美術史の概要を理解する上では良い施設だが入館料が高すぎる。オリジナルを見た経験のある方は満足度は低いと思う。
- 3.0
- 旅行時期:2021/03(約5年前)
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by EuropeanTravelerさん(男性)
鳴門 クチコミ:7件
鳴門駅からバスで約15分。本数は多くアクセスは良い方です。
広い館内には全て陶坂で作成された複製が並びます。多くの作品がありますが現地で本物を見た経験のある方は満足度は少ないと思います。(実際、自分も満足度は低かった。)
美術史の概要を知りたい人には施設です。よく日本の展覧会で「教科書で見た」と話をしている人が多いですが、教科書とは別の作品で同じ画家のものと混同している人が多いです。一方、ここに展示してある複製は教科書や美術史の本に出てくる作品をセンス良く選んでいます。
展示スペースに入ると最初にシスティーナ礼拝堂(投稿写真3枚目)がありますが、ミケランジェロのフレスコ画のみ再現されていており、側面部あるはずの旧約・新約の物語のフレスコ画の再現がありません。この物語はルカ・シニョレッリ、ボッティチェリ、ギルランダイオ、ペルジーノ、ピントゥリッキオなどそうそうたる画家の作品なのですが再現されていなく残念です。
見学を順にしていくとルーベンス、ベラスケス、ティントレットなどの大作絵画はオリジナルにはない陶板のつなぎ目があり、見ていて気になり残念です。
一方でロヒール・フェン・デル・ウェイデン(投稿写真4枚目)やフェルメールなどの小品はつなぎ目がない一枚の陶板で作品が出来ているため鑑賞に堪えるものでした。
全体としての作品サイズが大作でもドゥッチョのマエスタ(荘厳の聖母)裏面(投稿写真5枚目)などは各画面が小さいため非常によく再現されておりシエナのドゥオモ美術館で見たオリジナルに遜色ないと感じました。
チヴァーテのサン・ピエトロ・アル・モンテ聖堂「龍を退治する大天使ミカエル」(投稿写真6枚目)は再現していること自体はありがたいですが、実物の写真(投稿写真7枚目)と比べると絵画周囲の彫刻がないため迫力に欠けます。
古代からゴシック期の作品は、日本に来日する機会がほとんどないので、じっくり鑑賞することをお薦めします。ロマネスク・ゴシック美術が好きな者としては聖マルタン聖堂の再現はうれしいです。(投稿写真8枚目)
印象派展示室の作品は厚塗りや筆触分割の再現に限界があるからでしょうか、オリジナルには遠く及ばないものでした。
また、貴婦人と一角獣のタペストリーもありましたが、繊維を陶板で再現したため違和感がありました。この作品はパリのクリュニー中世美術館でボーっと眺めるのに限ります。
大塚国際美術館以外に、地方にある大型美術施設しては熱海のMOA美術館と滋賀のMIHO MUSEUMを連想するが、あちらは全て本物で入館料は2000円未満。こちらは3300円で全て複製。入場料は高く感じました。
- 施設の満足度
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3.0
- アクセス:
- 4.0
- バスの本数は多い
- コストパフォーマンス:
- 2.0
- 人混みの少なさ:
- 2.0
- 混んでいました
- 展示内容:
- 3.0
クチコミ投稿日:2021/03/30
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