三井の晩鐘
- 5.0
- 旅行時期:2008/07(約17年前)
-
-
by 山菜迷人さん(男性)
大津 クチコミ:4件
思うその暁ちぎるはじめとぞ
まづきく三井の入あひの声
広重の『三井の晩鐘』で有名な長等山園城寺、通称三井寺を訪ねたのは、海の日の連休のことだった。愛車ラウム君とコンビを組んで最初のロングドライブとなった。
三井の晩鐘にまつわる近江の悲しい民話。
びわ湖で漁をしている若い漁師がふとしたことで美しい娘と知り合い夫婦になって子供をもうけた。ある日、妻は本当の姿を知られてしまったため、琵琶湖の竜宮に呼び戻されてしまう。・・・やむなく夫は昼間はもらい乳をして子供を育て、夜は浜へ出て妻を呼ぶ。すると妻があらわれて乳をのませては、また沈んでいく。こんな毎日が続いたあと、妻は自分の右の目玉をくりぬいて『これからは乳の代わりにこれをなめさせてください。』と夫に渡す。半信半疑で、泣く子にその目玉をなめさせてみますと、ふしぎに泣きやみましたが、毎晩のこととてやがて目玉をなめ尽くしてしまう。そして、今度は左の目玉をもらって子供に与える。そのとき、妻が『両方目玉がないと方角もわかりませんから、毎晩子供を抱いて、三井寺の釣鐘をついてください。その音であなたがたの無事を確かめて安心しますから。』という。それから毎晩三井寺では晩鐘をつくようになり、竜女はその鐘の音を聞いて心安らかに暮したのだという。
残念ながら金堂は工事中で、足場が組まれシートに覆われていた。三井の晩鐘の他、弁慶の引き摺り鐘や国宝の光浄院客殿・新羅善神堂など見どころは多い。観光客の多い京都の寺社と比べ、地味に見えるが、落ち着きがあって僕には好ましく思えた。
写真中央の建物の中に、三井の晩鐘があり、今でも鐘の音が絶えない。日本の音風景100選に選ばれており、夕暮れ時に響き渡る三井の晩鐘の鐘の音は、郷愁をそそる気持ちの落ち着く音であった。
評価:☆☆☆
- 施設の満足度
-
5.0
- アクセス:
- 4.0
- 人混みの少なさ:
- 4.0
クチコミ投稿日:2008/08/23
いいね!:1票
利用規約に違反している投稿は、報告することができます。 問題のある投稿を連絡する