時が止まった村に静かに佇むジェミル教会~滅びの他に道はないのか~
- 5.0
- 旅行時期:2015/05(約11年前)
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by ウェンディさん(女性)
カッパドキア クチコミ:32件
2015年のゴールデンウェークにトルコを旅し、その世界を愉しんできました。しかし、トルコで見聞きしたことは、全てがポジティブな内容ばかりではありませんでした。
その一つが、ギリシアとの住民交換のお話です。
あれは、今から100年前のトルコ。
そこには、単一民族主義という思想に翻弄されたギリシアの民がいました。
1923年にトルコとギリシアの間で交わされた【住民交換】という政治的な交渉。
この交渉により、トルコ国内に住むギリシア正教のギリシア人、そしてギリシア国内に住むイスラム教のトルコ人は、強制的にギリシアとトルコへと無理やり居住地を変える政策がとられました。
ここカッパドキアの地は、もともとがギリシア正教の隠れ修道院であった場所。
この地にもその末裔のギリシア人が多く居住していましたが、彼らもこの強制的な移住政策である住民交換の対象者でした。
そして、多くのギリシア人たちが、名前ばかりの祖国と呼ばれる国へ難民として追放され、カッパドキアにあったギリシア人が住んでいた村は朽ちていきました。
しかし、ギリシア人の中にも、こっそりとこの地に残り、その後も暮らし続けた人たちがいます。
彼らが隠れ住んだ村の名前はジェミル(Cemil)。
カッパドキアの奇岩群が作り出す山の中にそっと隠れるようにジェミルの村はあります。
白い壁とギリシア装飾の窓枠。
ジェミルの村の中に立つと、そこは100年前の時がそのまま残されているかのように感じる場所でした。
そして、この村には、ギリシア正教の美しい教会であるジェミル教会があります。
現在は教会には鍵がかけられ中には入れませんが、格子窓や鍵穴から教会の中を覗くと、そこには美しいフレスコ画が残っていました。
外回廊の美しいアーチにも蔦が絡み、教会が現在の姿を保てていられるのは時間の問題かもしれません。
古き物は滅びるのは運命ですが、負の遺産として、保護できないモノか…と、時が止まったかのようなギリシア人の村を歩きながら考えてしまいました。
時が止まった村ジェミルとその村の教会であるジェミル教会に興味のある方は、Cemil Churchで検索をしてみてください。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 友人
- 観光の所要時間:
- 1-2時間
- アクセス:
- 4.0
- ムスタファパシャから車で15分ほど
- コストパフォーマンス:
- 5.0
- 村の見学に入場料は必要ないが、ここは生活の場。お静かに・・・。
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- 私達の他には観光客の姿は見なかった
- 展示内容:
- 5.0
- 100年前の時を感じられる場所
クチコミ投稿日:2015/05/31
いいね!:5票
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