恐山−琴線に触れる寂寞感
- 5.0
- 旅行時期:2004/08(約21年前)
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by でかさん(男性)
下北半島 クチコミ:1件
恐山を初めて訪れたのはある晩夏の朝だった。
空には薄く千切れた雲が浮かび、まもなく訪れる秋の気配を感じさせた。清々しい風が吹き抜ける中、忽然として立つ山門を抜け、境内に足を踏み入れると、何ともいえない荒涼とした景色が目の前に広がる。むき出しの白い石灰岩の地肌がなだらかにうねり、水子の魂を弔う小石の塚が点在する。プラスチックのいかにも安そうな風車が塚に備えられていて、風を受けてカラカラと回る。そんな景色だ。
恐山といえばおどろおどろしい場所という印象が強く、観光名所としてはキワモノ扱いだろう。しかし、その景色のなんとも言えない非日常的な美しさは私の琴線をかき鳴らした。夏の日差しを受けてまぶしい白さを照り返す地肌や南国の海を思わせるような宇曽利湖の青い水面は今も目に焼きついて離れない。
賽の河原で子供を守るという大小数々の地蔵菩薩を見ながらザクザクと地面を踏み鳴らし、気の向くまま散歩していると、何か寂寞とした思いが心の中に募ってくるのである。
私は都合2度、恐山を訪れた。そしていつか3度目の訪問を叶えたいと思っている。
- 施設の満足度
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5.0
- アクセス:
- 1.0
- 人混みの少なさ:
- 3.0
クチコミ投稿日:2007/06/12
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