コピ ルアック

回答日：2013-08-17

ルアックコーヒーとは、ルアック（ジャコウネコ）のふんに混ざっているコーヒー豆を使ったコーヒーのこと。

ルアックはコーヒーの実を食べる習性があり、果肉の部分は体内で消化されますが、消化されない豆（種）の部分はふんに交じって排出されます。その豆を採取し洗浄、焙煎したのがルアックコーヒーです。

ルアックコヒーが珍重されるのは、自然の中でのルアックは完熟したおいしいコーヒー豆しか食べないので、そのコーヒー豆が非常においしいということと、体内で発酵するために、独特の香りがつくためです。

本来、ルアックコーヒーは野生のルアックが食べたコーヒー豆なので、採取される量は少なく、大変貴重なものでした。そのため価格も高く、自然のルアックによるルアックコーヒー（天然もの）は、１００ｇで数万円から数十万円します。

しかし、最近では農園やコーヒー工場でルアックを飼育し、その飼育されたルアックにコーヒーの実を食べさせたルアックコーヒーが出回っています（養殖もの）
この養殖物は、農園内で採取できるので、価格も非常に安くなり、１００ｇ数百円のものもあります。

ルアックコーヒーの定義からすれば、天然ものも養殖物も本物には間違いありません。ただし、天然ものはルアックが好む完熟したおいしいコーヒーの実なので、とてもおいしいコーヒーとなりますが、養殖ものの中には、完熟していない二級品、三級品のコーヒーの実を食べさせたものがあり、価格は安いのですが、味はたいしておいしいとは言えません。もちろん、養殖物の中には、完熟したおいしいコーヒーの実を食べさせた、おいしいルアックコーヒーもありますので、養殖物が一概にうまくないというわけではありません。

本物のルアックコーヒーの定義を「ルアックのふんから採取されたもの」とするのであれば、どこで買っても本物のルアックコーヒーです。

天然のルアックが食べたコーヒーとなると、まず入手は不可能です。

養殖ものの中でも、完熟したおいしいコーヒーの実を食べさせたもの、を見極めるのは困難です。判断基準として価格を見るしかありません。
１００ｇあたり1,000円を切るようなルアックコーヒーはまず、ろくな豆を食べさていないと判断できます。
最低でも、１００ｇ3,000円以上のものを探してください。

最後に、現在バリ島をはじめとしてインドネシア全体では、多くのルアックが養殖されルアックコーヒーが生産されていますが、そのほとんどの養殖場では劣悪な環境の中でルアックが飼育され、動物愛護の観点から大きな問題となっています。
はっきり言って、安物のルアックコーヒーを飲むくらいなら、ちょっと高めの普通のコーヒーを飲んだほうが何倍もおいしいのです。
単に珍しい、貴重だということから、ルアックコーヒーがもてはやされ、ルアックが劣悪な環境で育てられているという事実を少しでもいいのでご理解したうえで、ルアックコーヒーをご購入くだされば、幸いです。