2018年10月末に1名で1泊しました。古いプラナカン ショップハウスを、当時の面影を残しつつ改装したヘリテージホテルです。ヒーレンストリートにはプラナカンヘリテージホテルがいくつもありますが、あちこち見比べて、一番インテリアなどが好みだったこのホテルに決めました。
予約は公式サイト(http://courtyardatheeren.com/)が最安値で、なおかつ泊まりたいお部屋をリクエストしたかったので、サイトのフォームから予約を入れたところ、すぐに担当者からメール(英語)が来て、やり取りはとてもスムーズで、希望のお部屋も確約してもらえました。
実際に訪れてみたところ、ロケーションはヒーレンストリートのほぼ中央で、古いプラナカン様式の家がずらりと立ち並ぶ中にあり、「ババニョニャヘリテージミュージアム」もすぐそば、並行しているジョンカーストリートへもすぐで、最高の立地にあります。
ロビーも美しい繊細な装飾が施された家具やオブジェで埋め尽くされ、さながらプラナカン美術館のようで、テンション上がりました。間口が狭く、奥行が長い鰻の寝床の建物なので、途中の通路に採光窓もあります。
お部屋は希望通りのお部屋で、ベッドの天蓋枠や台座の部分に美しい彫刻が施されていて優雅な雰囲気が感じられました。
しかし他の部分は、残念ながらあまり高級感のある建材は使われておらず、清掃は一応されてはいるものの、やはり全体になんとなく古びた埃っぽさが感じられます。そもそもマラッカのこのあたり一帯が古くて傷みのある住宅が多いので、これはこれとして、こういうものなんだということで、そういう雰囲気もまとめて楽しめる方なら充実した滞在になることと思われます。
洗面所の前は狭く、バスルームはシャワーのみですが、とりあえず使用には問題ありません。ミニバー周りは残念ながらお世辞にもきれいとは言い難く、冷蔵庫は古くて汚れも目立ちました。このあたりも気にならないという方なら大丈夫だと思います。
古い家ですので、コンセントは日本の型のをそのまま挿し込めません。必ず「BF型」のプラグをご持参ください。私は忘れてしまったのでフロントに貸してもらったのですが、どうがんばっても挿し込み口が塞がっていて挿せないおもちゃのような作り物だったので、充電はあきらめて他の宿で行いました。
ジョンカーストリートは、週末は夜市が出て賑やかなようですが、平日は夕方を過ぎると日帰りの観光客がいなくなってしまうようで、一気に人通りのない暗くて寂しい雰囲気になり、私はちょっと怖かったので夜はあまり一人で外を歩きたくありませんでした。
朝食は通りを隔てて向かいの建物の「BABA 90」というレストランでしたが、残念ながら味は好みに合いませんでした。ババニョニャヘリテージミュージアムのすぐ隣にカフェ1511という雰囲気の良いお店があり、そこのコーヒーのほうが美味しいです。
全体的に、往時の雰囲気だけは味わえるのですが、正直なところそれだけだったかなという感じで(マラッカの街自体がかなり寂れていて退廃的な雰囲気を醸し出しているので、それが好みに合うかどうかといった問題もありますが)、1泊だけにしておいてここは正解だったかなといったところでした。