味は良いですよ、味はね

3.5
旅行時期：2016/02（約10年前）

by T04さん（非公開）

浅草クチコミ：128件

もう何年も前のこと、ここの天ぷらそばの写真を見て、「いつか…」と心に誓っていました。上品そうな汁に喉越し良さそうな細めのそば、その上に乗る２本の大きなエビ天、その衣は黒っぽくないことから、おそらく白胡麻油を用い…と、食べたこともないのに想像だけで数年間も楽しみました。そして、ついに、その日が来たのです。自宅からはるばる東西線と銀座線を乗り継ぎ、約30分で浅草「尾張屋」前に到着しました。このお店、創業は1870年ということですから、もう145年以上も前ということなんですね。時間は午後２時前でしたが、１階はほぼ満席。お運びさんのお兄さん・お姐さんは年季が入ってはいますが、入り口に立つ私をスル―。入り口には会計用のカウンターがあって、こちらには(立って仕事をするのが難しい程)うんと年季の入ったお姐さんが座っており、こちらのお姐さんに食事をする旨を申告し、さらに空席の有無を確認すると、やっと着席の許可が下りました。案内されたのは唯一空いていた６人掛けのテーブルで、先客に家族連れ客３人がお母さん・娘さん２人・お父さん１人に分かれて食事をしており、私はお母さん・娘さんが座っている側を指定されました。その直後に御同輩風の一人客が私の目の前に案内されましたので、どうやら入れ込み座敷のシステムを踏襲しているようです。ビールを注文したら乾きものが付いてきましたが、日本酒を注文した御同輩には焼き味噌らしいものが届けられていましたので、その点では、なかなか気が利く店らしいです。ただ料理を運ぶテーブルを指示する声などが大きすぎるのは感心しません。さて、憧れていた天ぷらそばは想像通り雑味のない汁、そばはチュルチュルと喉に吸い込まれ、大きな車エビを包む衣も嫌みがないものでした。汁にはほのかに柑橘の香りがありましたが、道理で食べている途中で蜜柑の皮らしい一片が出てきました(漉し忘れかな？)。接客姿勢やシステムは今一歩ですが、そばは美味しくいただきました。