古楽器アンサンブルによるモーツァルト12才のオペラを見るに相応しいホール。
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- 旅行時期:2018/06(約6年前)
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by tadさん(男性)
ロンドン クチコミ:86件
今回のロンドン滞在のなかでも面白かった音楽会の一つがここで上演された。6月6日のことだ。モーツァルト12才の時のオペラ「La Finta Semplice]全幕がここで古楽器アンサンブルと声楽で上演された。勿論、初めて見た。CDやビデオでも知らなかった作品だ。(追加:CD持っていました。ちゃんときいていなかったのでしょう。ザルツブルクのオーケストラとハーガーの指揮によるもので、このコンビ、そういえば、昔ザルツブルク音楽祭で聞きました。別の曲ですが。。。)
モーツァルトは生存中にこのオペラを上演できなかったのだそうだ。音楽界の重鎮どもが嫉妬心で邪魔したようだ。そりゃ、嫉妬しますよ!とても12才の子供のオペラではない。当時の宮廷作曲家など地位はある作曲家たちが、モーツァルトの親父が助けたのだろうなどという噂も立てたようだが、親父には、これほどの才能はない!このオペラ、音楽は特に終始楽しい。筋書が少し、子供の理解できる範囲かなと思えるところがあったが、それでも、相当に楽しめるオペラだった。
このホールでの古楽器アンサンブルによる上演はまさにふさわしい音量規模となった。モーツァルトのオペラは大きなオペラハウスでやると、音量が物足りないのだ。その意味でも、ここで上演されたこと事態が、素晴らしい決断だった。繰り返すがモーツァルトのオペラは大きい現在のオペラ・ハウスに相応しくない。私の体験ではウィーン国立歌劇場でさえモーツァルトには大きすぎるくらいだ。オペラ鑑賞はホールのサイズを慎重に選ぶべきだろう。バロック・オペラの上演も同様だろう。古楽器アンサンブル自体を大きいホールで聞くのはナンセンスだ
どうしても、大きいホールでこういう古楽器アンサンブルを聞かざるを得ない場合は、前の席をとるしかないだろう。実は、私はこの上演も、前から4列目の真ん中の席を確保したので、十分に楽しめたが、ここでも後ろだと、やや音が小さくなったのではないだろうか?トラベルソ(バロック・フルート)は私もアマチュア演奏家だが、音量は金属フルートよりはるかに小さいのだ。弦楽器もガット弦を使うので、金属弦のようにがんがんと鳴らない。そういう特性を知らないでこういう演奏を大きいホールで聞くとがっかりするだけだろう。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
クチコミ投稿日:2018/07/10
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