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スリランカにおける大乗仏教の総本山でした。

  • 4.0
  • 旅行時期:2018/06(約8年前)
beanbagさん

by beanbagさん(男性)

アヌラダプーラ クチコミ:6件

アヌラーダプラの北端にあるアバヤギリ精舎(無毘山寺)は最も重要な史跡の一つです。
その来歴はマハーワンサ第33章「十王章」に述べられています。

サッダーティッサ王の息子ヴァッタガーマニアバヤ王(BC43~17、新説BC89~77)は、彼の兄弟トゥーラタナ王(治世1ヶ月と10日)、ランジャティッサ王(9年半)、カッラータナーガ王(6年)の後に即位します。
彼が王位に就いた5ヶ月目に、ローハナ地方のティッサという名の若いバラモンが愚かにも反逆者となり、多数の配下を得ます。ちょうどその時、7名のタミル人が軍を率いランカー島に上陸します。そして、バラモンティッサと7名のタミル人は結託して、ヴァッタガーマニに王位の禅譲を求める書状を送ります。怜悧な王ヴァッタガーマニはバラモンティッサにタミル人を討って王位につくようそそのかす書状を書き送ります。しかし、ティッサは逆にタミル人たちに捕らえられ、ヴァッタガーマニもタミル人たちに敗れ、外道寺院ティッターラーマの門前付近から車に乗って敗走します。その姿を見てギリという名のジャイナ教の裸形修行者が「身体のでかい色黒のシンハラ人が逃げて行く」と大声で叫びました。この声を聞いてヴァッタガーマニは「もし、余の願いが成就したら、余はここに精舎を建立するであろう」と心に決めます。

ヴァッタガーマニの隠遁生活は14年に及びます。その間、5人のタミル人王がランカー島を統治し、通算在位年数は14年7ヶ月となりました。
しかし、ヴァッタガーマニは反攻の機会を伺い、身近に従者たちを集め、8人の有名な勇士を大臣に据えるなど準備を整え、ついにタミル人王ダーティカを殺して、王国を取り戻します。そして例のジャイナ教の寺院ティッターラーマを破壊し、そこに12の坊舎を持つ精舎を建立します。デヴァーナンピヤティッサ王のマハーヴィハーラ建立以来、217年10ヶ月と10日を経た時、敬虔な王ヴァッタガーマニはアバヤギリ精舎を建立しました。

さて、マハーヴィハーラにマハーティッサの名で知られた1人の長老がいました。彼は在家の人々とたびたび交わったため、その過ちにより僧団によって精舎から追放されました。彼の弟子のバハラマッスティッサ長老は怒って、マハーヴィハーラを出てアバヤギリ精舎に赴き、そこで別の一派を立てて住みます。こうして彼らアバヤギリ精舎の比丘たちは上座部仏教から分離します。その後、さらにアバヤギリ精舎派の僧たちからダッキナ精舎派が分離、上座部から二派の僧団が生まれました。

こうしてアバヤギリ精舎はスリランカにおける大乗仏教の総本山となります。
アバヤギリ精舎にはサマーディ仏像、クッタム・ポクナ(ツイン・ポンズ)、クイーンズ・パビリオンやラトゥナ・プラサーダなど数多くの遺構があります。2000年の歴史に思いを馳せてゆっくり見学するのが良いと思います。

施設の満足度

4.0

利用した際の同行者:
一人旅
観光の所要時間:
1-2時間
アクセス:
3.5
アヌラーダプラ遺跡地区の北端にあります。
コストパフォーマンス:
3.5
遺跡地区全体の入場料は25US$です。
人混みの少なさ:
4.0
広いので混み合っていません。
展示内容:
4.0
アバヤギリ精舎全体はアヌラーダプラで必見です。

クチコミ投稿日:2018/06/24

いいね!:27

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