同棲、結婚、離婚無し、墓地内同居!
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- 旅行時期:2012/10(約13年前)
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by 地中海人さん(男性)
パリ クチコミ:10件
[街歩き]モンパルナス墓地(ボーヴォワール、サルトル 追悼)
ボードレール、モーパッサン、デュラス、ゲンズブール、マン・レイなどが眠っているモンパルナス墓地は、メトロ エドガー・キネ駅近くにあります。
中央入口から右へすぐのところに、二人が一つの墓石の下、ともに眠っています。
同棲、結婚、離婚せず、毎日一度は食事をともにし、議論を戦わせた同志,
ボーヴォワールさん、サルトルさん。
あなた方は、生存中は毎日のように会っていましたが、一度も一緒に住んだことはなかったですね、今は、どうですか。
先に一人でゆったりしていたサルトルさんは、居心地悪いかもしれませんね。
サルトルさんの熱心な読者ではありませんでしたが、あなたの人生に真摯な姿勢はよく知っています。
あなたは、東京で開催されたシンポジウムで、若者から、アメリカ軍がベトナムに介入する前は一体何をしていたのか?と詰問され、あのやぶ睨みの眼を細め、恋愛に夢中だった、と答えたのでしたが、右翼に命を狙われ大変だったことを知るほとんどの聴衆は大爆笑でした。
ボーヴォワールさん。
あなたの、あの膨大な自伝集は、女性、いや20世紀の人間は、何を考え、どのように行動したかを記録した、現代文明の文化遺産として後世にのこるでありましょう。あなたほど真剣に人生を全うした人は。
ジェーン・バーキンさんが、あなたの精神をよく受け継ぎ、地震直後の日本に駆けつけてくれて、今世界中を回っています。
それにしても、毎日、パリのあちらこちらのレストランで、ゲストを招いての二人の議論で沸騰した食事はフランス人の人生そのもの。
その月1回のローテーションにあげられ、サガン(はそのメンバーになるのを3年待ったという)の翻訳で知られた朝吹登水子による「わが友 サルトル、ボーヴォワール」で、日常生活が垣間見られ、一気に身近に感じられました。
議論を副食にした食事の場面、ボーヴォワールが仕切ったサルトル最後の見送りの場面、この墓地までの10万人の葬列、を見たこともないのに眼に浮かびます。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 観光の所要時間:
- 1-2時間
クチコミ投稿日:2013/04/06
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