青く澄んだ遠浅の海に歴史ドラマを想起して

3.5
旅行時期：2013/10（約12年前）

平戸・生月島クチコミ：30件

長く続く千里ヶ浜。国道383号線で平戸の中心部方面から海岸沿いを行き、浜がそろそろ終わりに近づく頃、きれいな砂浜の海岸にわずかな岩礁が見えます。浜沿いを走る道路のすぐ下です。記念碑のような棒状の石もあります。
江戸時代の初め、中国では衰えかけた明に代わって清が台頭してきましたが、その明を助け大活躍した鄭成功が生まれたとされる場所です。中国人の父に日本人の母を持ちますが、その母が貝拾いに来た際、急に産気づき、この岩の所で鄭成功を産んだとのことです。
行ってみると、西国の青く澄んだ遠浅の砂浜で、昔はきっと今のような道路や家並みもなく、鄙びた静かな場所だったと思います。はるか昔の江戸時代、中央から遠く離れたこの温暖な島で、人々の心も明るく純粋で素朴。歴史大河ドラマみたいなストーリーが想起されます。きっとかわいらしいお母さんだったのでしょうか。
アクセスは平戸桟橋からバスで20分ほど。「川内入口」で降りて100ｍほど戻ったところにあります。なお、道路から砂浜に降りるには、更に100ｍほど戻ると石段があります。
着いた時には、児誕石は傾いた日を受け、誰もいない砂浜に静かに佇んでいました。英雄の死後も遠浅の海に潮騒がずっと響いていました。