木ノ芽峠の言奈地蔵は、福井県の嶺南と嶺北を隔てる分岐点である、木ノ芽峠のすぐ近くにあります。
この地蔵さんにまつわる、興...
続きを読む味深い言い伝えがあります。
昔々、馬子権六が大金を持った旅人を乗せて、木ノ芽峠を越えていました。
権六は旅人のお金が欲しくなり、峠で旅人を殺して金を奪ってしまいます。
しかしそれが地蔵の前であったことに気付き、「地蔵言うな」と独り言を言いました。
すると地蔵から「地蔵言わぬが己言うな」と言い返されました。
権六はホッとしてその場を去ります。
歳月はすぎ、権六に再びこの峠を越す機会がおとずれました。
旅人と道連れとなり話をしながら歩いていると、この地蔵の前までやって来ます。
権六は過ぎた自分の悪事を、ここで語ってしまいます。
実はこの旅人は殺された旅人の息子で、親の仇を訪ね歩いていた最中でした。
息子は名乗りをあげて、権六を討ちとったとのことです。
このお地蔵さんは、弘法大師の化身と言われているそうです。
大師の優しさが伝わる一方、人間の愚かさも伝わってきます。
今庄365スキー場を車でどんどん登っていくと、30台ほど停められる駐車場があります。
そのすぐ上に、言奈地蔵が安置されている茅葺屋根が見えます。
徒歩数分です。
私たちが行ったとき、地元の人と思われる男女が、お掃除をされていました。
地蔵さんからも駐車場からも、よい景色が眺められます。
お地蔵さん自体は浅く掘られており、あまり立体感はありません。
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投稿日:2015/04/20