壮大な歴史大河ロマンが聞けるのは土曜日!
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- 旅行時期:2020/01(約6年前)
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by しそまきりんごさん(男性)
野田・普代・田野畑 クチコミ:3件
土曜日に訪れると壮大な歴史大河ロマンを聞くことができます!
ご年配の解説員の方がいて、土曜日のみを担当し、時間があるという方、もしくは歴史に興味がある方限定で、解説ビデオにとどまらず、詳しい解説話をしてくれます。展示やビデオだけでは分からない、それぞれの背景や深い意味を教えてくれました。幅広く、深い知識に裏打ちされ、歴史とは何かということをとてもよく心得ていて、老獪な技を繰り出すように様々なエピソードを披露し、またこちらのいろいろな質問にも丁寧に的確で納得のいく答えを出してくれました。
アテルイと坂上田村麻呂、源為義、源頼朝、源義経、北条政子、北条義時、南部氏、畠山氏、佐々木氏、九戸政実…と続いていく歴史ドラマを聞くことができます。はて? ここは三閉伊一揆の話が聞けるところではないの? と思うかもしれませんが、全ては仕組まれた謀のように、偶然か必然か、歴史はその一極へと止まることを知らずに流れ込んでいくのです(出来過ぎた話ではないので、しっかり理解することが必要です)。まるでサスペンスドラマの最後に名探偵が行う推理と解説のように、全ては納得のいく理由でつながり、一点へと結びつきます。
勿論、一揆の話がメインです。唯一、一人の処罰者もださずに”成功”した一揆…。
しかし、1回目の指導者はだまし討ちに遭い、獄死?しました(相当賢く、頭が切れ、用意周到で、忍耐強かったにも関わらず…です)。
2回目の指導者はどうだったか…。解説ビデオに「その後」は出てきません。質問してみてください。彼の最期を。役人たちは明治という新しい時代になっても、決して彼を許そうとはしなかったようです。とてもやるせない気分になります(だまし討ちと知りながらわずか百騎ほどで数万の大群に向かっていった畠山重忠並みですね)。
現在、三陸鉄道のバス代行(田野畑ー久慈)により、資料館へは公共交通機関でとても寄りやすくなっています(田野畑役場前下車)。資料館では、ただ展示を見るだけなら、ビデオを含めて20-30分ですが、話を聞くなら、その盛り上がりにもよりますが、1時間はほしいところです。こちらではついに2時間を超えてしまいましたが、冬は館内が寒く、厚着をして訪れた方がよいです(焼石に水程度の暖房があります)。バスの運行ダイヤの関係で、余った時間は、田野畑太助の生家や墓を訪れたり、その途中で彼が生前、見ていたであろう故郷の景色を眺めたりして過ごしてみてはいかがでしょう。
資料館を訪れてみて、歴史とは人々、特に数人の為政者の心の機微が影響し、その考え、行動が後の世の人々の運命を左右し、地域の産業や文化まで作り出していると感じました(地理や気候だけではないのですね)。勝者も敗者も己の夢や理想、プライド、エゴ、欲を求めて行動し、格闘して歴史が紡がれてきたのですね。最後に南部氏恐るべしです。伊達や津軽に隠れて平々凡々な藩と思っていましたが、生き残り戦略は裏で相当なものがありました。
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 4.0
- 2020年1月現在、三陸鉄道(田野畑-久慈)が代行バスのため、一時的に公共交通機関でのアクセスがしやすい
- コストパフォーマンス:
- 4.0
- 分からないことを質問したり、お話をじっくり聞いたりすればかなりお得
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- 訪れた日は無人でした…
- 展示内容:
- 3.5
- 解説を聞けば、展示物の意味合いがより深まります
- バリアフリー:
- 3.0
クチコミ投稿日:2020/01/15
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