サンルイス (1) ー 朽ちた世界遺産

2017/08/01 - 2017/08/01

サンルイス、ブラジル北東部マラニョン州の州都です。

最近では、レンソイス・マラニャンセス国立公園への入り口として、日本でも知られて来ていると思います。４Tの旅行記を見ても、レンソイス・マラニャンセスの付録のように、サンルイスを紹介している旅行記が多いです。

サンルイスの歴史的街並み地区（Centro Histórico）は、１９９７年ユネスコ世界遺産に登録されました。このため観光地としては立派な箔が付いています。しかしながら実際行ってみると「なにこれ？」と言う位、荒れています。
私も世界遺産登録前にサンルイスを訪問し、今回再訪しましたが、大して変わっていないような気がします。素材としては良いものを持っているのですが、いかんせん、お金が無いのです。

サンルイスがあるマラニョン州は、一人当たりGDPで、ブラジルで２７州ある内の最下位の２７位、ブラジルで最も貧しい州なのです。

２０１４年のブラジル一位は、ブラジリアがあるディストリート・フェデラル（DF）の６万９千レアル、二位のサンパウロ州が４万２千レアルです。しかし、マラニョン州は１万１千レアルしかありません。

１位　 DF 　　　　　 ６万９千レアル
２位　 サンパウロ州　４万２千レアル
２７位 マラニョン州　１万１千レアル

※ 旅行時期はダミーです

エリア サン・ルイス(ブラジル)

サンルイス国際空港（SLG）、結構綺麗です。

しかし搭乗口が７つしかないし、ゲート前の待合室がとても狭いです。

マレシャウ クーニャ マシャード国際空港 (SLZ) 空港

空港外観

今回は暇だったので、バスを使ってサンルイス市街に行きます。
バス停は空港ターミナルを出て、すぐ前の道路を渡り、左の方向に行くとあります。

バス料金はなんと、２．５レアルです。ブラジル南部に行くと４レアルを超えていますが、流石安いですね。

車内に座っているコブラドール（料金徴収人）に払って、ゲートを超えます。

サンルイス市内では、様々な色のバスが走っていますが、これは運営会社によって色が違うためのようです。全く同じ路線のバスなのに、車体の色が違うものが走っています。

走り始めて暫く経つと、物凄い雨が降ってきました。道が洪水になっています。

空港からのバスは、セントロ（街の中心）に行くのは確認したのですが、行き先はXXXプラザまでだそうです。XXXプラザが分からなかったので、それらしき所で降りれば良いと思っていました。
気が付いたら、セントロを通り過ぎ復路に入っていました。既に空港に半分ぐらい戻っているようです。慌てて、コブラドールに近くのタクシー乗り場を聞いて、降りました。

タクシーでホテルまでは２０レアルでした。空港から歴史的街並み地区までは５０レアルなので、半額位ですかね。

これが空港からのバスが停まるXXXプラザこと、デオドロ広場（Praça Deodoro）です。別の日に撮影しました。

ここが街の中心かは判りませんが、歴史町並み地区とは１ｋｍ以上離れています。

広場の近辺には、スポーツ施設や図書館などの施設があります。また市内バスもバスターミナル出発した後に、この広場を経由するようです（全てでは無いと思います）。

写真はベネジット・レイテ図書館（Biblioteca Pública Benedito Leite）、マラニョン州で一番大きい公共図書館だそうです。

商店の建物も古い

修復中の壊れかけの建物、全面にタイルが貼ってあります

サンルイスの特徴は、歴史町並み地区とセントロ地区の景観に、あまり違いがないことです。セントロ地区の建物も古いし、ボロボロ。

そして今回泊まるホテルは、グランデ・サンルイス（Grand São Luis）です。

ここはサンルイスでも、由緒正しいホテルです。歴史的街並み地区にあり、市役所の一ブロック隣りにあります。

ロビーの壁には、サンルイスの歴史が詳しく解説されています。

２０年前初めてサンルイスを訪れた時、まともに星が付いているホテルはここと、海岸沿いの別のホテルの二軒しかありませんでした。サンルイスには、ホテルも無いと衝撃を受けました。

