旧豪農・豪商を今に伝える　～　旧堀切邸

2.5
旅行時期：2024/05（約2年前）

飯坂温泉クチコミ：6件

飯坂温泉街の湯沢通りで中心地区に在る「旧堀切邸」は共同浴場・鯖湖湯と共に観光客に人気の観光スポットです。

名の通り旧堀切邸は江戸時代から続く豪農・豪商の旧家を補修・復原・一部新築により整備し、温泉街の観光交流拠点として平成２２年に開館し入館は無料です。

敷地面積は約４０００㎡（約１２３０坪）あり、明治１３年以前には現在の約２倍以上の面積があったと伝えられてる豪商に恥じない規模です。
当時からあった表門・主屋・十間蔵・井戸小屋で、他の裏門・離れ・下蔵・足湯などは整備された新築です。

主屋は明治１４年築の近代和風住宅で建坪は約８４坪あり主な部屋数は９部屋で、豪商の割には贅を尽くした豪華な雰囲気は無く、質実剛健を感じる賢い商家・堀切家であった印象を受けますした。
また、付随する蔵は３つも在り、全て明治築で用途別に使用されるほど豪商であったことが偲ばれます。

旧堀切家は戦国時代の天正６年に若狭国から上飯坂村に移住し川跡田畑４町余りを開作し農業・養蚕に力を入れたそうです。
また、村を流れる赤川が度々氾濫し被害がでるので堀を切って川の流れを変え、埋め立てた場所を田圃や宅地にしたことから地名を堀切とし、主を堀切と呼ぶように成ったそうです。

邸内には休憩処として足湯・手湯が有り誰でも自由に利用出来ます～、湯は点在する源泉から引いた５０℃を自然冷却して４０℃ほどなので熱くはなくかけ流しを愉しめます。

また、裏門から一本路地を歩けば旧花街跡の風情を感じるノスタルジックな世界です…、往時は隆盛の如く客が押し寄せた飲食・土産物街が今は忘れられたようにひっそりと佇むシャッター通りの侘しさ・はかなさを観ることが出来ます。