パリの外郭を取り巻く、外周環状道路（ブールヴァール・ペリフェリック）。<br />これは、かつてパリを囲む城壁跡に建設された。<br /><br />その道路の内側に接し、市域ぎりぎりの最南端に、パリ国際大学都市（シテ・アンテルナショナル・ユニヴェルシテール・ド・パリ）がある。<br />ソー線（現在地下鉄ＲＥＲ−Ｂ線）の「シテ・ユニヴェルシテール」駅を降りれば、すぐ前だ。<br /><br />　ここの住人たちは半ば愛情を込め、「シテ」と略称している。<br />　ここは、世界から集まってパリに学ぶ学生たちが、お互いに理解を深め合うことを目的に、第一次世界大戦後につくられた。<br /><br />　４０ヘクタールの広大な土地に３７の寮が並び、１２０国籍、５，５００人が収容されている。（「パリ−ミシュラン・グリーンガイド」１９９１年による）<br /><br />　公園に囲まれたそれぞれの寮は、それを建設した国の個性を生かすべく、デザインと運営に工夫を凝らしている。<br />たとえば日本館は天守閣を型どり、年一回のシテ祭りには茶の湯を一般公開する。<br /><br />　ル・コルビュジェの設計によるスイス館やフランス・ブラジル館、意欲的な現代建築アヴィセンヌ館など、建築としても興味深い建物が多い。<br /><br />　グラウンドや室内プール、テニスコートはもちろん、図書館や劇場まで完備されていて、われわれの貧しい学生時代に比べ、恵まれた環境はまことに羨ましい限りだ。<br />

14 パリ国際大学都市

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1970/06/14 - 1970/06/14

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#留学

片瀬貴文さん

パリの外郭を取り巻く、外周環状道路（ブールヴァール・ペリフェリック）。
これは、かつてパリを囲む城壁跡に建設された。

その道路の内側に接し、市域ぎりぎりの最南端に、パリ国際大学都市（シテ・アンテルナショナル・ユニヴェルシテール・ド・パリ）がある。
ソー線（現在地下鉄ＲＥＲ−Ｂ線）の「シテ・ユニヴェルシテール」駅を降りれば、すぐ前だ。

　ここの住人たちは半ば愛情を込め、「シテ」と略称している。
　ここは、世界から集まってパリに学ぶ学生たちが、お互いに理解を深め合うことを目的に、第一次世界大戦後につくられた。

　４０ヘクタールの広大な土地に３７の寮が並び、１２０国籍、５，５００人が収容されている。（「パリ−ミシュラン・グリーンガイド」１９９１年による）

　公園に囲まれたそれぞれの寮は、それを建設した国の個性を生かすべく、デザインと運営に工夫を凝らしている。
たとえば日本館は天守閣を型どり、年一回のシテ祭りには茶の湯を一般公開する。

　ル・コルビュジェの設計によるスイス館やフランス・ブラジル館、意欲的な現代建築アヴィセンヌ館など、建築としても興味深い建物が多い。

　グラウンドや室内プール、テニスコートはもちろん、図書館や劇場まで完備されていて、われわれの貧しい学生時代に比べ、恵まれた環境はまことに羨ましい限りだ。