客室

部屋の一角には、タイルが貼ってありました。

サンルイスは、タイルの街（Cidade dos Azulejos）と呼ばれるほど、タイルに対しては並々ならぬ思い入れがあります。

ここにも、サンルイスを代表するホテルとしての自負を感じます。

歴史的街並み地区に立地しながら、このホテルには屋外プールも併設されています

設備は流石に古くなってきていますが、このホテルにはポテンシャルがあります。
ただ蛇口からポタポタ水漏れするなど、いろいろ小さな問題がホテルが苦境なのを感じさせてくれます。

このため、星付きで便利な場所にあるのに宿泊料は格安です。それに釣られたのか、ヨーロッパ系などの外国人観光客がたくさん利用しているようです。

ホテルの隣は、 セー教会（Igreja da Sé）

セー教会、別名は、サンルイス・マラニョン・カテドラル（Catedral de São Luís do Maranhão）

セー教会 寺院・教会

世界遺産リストに指定されている教会です。１６２２年に最初の礼拝堂が建設されてから、歴史が始まります。

セー教会の斜め向かいには、商業宮殿という名のボロボロの商業ビルが建っています

セー教会の横は、ベネジット・レイテ広場（Praça Benedito Leite）。
この広場に面している建物もボロボロだけど、よく見ると味わいがあります。

ベネジット・レイテは図書館の名前にも使われていましたが、２０世紀初頭にマラニョン州の知事を務めた政治家です。

ホテルの隣の隣は、サンルイス市役所

この、ドン・ペドロ２世広場（Grande Praça Dom Pedro II）にはマラニョン州の重要施設があります

裁判所

そして市役所の隣にあるのが、ライオン宮殿（Palácio dos Leões）

１６１２年、フランス人司令官 Daniel de La Touche が、フランス王ルイ９世に敬意を表して、サンルイスという名前の要塞の建設を始めました。
１６１５年にフランスが駆逐された後、要塞はポルトガル人によってサンフェリペに改名されました。
１６２４年、要塞を総督の住居用に石造りで再建します。

サンルイスは１６４２ー１６４４年の間、オランダ人によって占領されます。

１７６６年、古い要塞を取り壊し、新しい宮殿の建設を始めます。

正面玄関の両脇には、ライオン像が設置されています。この像がライオン宮殿の名前の由来になりました。

広場から一歩脇道に入ると、寂れた古い町並みが現れます

この位綺麗な建物ばかりだったら、良いんでしょうが・・・

現実はこんな感じです

暫く世界遺産の古い町並みを、ご覧ください

タイルが綺麗な建物

政府機関も古い町並みの中に、点在しているようです

ボロボロですが・・・

道路の上に掛かっている旗が可愛い

タイルで有名な建物

専門のガイドが解説すると、いろいろな物語があるようです

廃墟はそこら中にあります

外壁を残して崩れています

メルセス修道院（Convento das Merces）

サルネイ元大統領の膨大な寄贈品が展示してあるそうです。

ジョセ・サルネイはマラニョン州知事の後に、第３１代ブラジル大統領（1985-90）を務めました。ちょうどその頃に、インフレが爆発しハイパーインフレになったのです。このため、非常に不人気な大統領でした。

メルセス修道院 寺院・教会

こんな狭い路地でも、（観光客向けでない）商店が営業していたりします。

デステホ教会（Igreja do Desterro）

ブラジル唯一のビザンチン様式が残る教会。ガイドブックのよっては書いてあることが違うのですが、サンルイス最古の教会らしいです（１６１８年）

ここまで来る観光客はいない

そして日暮れ時の、ライオン宮殿

こう見ると、昔の要塞の面影があるような気もしますね

日が暮れます

夜、サンルイス市役所

ライオン宮殿

撮影していると、カップルが話しかけてきました。
なんかヤバそうと警戒したところ、

「橋の上に立っている二人組の男が金品を狙っているので、気を付けてください」

という忠告だったようです。他のグループにも声を掛けていたので、単に親切な人でした。疑って、ゴメンナサイ

そして、夕刻のベネジット・レイテ広場

汚れものを隠す夕闇は、

フォトジェニックな時間ですよね

雰囲気が良いよね

ここはメルカードだけど、お土産屋さん

ただ日曜の夜は店がほとんど閉まっており、閑散として不気味です。

このバーは開いてました。
ウェイターに聞いた所、「この辺は危なくないよ」と言ってたけど・・・


以上でした、ちゃんちゃん、
次回に続きます