唐人墓

江戸時代末期に起こったロバート・バウン号事件の犠牲者を合祀しています。

4.0
旅行時期：2016/09（約8年前）

by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん（非公開）

石垣島クチコミ：56件

1852年2月に厦門で集められた苦力（クーリー：奴隷）がカリフォルニアへと送られる際に、米国人船員達の暴行に耐えかねて蜂起し、7名を殺害します。そして台湾へと向かうものの石垣沖で座礁し、約380名が石垣島へ上陸した際に、石垣村の住民が小屋を建てて彼らを収容します。しかしその後米英の海軍が石垣島へと来島、砲撃を加えた挙句武装した兵士が上陸し山中に逃げ込んだ中国人達を殺害したという『ロバート・バウン号事件』が起こりました。

多くの犠牲者を出したものの当時の琉球政府や石垣の蔵元や住民達は人道的配慮から食料や水などを密かに運び、事件後の交渉に於いて翌1853年には琉球政府が船舶二隻を仕立て、172名の生存者を福州に送還します。

その当時は色々な場所に中国人が埋葬された墓が、島中に点在していたとのことでしたが、昭和46（1971）年に台湾政府や在琉華僑の支援も受けて、石垣市がこの地に『唐人墓』を建立し、現在に至っています。

人がほとんど訪れないような場所ではあるものの、中国様建築の立派な墓が建立され、その史実を伝えています。確かに昨今のそのお国の言動には目に余るものが多々あることは間違いありません。日本人観光客には勿論のことですが、石垣島を訪れているそのお国の方々はこのような場所を訪れることがあるのでしょうか？僅か150年程前の出来事であり、その処遇に対し、なにも思わないのか？それともどうでもいいのか？それは本当に痛感しました。

自国の被害を言うことは容易いのかも知れません。しかし他国で行われた自国民に対する処遇を認められることができるのだろうか…そう思えて仕方がなかった唐人墓の来訪でした。