発電所銀座として多くの発電用ダムがある黒部川に造られた唯一の多目的ダム

5.0
旅行時期：2024/12（約1年前）

by kasakayu6149さん（男性）

宇奈月・黒部峡谷クチコミ：10件

宇奈月ダムは2001年（平成13年）竣工の重力式コンクリートダム

宇奈月ダムは竣工が2001年と比較的新しく、且つ国土交通省が管理するダムで地域に開かれたダムとなっています。
自然越流式が多い平成竣工のダムですが、一部は自然越流式のゲートも擁すものの多くの施設はゲート付きとしています。

ダム天端は遊歩道として開放されています。ダム下部には発電設備はあるものの、それ以外は減勢工以外目立った設備はありません。とは言え減勢工への流入路は「非常用洪水吐」「常用洪水吐」「排砂ゲート」等多様にあるため、しっかりとした造りとなっています。
宇奈月ダムは急流なため発電所銀座として多様に利用されている黒部川に造られました
黒部川には黒部ダムをはじめ多くの発電用ダムがありますが、実は皆発電専用ダムで多目的ダムは宇奈月ダムだけになります。そして此処より下流にはダムは無く黒部川最下流のダムとなります（農業用水取水のための石堤は除く）

「宇奈月ダム」によって形成されたダム湖は「宇奈月湖」と言います。
湖面に架かる赤い橋が印象的です
近くの宇奈月駅が起点の黒部峡谷鉄道は宇奈月湖右岸に沿って進んで行きます

黒部川は急流で水力発電所に適した河川ではありますが、上流域での崩落も多く、その分川の水に砂が多く含まれます（特に洪水時）ダム湖は水の流れが穏やかなので、その砂はダム湖に貯まり堆積してしまい、やがてダムは堆砂に埋もれてしまいます

なので宇奈月ダムは竣工当初より排砂設備を設けて定期的に排砂を行っています。
それはそれで富山湾の水質に悪影響を及ぼしてしまいます
中々難しい問題です

ダムカードはダム右岸にある資料館「大夢来館(だむこんかん)」で頂く事が出来ます