”東京の近代水道発祥の地”として大都市東京を支えていた設備です!
- 3.5
- 旅行時期:2020/10(約5年前)
-
-
by hiroさん(男性)
新宿 クチコミ:23件
『旧淀橋浄水場蝶型弁』は、現在の日本最大級のオフィス街として超高層ビル群が建ち並ぶ「新宿副都心計画事業」がスタートする以前に約34ヘクタールの土地に整備されていた首都である大都市東京に生活用水を供給するための”東京の近代水道発祥の地”とされる重要な施設「淀橋浄水場」で使用されていた配水バルブです。
蝶型弁(バタフライ弁)とは、管路内部に設置されている円板が回転し管路内部の断面積を変化させることにより水流量や水圧を調節する構造のバルブになります。
ちなみに「淀橋浄水場」は、江戸時代より江戸府内に生活用水を供給するため整備されていた「玉川上水」を明治維新後にさらに発展する大都市東京を支える近代水道整備が急務となり、「玉川上水」によって導かれた多摩川の水を当時としては画期的な規模の”沈でん・ろ過”施設として1898年(明治31年)に完成したのち1965年(昭和40年)に「東村山浄水場」へ機能移転するまでの明治・大正・昭和期の67年間にわたり大都市東京に上水を供給し続けた施設です。
『旧淀橋浄水場蝶型弁』の展示場所は、西新宿1丁目の「新宿住友ビル」が竣工した1974年(昭和51年)から敷地内の外庭の一画にありましたが、現在は2017年(平成29年)から大規模改修工事が実施され2020年(令和2年)7月にグランドオープンした全天候型屋内イベント会場となる「新宿住友ビル 三角広場」西側の一画にあります。
展示されている『旧淀橋浄水場蝶型弁』は、製造年が1937年(昭和12年)と刻印されている管路内径が1メートルの規模であり、1923年(大正12年)に発生した「関東大震災」で被災した「淀橋浄水場」の「玉川新水路」に替わり甲州街道の下部に導水暗渠を通水する改良工事の一環として1937年(昭和12年)に設置されたものと推定されています。
また『旧淀橋浄水場蝶型弁』は、2013年(平成25年)になると「新宿区地域文化財」(都市・産業分野)に認定されています。
今回は、西新宿を訪れた際にグランドオープンしたばかりの「新宿住友ビル 三角広場」に立ち寄り『旧淀橋浄水場蝶型弁』が展示されていることを知り、管路内径が1メートルもの大型な『旧淀橋浄水場蝶型弁』を見ながら、改めて”東京の近代水道発祥の地”である「淀橋浄水場」に関する近代史を学ぶことができて楽しめました。
機会があれば、『旧淀橋浄水場蝶型弁』のほかに「淀橋浄水場」貯水池の高低差を活かして開発が進められた「新宿新都心」の超高層ビル群を歩いて廻り高低差を体感しながら「淀橋浄水場」のついてもう少し調べてみたいと思います。
- 施設の満足度
-
3.5
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 4.0
- 新宿住友ビル 三角広場の一画に展示されています。
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- 特に立ち止まって見ている人はいませんでした。
- バリアフリー:
- 4.5
- 展示場所に段差はありません。
- 見ごたえ:
- 3.5
- 淀橋浄水場で実際に使用されていた昭和12年製造のバルブです。
クチコミ投稿日:2020/11/14
いいね!:2票
利用規約に違反している投稿は、報告することができます。 問題のある投稿を連絡する