高野山信仰を辿る道
- 4.0
- 旅行時期:2014/09(約11年前)
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by はま一号さん(女性)
高野山周辺 クチコミ:2件
友人に誘われ高野山町石道(ちょういしみち)を登ることに。高野山への登山道の中でも一番古く険しい、弘法大師空海が開いたとされる道です。金剛峯寺の根本大塔を始点として、ふもとの慈尊院までの22kmの道のりに一町(109m)ごとに一基、合計180基の町石という道しるべが並んでいます。3mほどの石製の卒塔婆である町石には根本大塔をゼロとしてそれぞれに数字が降られており、参詣者はあと道のりがどのくらいの距離であるかを知ることができます。
運動神経はおろか体力・持久力に無いことに昔から定評のある私としては、勢いで決めた初登山だったので不安どころの話ではありませんでした。
結果としては、ズタボロになりながらもなんとか登り切ることができました。かかった時間は8時間ほど。真夏に近い季節で、最後の一時間に大雨に降られたことを考えても厳しい道のりでした。
ですが登り切れたのは普段小学生向けのキャンプ体験を指導してらっしゃる方がいたことが大きいです。その方なしでは絶対に不可能でした。登山雑誌などでは初心者でもぎりぎり登れる道として紹介されているようですが、本当にぎりぎりです。(とはいえ、壮年の男性が一人で悠々と私たちを追い越していくことが何度かあったので、慣れている方には本当に易しい道なのでしょう・・・。)本当に傾斜が急なのは最初と最後の一時間なので、それをあらかじめ知って心構えをしておけば幾分楽かもしれません。ちなみに挙げた写真では比較的歩きやすそうな道が映っていますが、これは写真を撮る余裕があったのが楽な道の時だけだったからです・・・。
しかし登山の苦しさは実りある苦労でもありました。急な傾斜を過ぎ山の尾根近くをそって蛇行する中盤は、自然の変化を見る余裕ができてとても楽しかったです。よく見れば様々なキノコが生えていますし、早くも柿や栗がなっているところもありました。また植生や石質も多様に変化していきました。石質ひとつ取ってみても、和歌山城の石垣にも使われている青石や、もっとキラキラした欠片の入ったもの、丸みをおびて平板なもの、白地に褐色の線状模様が入っているものなど、入れ替わるように変化していき驚きました。
鎌倉時代から残る町石をひとつひとつ数えながら辿っていくのも楽しいです。空海や過去の巡礼者の人々が同じ景色を見ながら登っていったことを思うと感慨深い。密教というのは山岳信仰と深く結びついていますから、真言密教を学ぶ上でとても大事な感覚を得られたようにも思います。
私のように軽い気持ちで行くことはお勧めしませんが、登山が好きな方、自然に興味が好きな方、仏教や修験道に興味がある方にはお勧めです。虫がそれはもうそこかしこにいますし身体にもくっついてきますので、虫が嫌いな方は・・・我慢するか断念するかしましょう。
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- 友人
- アクセス:
- 3.0
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- バリアフリー:
- 1.0
- 見ごたえ:
- 4.0
クチコミ投稿日:2014/10/29
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