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悲しい王女の物語が残る小さな塔/王女の塔

  • 4.0
  • 旅行時期:2015/07(約10年前)
ウェンディさん

by ウェンディさん(女性)

グラナダ クチコミ:46件

アルハンブラ宮殿には有名な建物が沢山あり、観光客の目線はガイドブックに写真入りで紹介されている建物にばかり集中することが多いが、アルハンブラの城壁沿いに建てられている小さな塔、これらの塔に目を向けてみるとアルハンブラの不思議な伝説を秘めた塔がいくつかあることに気が付くかもしれない。

そんな塔の一つに王女の塔がある。

王女の塔は、その昔にムーア人の王が、美しく成長した3人の王女たちを幽閉していたと塔であると云われている。
こんな飾り気のない塔に王女を幽閉…とは嘘みたいな話だが、W.アーヴィングの著書を読んでから眺めると、あながちウソとも言い切れない部分がある。

その証拠が塔の外観から分かる場所がある。
それは、窓。
塔の窓をよく見ると、窓枠に細やかなアラベスク装飾が施されているのが分かる。
ただの見張り塔ならば窓枠は飾りもなくただの四角形の筈で、こんな通り道にある様な見張り塔にわざわざ手のかかることをすることは無いだろう。
多分、塔の内側には今でも繊細で豪華なアラベスク彫刻が残されているのかもしれない。

塔の外壁は風雨でかなり傷んでいるため、何も知らない観光客は「塔がある…」とそのまま素通りしてしたが、少しでも時代的背景や伝承を知っていると、たった一つの窓の細工にもその意味があることが分かり、面白い。

この塔に閉じ込められていたのは3人の美しい王女たち。
ムーア人の王は、娘たちが良からぬ男たちの目に触れぬようにと彼女たちを小さな塔へと幽閉したのだが、好奇心旺盛な年頃の娘たちにとっては、それは全く逆効果。
世の親の思う方向へと娘たちが動いてくれないのは、今も昔もいつの世も同じこと。

王女たちは、塔の近くで戦争捕虜の奴隷として働かされていた貴族の子弟とふとした偶然から恋におちてしまった。
そしてアルハンブラが深い眠りに落ちた時刻に、この窓から縄梯子で塔を抜けだし、駆け落ちをしてしまったという。

ただし、駆け落ちをしたのは3人の王女の内の2人だけ。
末っ子の王女ソラアイダだけは残される年老いた父王の事を思い、縄梯子を降りることが出来なかった。
結局2人の姉だけが籠から羽ばたき新たな世界へと足を踏み入れることができ、残された王女ソラアイダはこの塔でその短い生涯を遂げた…と伝説は伝えている。
そして、ソラアイダ王女の魂はムーアの悪魔の囚われの身となり、その後何世紀もの間、この塔に縛られ続けていた…と云う。

2015年は王女の塔へは入れなかったが、公式ホームページ↓にはその内部が公開されている。
王女の塔の内部:http://www.alhambra-patronato.es/index.php/Torre-de-la-Infantas/334+M5d637b1e38d/0/

施設の満足度

4.0

利用した際の同行者:
友人
観光の所要時間:
1-2時間
アクセス:
4.0

クチコミ投稿日:2015/11/05

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