2004/09/01 - 2004/09/01
677位(同エリア786件中)
黒田夫妻さん
オランダからベルギーまでの旅でアントワープに寄りました。ルーベンスの名画に感動の旅でした。http://www.kuroda-home.net もご覧ください。
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●アントワープが生んだ巨匠ルーベンスの家を訪問
アントワープでは、市立図書館の前にバスを停めて、徒歩でルーベンスの家へ向かう。17世紀を代表するフランドル絵画の巨匠で、生涯1500点におよぶ作品を残している。アントワープで画家として修業を積み、イタリアで8年間を過ごし、ダビンチやミケランジェロの技法を習い、宮廷画家としての不動の地位を獲得した。ヨーロッパ各国の王室からの注文をこなし、巨万の富を得て、アントワープに大豪邸を構えた。
その豪邸は、いまは入場料を払って見学でき、家の前には絵はがきや書籍などの売り場までつくられている。家の中は、応接室にはじまり、居間、寝室、台所などとつづく。各部屋とも、ごてごてした飾りなどはなく、きわめてシンプルではあるが、壁一面が革張りになっているなど、さりげなくお金をかけている。
寝室のベットは意外に小さく、当時のベルギー男性の平均身長が160センチくらいというが、それでも窮屈なくらいの大きさだ。訊くと、昔の人は、背中の下にソファーを入れて身体を折って寝るのが習慣だったそうだ。
これらの生活空間とは離れて、巨大なアトリエが庭を隔てて建っている。天井が高く、2階のテラスには、客を立たせて、作品の進行状況を見せたらしい。アトリエには、「アダムとイブ」と「受胎告知」の絵が飾ってあったが、前者が静的であることにくらべ、後者は、筋肉が浮き出て、躍動感あふれる作品となっており、対照的だ。隆々たる筋肉のダビデ像や「最後の審判」を創作したミケランジェロの影響を強く受けているのだという。 -
●気分はほとんど「フランダースの犬」のネロ少年
その後に訪ねたノートルダム大聖堂の「キリスト昇架」「キリスト降架」も、そうした画風がすみずみにまで発揮されているルーベンスの代表作である。
「フランダースの犬」のネロ少年は、ルーベンスの絵画にあこがれ、はるばるアントワープまでやってきた。「キリスト降架」を見て満足し、この絵の前で愛犬パトラッシュとともに安らかな最期をむかえるという物語になっている。「フランダースの犬」のアニメがヒットしてから、日本からも観光客が大挙して押しかけるようになったとのことだが、現地の人には、そんな物語があることすら、ほとんど知られていない。松本さんによれば、原作では、ネロ少年をいじめるという役どころのベルギー人がひどく意地悪く描かれているからだとのこと。
さて、大聖堂をすすんでいくと、「キリスト降架」は奥にひっそりと飾られていた。磔(はりつけ)の刑にあい、すでに息絶えたキリストを人々が十字架から降ろしているところを描いた絵であるが、ぐったりと力を失い、血の気が失せたイエスの全身は、白く神々しく輝いている。そのイエスを、ヨハネや聖母マリアをはじめたくさんの人が悲しい表情で取り囲んでいる。ネロ少年とパトラッシュまで登場する松本さんの感情こもった解説もあって、ほの暗い礼拝堂のなかで、そこだけが光をたたえ、鳥肌が立つほどの圧倒的な迫力でせまってきた。
約1時間ほどの自由行動でアントワープの街をぶらぶらと歩く。教えてもらったスーパーでエビアンを買ったが、忠告どおりにレジの店員がやたらとのんびりしていて、わずか3本のミネラルウォーターのために、約10分間待たされた。地元の人にとってみれば、これが当たり前なのか、いらついた顔を見せる人など一人もいない。
やっと水を手に入れて、松本さんが強く推奨した街角の店でワッフルを買って食べた。ブリュッセルのものとは違って、ふわふわしていて、確かにおいしかった。
明日からはふたたびオランダに入るので、ベルギーのガイドを受け持った松本さんとはここでお別れとなる。ルーベンスはじめ、ブリューゲル、ファンエイクなどベルギーでみた数々の絵画の解説は絶妙であり、そのどれもに感動し、すべてが心に残った。この人のガイドがなければ、これらは、ただの「名画」で終わっていたことだろう。別れ際に、そのことを告げ、あらためてお礼の言葉をのべた。 -
●アントワープのレストランでバスが消えた!
