2003/08/11 - 2003/08/18
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あだもさん
忙しくて旅に出られない。
例年2月か3月には3〜5日くらいの休みをとって,ネパールやらラオスやら沖縄やら網走やらに行っていたのだが,今年はもう無理。少しでも旅の渇き(?)を癒すため,ここんとこ金華山(標高328M)によく登っている。梟雄斉藤道三が築き,革命児織田信長も居城とした稲葉山城(岐阜城)が山頂にそびえるあの金華山である。
心の中で「ここはネパールのアンナプルナトレッキングルートだ」(ホントは七曲り登山ルート)「遥か北に望むのは霊峰マチャプチャレだ」(ホントはドドヶ峰)と自分に言い聞かせながら。しかし「やっとかめだなも」「おみゃーさん何やっとりゃーす」という登山おじさんの声が聞こえてくると,一気に岐阜に引き戻されてしまうのであった。
しかし金華山登山ルートもなかなか捨てがたい。かわいい野生のタイワンリスも見られるし。
そういうわけでイラン篇第2回である。
第2回 ニッポン大好きイラン人
イランは首都テヘランのメフラバード国際空港に着いたのは午前0時過ぎ。しかし空港の到着ロビーは黒山の人だかりである。(女性は黒いチャドルを着ている人が多いからよけい黒く見えるんだよね。)
こんな深夜なのに出迎えの人が多い。そしてみんな花かごを持っている。海外に出稼ぎに行っていた家族や知人を迎えに来ているのであろう。なんだか心温まる光景ではある。
空港でタクシーを手配し市内に向かう。おんぼろプジョーのタクシーの運ちゃんの質問はどこでも一緒である。
“Where come from?”
“ジャポーン”
“オージャポーン! ジャポーンベリグー! アメリカノーグーッ!”
そう,イラン人は日本が大好きなのである。理由はおいおい明らかになるが,自分が日本人であることにこれまで好意を示してくれる国は初めてであった。ちなみにアメリカのことは嫌いらしい。まあ「悪の枢軸」などと名指ししてくる国を好きになるはずもないけれど。
こんなことがあった。
世界遺産ペルセポリス遺跡観光の拠点の町シーラーズ。ほとんどの外国人観光客は遺跡だけ見て次に行ってしまうようだけど,私はこの町に1泊してみた。
町を歩くと外国人が珍しいのか,好奇の視線が集中。しかし悪意は一切なく,みなニコニコしている。ちょっと店先をのぞくと,店番の少年が売り物のブドウを半房くれる。すると隣の店の兄ちゃんが争うようにリンゴをくれたりするのである。
あるいはエラム庭園という昔の宮殿あと。ここはイラン人の観光客も多いのだけど,その一人が例によって「どこから来た?」
「ジャポンだ。」
「なに!ジャポン!! (仲間に)おい,日本人だぞ!」
すると一斉に私を取り囲むひげだらけの濃い顔の人々。
「オージャポン!」
「ジャポーン,ベリーグー!」
「ナカター!イナモートー!」
「アイライクブルースリー!アチョー!!」(違うって)
「オスィーン!」
もうハチャメチャである。(ちなみに最後の「オスィーン!」というのは,NHK朝の連続ドラマ「おしん」のこと。イランで放映され大人気だったとか)
さらには続けて,一緒に写真に写ってくれ,ビデオを回すから向こうから歩いてきてくれ,そこで立ち止まってはいサラーム!しまいにはひげのじいさんからほっぺたにチューまでされる始末。日本でイマイチ不人気だと思っていたら,こんなところで大人気な私であった。ベッカムやタッキーの気持ちがよく分かった次第である。なんちって。
ただしこのように騒ぐのは男だけ。かといって女性も無関心なわけではなく,イランは男女の区別が徹底しているため,女性たちは騒ぎの輪に入れず遠巻きにこっちを見つめているのである。
(イスラム圏の男女区別の徹底ぶりは,学校が男女別学なのはもちろん,例えば路線バスでも男性用車両と女性用車両があるほど。もっとも最近の日本の電車もそうなってきたけどね。)
またこんなこともあった。
古都イスファハーンのイスラム寺院マスジェデ・イマーメ。ここは広い公園のようにもなっており,終日家族連れがやってきてピクニック気分で時間を過ごしてゆく。
ここらは先述のシーラーズよりも都会なので,女性からも私に声がかかるのである。
満面の笑顔で「アイライクジャポーンベリベリマアーッチ!」と言った女性。
恥ずかしそうに「いっしょに写真を撮ってくれ」と言ってきた超美少女2とイケメン兄ちゃんの高校生3人組。
「アメリカのイラク攻撃をどう思うか?」「日本の文化とイランの文化はどこが違うか?」「イランは今後発展すると思うか?」と英語で議論をふっかけてきた真面目そうな少年二人。(日本語でも答えられんようなこと,英語で答えられるわけないのであるが・・・)
豆のシチューとお茶をごちそうしてくれた家族。
道を聞いたらバイクに乗せて連れて行ってくれた電気屋の店番の兄ちゃん。
お茶とスコーンをごちそうしてくれ,さらにはわざわざ鍵を開けて宗教画とステンドグラスを見せてくれたアルメニア教会(キリスト教徒)の人々。
みんな裏のない底ぬけの好意を見せてくれたのであった。
なぜイラン人はこんなに日本が大好きなのか?帰国してからいろいろ調べてみると,次のような理由があるらしい。
1.過去イランを侵略したロシア,モンゴルに日本は戦争で勝っているから。
確かに日露戦争で日本は勝ってるわな。しかしモンゴルと戦争なんかしたっけ?とよくよく考えてみると,それは元寇のことなのであった。そんな700年も前のことと一瞬思ったが,イラン(ペルシャ)もそれだけ歴史がある国なのだ。
2.日本のテレビ番組「おしん」の人気
先にも書いたが「おしん」のイランでの人気は絶大なるもので,視聴率は毎回80%以上。その人気は,イスラム革命の指導者にして時の最高権力者ホメイニ師を上回るほどだったとか。
3.日本の出稼ぎから帰った親戚や知人から日本の話を聞いて。
黄金(小金?)の国日本から帰った兄ちゃんに,ソニーのラジカセ(実は中国製)やミノルタのカメラ(実はマレーシア製)を見せびらかされた日には,日本への憧れも高まろうというもんである。隣の町内には日本人の嫁さん連れて帰ってきた人もいるっていうし。兄ちゃん実はコキ使われたり差別されたりして,日本で辛いこともあったはずなんだけど,兄弟や友達の手前「ニッポン楽しかったぞー」としか言わないのである。
帰国して,私がイランに行ったと言うと,帰ってくる答えはだいたい同じ。
「怖いところへ行ったんですね?」「危ない目にあいませんでしたか?」「イランって行けるんですか?」「戦争はもう終わったんですよね?」(それはイラクじゃ)
しかし実情はかくの如し。
これだけ日本に好意を示してくれるイランのことを,我々はどれほど知っているのだろうか。イラク派兵やバム大地震のニュースを見るたび,うーんと唸ってしまう私であった。
第2回おわり
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