冬の美しさを堪能してきました

標高1450m、ほぼ奥日光の北裏側の山に在る手白澤温泉へ
2015年１月に行ってみました。
歩いてしかゆけない宿、しかも山奥なので
冬は無理かもと思っていたらちゃんと通年営業中とか
聞くとバスや車の終点【女夫淵】からは
除雪してある林道か積雪がある遊歩道を
踏み後を頼りにしながら歩けると云う事でした

【女夫淵】にマイカーを駐車し様子を見ると
奥鬼怒スーパー林道は綺麗に除雪してあったので
快適そうな林道コースを歩くことにしました。
途中、奥鬼怒の冬の山々が眺望出来
なかなか味わえない素敵な景色を見ながら休み休み３時間
さほど急で怖い思いもせず手白澤温泉へ到着。

明るい声で出迎えられた建物はちょっとモダンな佇まいで
館内に入ると驚くほどの暖かさ！？
聞けば全館床に温泉利用の暖房が施されていると云う事で
館内は薄着で充分過ごせる暖かさでした。
館内すべて綺麗に磨かれていて維持の努力も伺えます。

早速メインのお風呂へ入浴
客室わずか６部屋なのにお風呂は男女共広々しています
大きな温泉旅館でもガッカリな広さのお風呂も多いので
これは本当に素晴らしいと感じましたし
贅沢気分の入浴にとても満足でした。

しかも内湯の一面ほぼ全ては
全解放出来る湯舟から天井までの大きな窓になっており
まるで露天風呂の様な趣があるのが素晴らしかったです。
露天風呂は内湯のドアを開けると直ぐに在り
こちらも大きな岩で作られた野趣満点な造りで
真っ白に雪化粧し柔らかな起伏をつくる手白沢と
対岸の迫り来る冬の原生林の景観が素晴らしいかったです。

広い脱衣所から部屋へ真っ直ぐ伸びる通路の傍らに
飲み物の冷蔵庫が置かれていますが
驚くべきはセルフとなっていて、好きな飲み物を勝手に取り
置かれているカゴに料金を入れる仕様！
おつりもまた自分でカゴの中から取る様になります。
しかもその料金がとても良心的で
ビール300円ペットボトル150円など
この宿の良心を垣間見た気がいたしました。

食事は朝晩共、廊下を隔てた吹き抜けの食堂で
食卓の上には大きな飾り梁が設けられていて
広々と開放感とセンスにあふれています。
料理にも期待が高まる中、天然木の素敵なテーブルに
まるで高級レストランの様なメニューカードが
個人個人に添えられていました。

料理は和洋折衷のコース料理となっており
前菜/魚料理/肉料理と多彩な品々です、しかも
これまた驚くべきは、個人個人の食事ペースに合わせて
出来たてを持ってきてくれる心遣いです。
多くの客を取らずもてなしを大切にしている事が伺え
素敵に感動してしまいました。

食堂隅には立派なワインセラーがあり
これまた驚くほどの良心的な価格で提供されています。
ふんだんな料理に調子に乗りワインを飲み過ぎて（苦笑）
酔いが少し覚めた夜半、温泉に行ってみましたが
源泉そのまま掛け流しで２４時間入り放題はとても良く
澄んだ冬の空にきらめく銀河を眺めながら入浴しました。

これだけ広い建物で客室は６室しか無いなんて
初めての経験でしたし
そのゆったり感とサービスにはとても満足
雪道を歩いてゆくだけの価値が充分にあった温泉宿でした。

主人の話しによると６月の梅雨に入るころ
ブナ原生林の山々が一番美しい新緑を迎え
時に空気まで緑に染まる美しさがあるそうです。
是非今度は新緑の手白澤温泉へ出掛けたいと思いました。

クチコミ投稿日：2015/02/04