落胆、驚嘆、感嘆
- 3.0
- 旅行時期:2014/10(約11年前)
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by pooshampooさん(非公開)
鳴門 クチコミ:12件
美術が好きで世界中の美術館に行った。
陶板複製画とはどのようなものか興味があって、徳島へ行ってみた。
入場してすぐ、システィーナ礼拝堂の巨大な複製壁画を見上げる。
ものすごいガッカリ感に襲われた。
のっぺり平面なのだ。
建物の凹凸も平面に置き換えられているため、違和感がある。
確かに原寸大で再現したその巨大さには驚くが、荘厳さや深みがない。
次に、フェルメールの小部屋をのぞく。
青いターバンを巻いた真珠の首飾りの女がこちらを振り向いている。
他に観客はいないのだから私を見ているはずだ。
東京の展覧会では、人だかりの向こうにほんの数秒だけしか視線を合わせることができなかった。
それなのに、なぜかこちらから目をそらしたくなってしまうような居心地の悪さに襲われる。
古代のモザイク画や礼拝堂を再現したコーナーでは、凹凸のあるモザイクを平面にした複製を見続けているうちに、チープさばかり目についてしまって、作品を鑑賞できない。
なんだこの落胆は。
順路に従って次の階へ上がる。
ルネサンス期の絵画がならぶ。
もともと平面の絵画を複製したものはそれほどニセモノ感がなく、すんなり鑑賞することができた。
額縁もしっかり再現してあるので、意外と違和感がない。
ラファエロの聖母子像などは陶板の良さが活きている。
最後の晩餐は修復前と修復後の両方を展示してある。
こういった展示方法はこの複製画美術館ならではだろう。
モナリザの前には誰もいない。
モナリザとツーショットで写真が撮れるなんて、ルーブルでは考えられないことだ。
レンブラントの作品が並ぶ区画では、また虚脱感に襲われる。
なんだ、この軽すぎるレンブラントは。
影も深みもまるでない。これはレンブラントではないよ。
次の階へ。
裸のマハと着衣のマハを並べて展示してある。
美術のお勉強には良いことなのだろう。
アングルの泉は良いが、となりのグランドオダリスクは肌の微妙な色合いが全く再現されていない。作品によってクオリティにばらつきがありすぎる。
ポンパドゥール夫人のパステル画の再現度はひどい。
材質によって陶板での再現に得意不得意があるのかと思うが、ドガのパステルはなかなかなので、単にこの画だけの問題なのか。
ナポレオンとジョゼフィーヌの戴冠式の絵は驚嘆した。
こういった巨大な絵は再現力がなかなかだ。
次の階のゲルニカの再現力はなかなかだが、大きいだけで、訴えてくるものが何もないのが気になって仕方がなかった。
これが複製の限界なのか。
一通り順路をたどって2時間半。
足は何ともないが、ひどく疲れた。
陶板複製画の技術力は感嘆するが、自分の見たかった作品の再現力が低かった時の落胆に打ちのめされるのだ。
3240円という入場料に見合うものではない。
美術に興味ある人は落胆するだろうし、美術に興味のない人にはお金の無駄だ。
落胆、驚嘆、感嘆。
感情に揺さぶられすぎる美術館だ。
余談。
チケットに日付スタンプを押してもらえば、美術館を出て鳴門の渦潮を見学に行ける。
歩いて15分ほどで展望台につく。
疲れたら、気分転換に行ってみるとよい。
スタンプがあれば再入場は無料だ。
- 施設の満足度
-
3.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- アクセス:
- 4.0
- コストパフォーマンス:
- 2.0
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- 展示内容:
- 3.0
- バリアフリー:
- 4.0
クチコミ投稿日:2014/10/14
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