 塩コショウが かすかに かけられている

  • ナイフの立て方に注意

    ナイフの立て方に注意

  • ふと外を眺めると 雲まで 美味しそう

    ふと外を眺めると 雲まで 美味しそう

  • 洞爺湖には うっすらと 中島の島影

    洞爺湖には うっすらと 中島の島影

  • デザートと プティ・フールの氷菓子 アイスキャンデーからのヒントだろう

    デザートと プティ・フールの氷菓子 アイスキャンデーからのヒントだろう

  • 中から ドロドロと温かいチョコレートがしみ出してくる デザート

    中から ドロドロと温かいチョコレートがしみ出してくる デザート

  • 帰り際に もう一度 レストランの味を 振り返る

    帰り際に もう一度 レストランの味を 振り返る

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