京文化を伝えたお寺と庭園
- 3.0
- 旅行時期:2019/12(約6年前)
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by norisaさん(非公開)
静岡市(葵区・駿河区) クチコミ:17件
吐月峰柴屋寺(とげっぽうさいおくじ)いう小さな寺院では昔から竹の名所・月の名所として知られるお寺です。
国の史跡と名勝の指定も受けていますが、参道は昼なお暗い林の奥。
この吐月峰柴屋寺は室町期の連歌師だった柴屋軒宗長が1504年(永正元年)に隠居所として草庵を編んだ場所で、臨済宗妙心寺派に属す禅宗寺院だそうです。
この宗長は駿河の今川家城主の今川氏親から乞われてこの地に移り、茶の湯や抹茶の製法、そしてなにより京の文化を伝えたそうです。
今川氏親はあの桶狭間で有名な今川義元の父親ということです。
(ここに祀られているわけではないようです)
さて、宗長の造った庭園は何と500年もの間自然災害と無縁で今日まで伝えられているそうです。
宗長の像でお茶はもちろん京文化を駿河、駿府に伝えた僧だったそうで、氏親の厚い庇護がありました。
このお寺はそもそも和歌を詠むために設計されていると言っても過言ではありません。
即ち月や雪を愛でるための建屋になっています。
もちろんお茶室も隣接されています。
ここでお茶を頂き、ここや戸外で歌=連歌を今川家やその家臣、あるいは豪商と楽しんだことでしょうーー。
そしてなにより忘れてはいけないのはこの分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)です!
たぬきが化けた茶釜のおとぎ噺ですが、その茶釜が宝物棚に飾られています。
文化人として有名な足利八代将軍・足利義政の納めた茶釜で茶が飲めると話題になり、柴屋寺にはたくさんの観光客が来ましたが、お坊さんが持ってきたのは小さな茶釜でした。
この大きさではお茶席に並ぶ全員には到底まわらないなとガッカリしていたところ、お坊さんは「存分にお茶をお出ししますので」と約束し、実際小さな茶釜からどれだけお湯を掬っても一向に減る様子がなく、これにはお茶席に参加していた皆が驚いたのは言うまでもありません!
そこで、たぬきが化けているに違いない!文福茶釜だ!と、将軍の茶釜で有名なお寺から文福茶釜で人気のお寺へ変わったそうです。
とても古びたお寺で規模も小さく、アクセスも車かバスくらいですが、道も広くないので注意が必要です。
しかし、それゆえに市内中心部からは想像できない静けさと幽玄さを味わえます。
駐車場は5、6台程度あります。
- 施設の満足度
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3.0
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦
- アクセス:
- 3.0
- 人混みの少なさ:
- 4.5
- バリアフリー:
- 3.0
- 見ごたえ:
- 3.5
クチコミ投稿日:2020/01/19
いいね!:34票
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