砲兵山吹之塔

萬華之塔の敷地内にあり、砲弾が取り囲む慰霊碑です。～砲兵山吹之塔～

5.0
旅行時期：2016/03（約8年前）

by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん（非公開）

糸満・ひめゆりクチコミ：203件

糸満市真壁の萬華之塔の敷地内にある砲兵山吹之塔は、沖縄戦末期にこの地で玉砕した野戦重砲兵第一連隊長山根忠大佐以下将兵739名を祀る慰霊碑です。昭和41（1966）年6月に同連隊の生存者によって建立されました。

慰霊碑には明治天皇の?忠霊?と題する御製（ぎょせい：天皇が詠んだ和歌のこと）が刻まれています。軍に関係する慰霊碑には賛否はあるものの、その御製が刻まれた理由が当時連隊の中隊長だった元皇族の肝入りだったこともあり、かなりのバッシングがあったようです。

真壁集落の住民が遺骨を集めて建立した萬華之塔の前に建っていることも、反感をかった理由のひとつであることには違いありません。確かに戦争を彷彿させる砲弾が碑を取り囲むように置かれていることは、戦争によって身内を失った遺族概念を逆なでることになるところもないとは言えません。しかし野戦重砲兵第一連隊には沖縄県立第一中学校の生徒が一中鉄血勤皇隊として戦いに加わり、その多くが犠牲になりました。

碑の建立についての沿革には不満があれど、やはり犠牲となった人々の慰霊碑として敬う心を持つことは必要ではないでしょうか。