アントワープの郊外にある「コリンシア・アントワープ」ホテルには、17時半に到着した。バスの車窓から通りを見ると、黒い服に黒い山高帽、黒いネクタイという黒ずくめの格好にヒゲを伸ばした、異様とも見える姿の男性を何人も見かけた。彼らは、アントワープに約2万人が住むというユダヤ人であり、古くからの習慣を変えず、今でも、周囲とは一線を画して生活しているとのことだった。商売上手なユダヤ人は、アントワープで宝石商などを営み、経済界の有力者も多数いるそうだ。確かに、ベンツなど高級車を乗り回しているユダヤ人が多く見られた。
夕食は、市内中心部のホテルのレストランを使う。はじめに前菜でパスタが出てくる。スパゲティが丸々一人前で、どこが「前菜」なのかと思うほど量がたっぷりだ。メインは、金目鯛のソテー。3つの切り身の下には、キャベツとおなじみマッシュポテトが敷いてある。予定のメニューは、ヒラメだったそうだが、今日はヒラメが不漁だったのだろう。はじめは白ビール、次に白ワインに変えて、おいしい料理に舌鼓を打つ。
6階のレストランの窓からは、アントワープの中央駅の巨大な駅舎が見えていた。7時を過ぎていたが、まだ西日が向かいの高層ビルの窓に反射してまぶしい。
8時すぎにレストランを出るが、ここでハプニング。レストランのそばの道路ぎわに停まっていたはずのバスが、どこにも見あたらないのである。福永さんが運転手のトニーと連絡をとろうとしたが、携帯電話がつながらず、結局、19人が5台のタクシーに分乗して帰ることになった。我々が乗ったタクシーは、若い女性のドライバーでとても陽気な人だった。彼女は、いろいろ質問してくるばかりか、ベルギーとオランダをわずか9日間で回るのか、それだけしか休暇がないのか、などなど、我々と同乗した福永さんに忙しく話しかけてくる。
ハプニングはあったが、全員が道に迷わず無事にホテルに到着し、それぞれ部屋に引き上げた。ちなみに運転手のトニーは、バスを停めるところがなく、アントワープの市内をずっと走り回っていたらしい。連絡もつかないので、しかたないので帰ってきたそうだ。
このつづきは、
http://www.kuroda-home.net
をご覧ください。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Professor Lさん 2004/11/04 17:31:04
- ルーベンスの絵
- 初めまして
ルーベンスの絵へは、やっぱり生で見に行きたくなりますね。
昔、出張でアントワープに行ったんですが、仕事を優先したので見損ねたんですよ。
- 黒田夫妻さん からの返信 2004/11/05 09:12:03
- RE: ルーベンスの絵
- メッセージありがとうございます。
恥ずかしいことに、アントワープに着くまで、ルーベンスという名前すら
知りませんでした。
でも、それだけに、ノートルダム大聖堂の「キリストの昇架」「キリスト
の降架」をはじめて見た衝撃は言葉にはできないものでした。
オランダ・ベルギーを回った今回の旅は、何よりも、感情豊かに解説して
くれたガイドさんたちに恵まれたということが幸運でした。
ルーベンス、レンブラント、フェルメール、ゴッホなどなど、数々のヨー
ロッパの名画は、いつまでも私の心に残ることでしょう。
ぜひ、機会があれば、ツアーでもう一度おでかけください!
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